さよなら ハワイアンブルーの電車 (下)

前稿で記した昭和時代の伊豆急100系との出会い以降、再会が叶わぬまま、時間ばかりが経過するうちに、100系は1両を残して、2002年に定期運用から撤退することになります。53両あった100系のなかには、改造車や、グリーン車、食堂車など、ほかの私鉄にはないゴージャスな車両もありましたが、海岸沿いを走るため塩害もあって、JRの113・115系を改造した200系の登場により、100系は撤退することになりました。

しかし、4両だけあった両運転台車のなかで、クモハ103は伊豆高原の構内入換用として、その後も使われていた。伊豆急の開業50周年の記念事業として、本線走行が可能なように保安装置などを改修し、2011年に動態保存車として復活したのだった(2016年 片瀬白田)。

単行運転、両運転台の特性を活かして、小回りを利かせたイベント運転が数多く開催された。途中駅の待避もあって、電車に乗って追っ掛けも可能で、私は、2016年、2018年に訪れた(2016年 稲梓)。伊豆急に乗ったのも、恥ずかしながら、この2016年の訪問が初めてだった。終点の伊豆急下田の長いホームに、チョコンと停車するクモハ103と出会いを果たした。

クモハ103の魅力は、両端で表情が違うこと。前パン、幌つきの上り方もいいが、幌枠だけの下り方も端正ないい表情だ(2016年 片瀬白田)。

イベント列車の内容はいろいろで、地元の食材を活かした食事の提供や、普段は使われない貨物線の入線が多かった。乗車定員は少なく、大消費地の東京圏を控えて、賑わっていると思いきや、意外に空席が多かった印象だ。カメラ人間も少なく、まったりと撮影できた(2016年 片瀬白田)。当初は、南伊東以南で運転していたが、保安装置の拡大に合わせて、車庫のある伊豆高原以南に限定され、最終時の客扱いは、片瀬白田~伊豆急下田に限定されていた(2018年 片瀬白田)。

こちらも将来の置き換えが予定されている185系「踊り子」との交換シーンが、何度も見らたのも魅力だった(2018年 片瀬白田)。
伊豆急が導入を進める新型ATSの更新に、クモハ103が対応できないため、2019年7月に引退が決定した(2016年 片瀬白田)。2回行ったものの、天候には恵まれず、紺碧の海をバックに‥‥の思いは叶わなかったし、駅撮りばかりの安易な撮影だったが、50年来のハワイアンブルーの電車との邂逅に、満足感に浸っていた(2016年 片瀬白田)。

1 thought on “ さよなら ハワイアンブルーの電車 (下)

  1. 伊豆急100系の最終イベント運転は、6月末から7月始めまで、何回か行なわれ、ラストランは7月7日(日)でした。私もよほど行こうかと思いましたが、雨も降っていたので止めました。改めてネットを検索しますと、当日の写真や動画がたくさんアップされていて、これを見ていると、自分でも行ったような疑似体験ができるから不思議です。便利な時代になったものです。

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