新緑の保津峡で
“出口戦略”が示されたとは言え、まだ外出自粛は続きそうです。この時期、気が付けば新緑の真っ只中、撮影には一年を通じて最適の季節です。こんな時に限って、外は晴天が続き、カメラを持って飛び出したい衝動に駆られますが、グッとこらえて、家に籠もってスキャン三昧の毎日です。ならば、せめて新緑の頃に出掛けた、思い出のシーンを綴ってみようと思い立ちました。クローバー会の活動でも、昨年の天竜浜名湖鉄道、一昨年の明知鉄道と、快晴に恵まれた新緑の頃の撮影旅行ほど、心動かされる季節はありません。桜など“花もの”に比べて、十分な撮影期間があり、連休期間以外では、人出も少なく、とくに高齢者にとっては、自分好みの期間、場所が選べたもので、好んで各地へ出掛けたものでした。▲新緑まぶしい保津峡を渡って行く287系「きのさき」、ちょうど保津川下りの船と出会う(2015年5月、以下同じ)。
この時は、山陰本線の特急「はしだて」「きのさき」などに使われていた381系が、685系改造の289系に置き換えられると聞き、朝早くから山陰本線の馬堀・保津峡をハイキング感覚で回った。馬堀で降りて、高さ430mのみずき山を目指す。ここは「唐櫃越え」と呼ばれるハイキングコースだが、その昔、明智光秀が、亀岡から本能寺に攻め入る際に通ったのが、「老ノ坂越え」、保津川北陵の「明智越え」、そして、この保津川南陵の「唐櫃越え」だといわれている。その途中の、みずき山の頂上から、山陰本線の二つの鉄橋が俯瞰できる撮影地としても知られている。
▲馬堀から急な坂を延々と登ること一時間、保津峡がV字に流れていて、二つの鉄橋が見渡せる。エメラルドグリーンの水面と新緑が絶妙のバランスで俯瞰できる。
▲こちらは381系「きのさき10号」、以前に、クローバ会写真展などで末席を汚した写真やが、やはり「こだま色」は、新緑背景でも絵になる。
▲馬堀駅に戻って来て、ホームからカーブを通過する「はしだて」を写す。このあと、ひと駅だけ戻って、保津峡へ。ここから保津峡を亀岡方面に歩き出す。▲山陰本線がまだ旧線の頃に歩いた記憶しか無く、時代が経つと、木々も繁茂して、見通しの利く場所がほとんど見つからない。加えて、その前年の台風で倒木が多く発生、行く手を阻んでいる箇所もあり、ようやく鉄橋の上から電車が望めた。▲蛇行する保津川を延々と歩いて、やっと最後の鉄橋で381系を何とかとらえた。前記のように、山陰本線の新線に不案内な私を、いろいろ教えてくれたのは、プロの鉄道写真家の清水薫さんだった。ちょうど清水さんが制作したカレンダーに保津峡を写したものがあり、撮影地などを教えてもらった。ところが先月、56歳の若さで急逝された。ついその前にも、一緒に撮影ツアーに連れて行ってもらったのに‥‥。いまだに信じられない思いだが、謹んでご冥福をお祈りしたい。
総本家青信号特派員様
この場所は一度案内して欲しいと申し上げた場所ですが、最近の体調を考えると新型コロナの外出自粛等が終了したとしてももう無理ですね。最近は家で鉄道写真の整理等をされる方が多いようですが、私は米手作市さんに火をつけられてガタガタしています。清水さんはお若くして残念ですね。お悔やみ申し上げます。
準特急様
たいへんな状況のなか、投稿、コメント、ありがとうございます。さすがに連休最終日にもなると、茫然自失、意識朦朧の状態ですが、阪神タイガーズの優勝プレイバックのテレビ放映があって、多少は気が紛れました。今回の場所は、午前は登山、午後は渓谷を延々と歩きましたが、クルマでは撮れないところだけに、鉄道撮影の基本に戻った思いでした。。