“ビア電”乗って 昭和の近江鉄道を偲ぶ 【4】

最終の“昭和の近江鉄道”は、駅めぐりとしました。歴史のある近江鉄道のこと、開業時に建てられた駅舎がまだ健在の頃で、昭和の匂いが漂っていました。今では、地元の施設を併設して建て替えられた駅も多くなり、当時の面影は、ほとんど残っていません。今まで記録した、八日市、高宮、日野の駅の昭和時代です。

八日市駅

昭和の時代の八日市駅。いまの近江鉄道の愛称で言うところの湖東近江路線、水口・蒲生野線、万葉あかね線の3線が交わる中枢の駅。ご覧のように広告がベタベタと貼られた、木造二階建ての駅舎、当時、地方鉄道に乗ると、こんな駅舎によく出会ったものだ(昭和53年)。

二面三線の駅構内は、今も変わらない。乗換駅として、乗降が多い。ビア電当日も、集合前に八日市で乗り換えると、ホームはいっぱいの人で埋まっていた。

現在の八日市駅(ネットから転載)。左手にはトイレがあり、ビア電のときは、トイレ休憩で、続々と客が続いていた。
駅前で見掛けた近江バスの時刻表と運行系統図。注目すべきは、京阪三条行き特急バスが朝夕に2本あったこと。とっくに無くなっていると思いきや、なんと11月だけ、今でも京阪三条行きが朝一本だけ走っている。これは、11月の紅葉シーズンに、京都から近江三山の紅葉を巡る定期観光バスが出ており、京阪三条行きは、早朝に、回送を兼ねて、車庫のある八日市から京阪三条行きが路線バスとして運転されている。

高宮駅
高宮は、多賀大社前への支線を分岐する駅、二面三線だが、多賀大社前方面に分岐する3番ホームは、カーブしており、ホームは扇形になっている。この配線は今も変わっていない(昭和59年)。

1・2番線の間には中線もあって、線路を横断して駅舎に向かっていた。駅舎は瓦葺きの木造駅舎だった。現在では、地域のコミュニティセンターを併設した駅舎に改築されている。

 

 

 

日野駅
日野は、近江商人のふるさと、左手の駅舎は開業当時のものだった(昭和53年)。

1番ホームに貴生川行きが入線する。先ごろの乗車で車内から見ると、駅舎はそのままの雰囲気で、リノベーションされていた。

日野駅には、廃車体利用の倉庫があった。客車が出自と思われるが、中央部が切断されており、正面に回ると「1212」の番号を読み取ることができたと言う。前歴を探ると、大正3年の高宮~多賀の開業時に新造されたオープンデッキのボギー客車「い4」で、1・2等の合造車だったそうな。その後、形式称号をフホロハ4とした。電化によって客車としての役を終えて、昭和5年にフホハ26として電車の付随車となったが、その後両端に扉を設けて、丸屋根、3扉のスタイルとなり、昭和31年に制御車に改造されてクハ1212を名乗ったものの、昭和32年には、車籍のみ残して、車体は廃棄された。のちに一部切断のうえに、日野駅の倉庫として転用された。

 

2 thoughts on “ “ビア電”乗って 昭和の近江鉄道を偲ぶ 【4】

  1. 近江鉄道は近くにありながら縁が薄く、昭和50年代に彦根の電気機関車目当てに2~3回足を運んだだけでした。蒸機がいた頃には貴生川に止まっている電車を見ていたのですが、当時は全く興味が無く一枚の写真も残していません。後悔先に立たずとはよく言ったもので、今となっては自分の視野の狭さにあきれるばかりです。
    八日市の木造駅舎は見事ですね。新しい駅舎が利用者に歓迎されるのは当然ですが、小生のような身勝手なファンは古い駅舎に魅力を感じてしまいます。
    日野駅の廃車体は知りませんでした。平成の初め頃に米原から貴生川まで乗車したのですが、桜川で似たような廃車体転用の倉庫を見ました。調べてみれば創業時の客車の成れの果てだとかで、今頃になって興味が湧いてきました。遅すぎますね。

    • 紫の1863さま
      いつもコメント、ありがとうございます。昭和を感じるのは、電車だけでなく、むしろ周辺にある駅舎や乗客の姿、駅前のバスだと感じさせてくれた近江鉄道でした。
      さて廃車体のこと、桜川駅にもあったこと、コメントを拝見して私も思い出しました。あらためて調べると、あの名取さんもみずから訪問されて「編集長敬白」で採り上げられていたのです。こちらは開業時の2軸客車2両を併合改造して、ボギーのフホハニ32・33となり、最後に切断されて桜川に置かれたと書かれています。日野の廃車体も、同じように2軸客車を併合改造したようです。桜川のものは、2011年まであったそうですが、日野はそれ以前になくなっていて、ネット情報もほとんどありませんでした。
      近江鉄道では、後年、彦根の廃車体置き場は知られるようになりましたが、私が見たものでは、貴生川駅(国鉄側)に、中国鉄道の社紋がついた廃車貨車や、雑誌によると、朝日野にも客車の廃車体があったそうです。

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