梅雨明けの静岡訪問

先日、武蔵野線の東所沢から小田急線の百合ヶ丘へと引っ越しました。日々目まぐるしく変わる貨物列車や9月からのE231系運用開始を控えたなかで、やや後ろ髪を引かれる思いはありましたが、都心からのアクセスの悪さに辟易していたこと、高校時代の友人がアパート探しに協力してくれたことで県をまたいだ引っ越しに踏み切りました。

百合ヶ丘駅は普通電車と朝晩のみ走る準急しか止まらなず、速達列車の恩恵を受けにくい場所であるのは残念ですが、今のところはそれ以外に大きな不満もなく過ごしています。西京極や水無瀬に住んでいる感覚でしょうか。

帰省の際、空席があったのでLSEの最後尾の展望席に乗車できました

静岡の実家へ帰省してきた際、図らずも県内の中小私鉄訪問と深夜の駅訪問が出来ましたのでまとめてご紹介します。

○岳南電車

社名が「岳南鉄道」から「岳南電車」へと変わって時間が経ち、少しずつ違和感を感じなくなってきました。

最後の訪問が、貨物列車の廃止直前でしたが、比奈より東側は貨物廃止当時と大きく変わらない時間が流れていました。

岳南富士岡駅に電気機関車4両が留置されています。

貨物列車廃止時まで運用されていたED402とED403、ED501は岳南富士岡駅の側線に移動し、廃車後も保存されているED291と共に留置されていました。また、JR貨物より譲り受けたワム380000が2両ほど留置されていました。

(軽く調べてみたところ、ED402とED501は車籍抹消され、長年休車だったED291も廃車になったそうです。ED403は現在も車籍は残っていますが買い手を募集している模様です)

右端にワムが見えます

駅の広告を見ると、イベント列車の宣伝や小さなお祭りのチラシなど、厳しい環境のなかでも何とかして鉄道を維持しようとする会社と地元の努力が窺い知れました。

 

○静岡鉄道

以前、ここでもご紹介した新型車両のA3000形が鉄道友の会のローレル賞をいただきました。地元の中小私鉄の車両が、阪急2000系と同じ賞を受賞したことは非常に嬉しかったです。

そんなA3000形の第二編成に乗車することができました。第二編成は「パッションレッド」と称した、久能石垣いちごをカラーモチーフとした赤色の車両となっています。車体色以外は第一編成と大きく差はありません。

来年の3月24日には2編成が同時に登場予定となっており、まだまだ目が離せません。

 

○遠州鉄道

カルダン駆動車の30形51号。

大学時代の先輩に会うために浜松を訪れた際、ちょうど待ち時間に4両編成の遠鉄電車が走るということで軽く撮影に行きました。普段は平日の朝夕と土曜日の朝のみ見られる4両編成が一往復ではありますが土曜の夕方に見ることができました。

1000形1007号を先頭とした4両編成

この日は日中に30形25号の運行があったそうでしたが、そちらは都合が合わず撮影は叶いませんでした。今後2000形の増備が予定されており、早ければ年度内にも30形の形式消滅の可能性があります。願わくば30形の4両編成を撮影したいところですが、最終運行で実現してくれるでしょうか。

 

○深夜の浜松駅と「ムーンライトながら」

定期列車では在来線も新幹線も静岡までの終電が早いため、臨時快速「ムーンライトながら」の指定席を確保して、終電代わりに利用してきました。

静岡方面から終電が到着した頃、駅の発車案内にサンライズの表示が出てきました。0時台と1時台、反対方向の夜行列車が表示されている光景は、未だ消えていない夜行列車たちの存在を象徴しています。

近畿車輛を出場した東京メトロ13000系の甲種輸送が通過していきました。40分の待ち時間の間にも貨物列車が頻繁に通過し、深夜ながらも充実した時間が過ぎていきます。

0時45分頃に放送が流れ、大垣からやって来た185系「ムーンライトながら」が入線してきました。

この日は滋賀県内の大雨の影響で、関西方面からの乗客が列車に接続できず車内が空いていると聞いていましたが、自分の乗った号車は満席で、夜行快速特有の気だるさと臭いが充満していました。

10人ほどの下車と入れ替わりに15人ほどの乗客を乗せて0時55分に浜松駅を発車、MT54の唸りを響かせながら東進していきました。静岡地区で113系や115系が普通列車として走っていたのは10年以上前になってしまいましたが、今も時たま同じ音を聞けるのは嬉しく感じます。一応は特急型ということで、車内に聞こえてくる音量は小さめですが、台車の真上の座席に座っていたためモーターの振動や熱が身体に伝わってきました。

インターネットを見たり雑誌を読んだりしているうちに一時間ほどで静岡駅に到着しました。

よく知っている静岡駅に185系、それも一時は絶滅したはずのストライプ塗装の車両がいることは何となく慣れない景色でした。

静岡駅でも10人程度の乗客の入れ替わりがありました。「ムーンライトながら」は関西や関東からの旅行者にとっては18きっぷ利用者の長距離移動に欠かせない足であり、宿代わりになる列車ですが、静岡県内からの旅行者には眠るにはやや中途半端な、遅い終電であり早い始発という感じで利用されています。今回の自分のように、県内での移動のために利用する人は滅多にいない模様ですが…。

全国的に見ても過ごしやすい気候の静岡県ですが、梅雨明け直後のこの時期は湿度が高く、都内とさほど変わらない不快感を感じました。例年通りであれば、お盆までは酷暑が続き、それ以降は暑いながらも風通しのよい気候へと変化するはずです。自分は東京や神奈川のヒートアイランド現象に打ちのめされることでしょうから、地元での生活が遠くないうちに羨ましくなることかと思います。

今回はすべてiPadでの撮影でした。画質、特に夜間はきちんとしたカメラに劣りますが、簡単なスナップ程度であれば機動力を活かして十分に撮影することができました。

梅雨明けの静岡訪問」への1件のフィードバック

  1. 寺田さま
    仕事先の首都圏での活動、また実家の静岡県下での近況、読ませてもらいました。静岡県下の私鉄の動向は、私も興味を持って見ています。遠州鉄道の湘南型電車は、ラストランのようで、ぜひ一度行きたいです。岳南も貨物がなくなってから行っていませんが、ずいぶん寂しい状態なのですね。静岡鉄道はまたA3000増備ですか、凄い勢いですね。新幹線から時おり見える、その変身ぶりには目を見張っています。
    「ムーンライトながら」の最終列車代わりの利用、静岡県民らしい、意外な利用方法があるものと刮目しましたが、よく指定券が取れましたね。

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