静岡鉄道近況(2021年末)

ご無沙汰しております。先日のクローバー会撮影会では大変お世話になりました。久しぶりに多くの方々とお話ができ楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。
今年の秋から、転職で再び関東に引っ越しました。気が付けば静岡→京都→埼玉→神奈川→静岡→東京と転属(?)を繰り返しておりましたが、そろそろ落ち着きそうです。
静岡では3年半ほど暮らしていました。陸送撮影に引退車両の追っかけと撮り鉄としてはイベントが盛りだくさんでした。
そして家から最も近かった静岡鉄道は新車導入ラッシュ。昨今の情勢と相まって、3年ほどで姿が大きく変わりました。
私自身の備忘録も兼ねて簡単にまとめさせていただきました。

ピンク色同士の離合、1011FとA3007F

7色揃い踏み

2020年1月、導入予定である12編成のうち7編成を7色にカラーリングにするプロジェクト「shizuoka rainbow trains(静岡レインボートレインズ)」の編成が勢揃いしました。2020年1月26日には長沼車庫で導入完了記念イベントを開催。あいにくの天気ながらも素晴らしいシーンを見ることができました。

7編成並び。静岡の鉄道イベントでは見たことのない人の数でした

なお、このあと静岡鉄道創立100周年を記念した新ロゴマークが制定され、駅関連のアイコンが刷新されました。A3000形は新ロゴが全編成のドア横に掲示されました。1000形も1009Fに掲示されたものの、すぐに全面広告車となったため見ることができた期間は僅かでした。

コロナ禍による影響

プロジェクト完了の華やかさから一転、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年4月13日からは臨時減便ダイヤに変更となりました。
平日朝の急行、通勤急行の休止と運行本数の大幅な削減、終電の繰り上げが行われました。平日日中と休日の運用数は9運用から5運用と大幅に減り、2020年3月に8編成が運用入りしていたA3000形で減便ダイヤを全て賄える本数となりました。朝晩のラッシュ対応以外では1000形が運用されない日もあり、新型車に完全に置き換えられたかのようでした。

減便ダイヤは2021年10月まで続きました。たまに乗車すると本数の少なさがとても不便に感じました。利用者が1本の列車に集中し、かえって混雑しているようにも感じました。
2021年10月10日からダイヤが変更され、本数の増加と終電の繰り下げが行われました。ただし平日朝の急行は休止のままで、「急」の副標を掲げる1000形やミュージックホーンを鳴らす急行電車の姿は見ることができません。1000形は全車引退までに再び急行の走行シーンを見ることができるのでしょうか。

1000形による急行と通勤急行は「急」の副標を掲示し、標識灯を点灯

現有車両と今後の計画

2021年12月現在、1000形が3編成とA3000形が10編成が所属しています。

1000形

編成番号 製造年 塗装
1008F 1976年 前面3色ストライプ(原型に近い塗装)
1011F 1984年 「ちびまる子ちゃん」全面ラッピング
1012F 1985年 「午後の紅茶」全面ラッピング

A3000形

編成番号 製造年 塗装
A3001F 2016年(出場は2015年) Clear Blue(クリアブルー)
A3002F 2017年 Passion Red(パッションレッド)
A3003F 2018年 Natural Green(ナチュラルグリーン)
A3004F 2018年 Brilliant Orange Yellow(ブリリアントオレンジイエロー)
A3005F 2019年 Elegant Blue(エレガントブルー)
A3006F 2019年 無塗装
A3007F 2020年 Pretty Pink(プリティピンク)
A3008F 2020年 Fresh Green(フレッシュグリーン)
A3009F 2021年 無塗装
A3010F 2021年 無塗装

特に人気が高いのは1008編成です。全面広告を施していない、一番馴染みのある静鉄1000形の姿で走っています。非冷房で登場し、後年に集中クーラーを設置した「前期型」では最後の1本となっていることも人気の一因です。

なお、A3000形の導入は事業計画書から2023年度に完了することが明らかになっています。

ストライプ塗装を維持し、人気上昇中の1008F

譲渡車両

2021年2月、静岡鉄道は1000形の譲渡を発表しました。1009編成が熊本電鉄に、1010編成がえちぜん鉄道に再就職となりました。
どちらも新造時から分散冷房を搭載した「後期型」に分類される比較的新しい編成です。
かつて長沼工場製の車両が走った熊本と福井の地に再び静鉄電車がやってくることに不思議なつながりを感じてしまいます。

1010Fは3月に、1009Fは7月にそれぞれ長沼車庫を陸送で旅立ちました。
改造のため、1010Fは阪神尼崎工場に隣接する阪神車両メンテナンスへ、1009Fは西鉄筑紫車両基地に隣接する西鉄テクノサービスにそれぞれ入場しています。
1010Fの姿は阪神本線の車内から確認できることがあり、阪神や近鉄、山陽の車両に囲まれた静鉄電車を時折見ることができます。なお、福井の地元紙によれば観光列車として改造され、2023年ごろに運行開始予定とのことです。もうしばらくは今の状態で留置されるようです。
1009Fはトレーラー積載のまま清水港からフェリーで大分に運ばれたのち、陸送で福岡県に入りました。個人的にゆかりのある大分で静鉄電車の姿を見たかったですが、情勢が厳しい時期だったゆえに叶わなかったのが心残りです。目撃情報は聞かないですが、西鉄の車両と並ぶ姿が見えるのかもしれません。

青、オレンジ、緑のストライプでかろうじて確認できる?阪神、近鉄に混じって留置中の静鉄1010F(画像中央左)

住む場所が離れてしまい見ることができなかった静鉄ですが、やはり気になる存在で、SNSでもついつい検索をしてしまいます。今後も故郷と一緒に時折思い出していきたいです。そして譲渡車両の新天地での活躍を楽しみにしていきたいです。

静岡鉄道近況(2021年末)」への6件のフィードバック

  1. 寺田咲築様
    雨天の撮影会、銚子外川のソバ屋で対面(トイメン)でお邪魔した芸名「準特急」です。情報有難うございます。七色のカラーリングは井の頭線のそれを彷彿させますね。そして、譲渡車両と言えば東急、西武が多いようですが、静岡から熊本や福井に譲渡されるとは驚くとともにまた行かんとあかんと思っております。しかし、体がそれまで持つかどうかです。あの撮影会の後は忍者の里と山科大写真展のために2週連続で新幹線に乗りました。静岡と言えば富士山なので11月13日に乗車した新幹線から撮った富士山を添付します。静岡から富士山と言えば腐るほどご覧になっておられるでしょうが、意外と静岡、大井川や浜松からは見えませんね。

    • 準特急様
      先日はありがとうございました。様々なお話を聞けてとても楽しかったです。またお会いした際はよろしくお願いします。
      1000形の譲渡は直流600V用のステンレス車体というのが功を奏したようです。残りの編成も期待したいところです。
      富士山は新幹線からですと静岡を過ぎると見える場所がグンと減り、大井川を越えてしまうと見えなくなります。
      昨年は暖冬で、富士山が撮りたくても撮りづらくヤキモキしていました。今年はきちんと寒いようで冬中は綺麗に乾雪した姿が期待できそうです。

    • 藤本様
      先日はお世話になりました。最近の車両も熱心に撮影していらっしゃり行動力に頭が下がります。
      静鉄の懐かしい……と言っても生まれてはいないですが……車両の数々をありがとうございます。
      長沼工場製の個性豊かな車両たちが走る姿を見てみたかったですが、残念ながらこれは叶いそうにありません。

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