2022年9月23日(金・祝)、西九州新幹線が開業し、それに伴い嬉野温泉駅が開業しました。そこで、今回は「温泉」を含む駅名をまとめてみることにしました。
近鉄湯の山線 湯の山温泉にて撮影
「温泉」を含む駅名をまとめたところ、そのほとんどが改称された駅名でした。ここでは、改称前の駅名を載せています。ただし、複数回の改称があった場合は直近の駅名だけ載せています。誤植等がございましたら、コメント欄でご指摘願います。
天塩川温泉(宗谷本線)1981.7 南咲来より改称
川湯温泉(釧網本線)1988.3 川湯より改称
湯の川温泉(函館)詳細は不明だが、開業時からの駅名でない
浅虫温泉(青い森鉄道)1986.11 浅虫より改称
金田一温泉(IGRいわて銀河鉄道)1987.2 金田一より改称
大鰐温泉(奥羽本線)1991.3 大鰐より改称
あつみ温泉(羽越本線)1977.10 温海より改称
阿仁前田温泉(秋田内陸縦貫鉄道)2021.3 阿仁前田より改称
大滝温泉(花輪線)1915年開業
湯瀬温泉(花輪線)1995.12 湯瀬より改称
中山平温泉(陸羽東線)1997.3 中山平より改称
鳴子温泉(陸羽東線)1997.3 鳴子より改称
川渡温泉(陸羽東線)1997.3 川渡より改称
瀬見温泉(陸羽東線)1999.12 瀬見より改称
赤倉温泉(陸羽東線)1999.12 羽前赤倉より改称
かみのやま温泉(山形新幹線、奥羽本線)1992.3 上ノ山より改称
芦ノ牧温泉(会津鉄道)1987.7 上三寄より改称
芦ノ牧温泉南(会津鉄道)1987.7 桑原より改称
湯野上温泉(会津鉄道)1987.7 湯野上より改称
上三依塩原温泉口(野岩鉄道)2006.3 上三依塩原より改称
中三依温泉(野岩鉄道)2006.3 中三依より改称
湯西川温泉(野岩鉄道)1986年開業
川治温泉(野岩鉄道)1986年開業
飯坂温泉(福島交通)1927年開業
鬼怒川温泉(東武)1927.2 大滝より改称
小野上温泉(吾妻線)1992年開業
川原湯温泉(吾妻線)1991.12 川原湯より改称
鶴巻温泉(小田急)1958.4 鶴巻より改称
石和温泉(中央本線)1993.4 石和より改称
葭池温泉前(富士急行)1939年? 尾垂鉱泉前より改称
下部温泉(身延線)1991.12 下部より改称
湯谷温泉(飯田線) 1991.12 湯谷より改称
川根温泉笹間渡(大井川鉄道)2003.10 笹間渡より改称
接岨峡温泉(大井川鉄道)1990.10 川根長島より改称
黒部宇奈月温泉(北陸新幹線)2015年開業
戸狩野沢温泉(飯山線)1987.3 戸狩より改称
別所温泉(上田電鉄)1930.1 信濃別所より改称
花白温泉(明知鉄道)2011.3 花白より改称
湯の洞温泉口(長良川鉄道) 1986.12 美濃立花より改称
みなみ子宝温泉(長良川鉄道)2002年開業
和倉温泉(七尾線)1980.7 和倉より改称
加賀温泉(北陸本線)1970.10 作見より改称
芦原温泉(北陸本線)1972.3 金津より改称
榊原温泉口(近鉄)1965.3 佐田より改称
湯の山温泉(近鉄)1970.3 湯ノ山より改称
おごと温泉(湖西線)2008.3 雄琴より改称
夕日ヶ浦木津温泉(京都丹後鉄道)2015.4 木津温泉より改称
有馬温泉(神戸電鉄)1929 電鉄有馬より改称
あわくら温泉(智頭急行) 1994年開業
城崎温泉(山陰本線)2005.3 城崎より改称
玉造温泉(山陰本線)1949.5 湯町より改称
温泉津(山陰本線)1918年開業
川棚温泉(山陰本線)1914年開業
松江しんじ湖温泉(一畑電車)2002.4 松江温泉より改称
湯田温泉(山口線)1961.3 湯田より改称
道後温泉(伊予鉄道)1961.4 道後より改称
嬉野温泉(西九州新幹線)2022年開業
武雄温泉(西九州新幹線、佐世保線)1975.6 武雄より改称
柿下温泉口(平成筑豊鉄道)1993年開業
京町温泉(吉都線)1990.11 京町より改称
霧島温泉(肥薩線)2003.3 霧島西口より改称
人吉温泉(くま川鉄道)2009.4 人吉より改称
日奈久温泉(肥薩おれんじ鉄道)2004.3 日奈久より改称
5回目の入店になります。
温泉の付く駅は、国鉄の分割民営化の前後の1980年代から2000年ごろまでの間にブームになり急増しました。大半が小規模の温泉で、駅から徒歩圏内にある熱海、下呂、別府、指宿などのメジャーな温泉は、さすがに改称しませんでした。
湖西線のおごと温泉ですが、江若鉄道開業時は雄琴であったのが昭和30年代に雄琴温泉に改称しました。国鉄湖西線の開業時には、トンネル掘削の関係上駅の所在地が温泉街から離れてしまったため雄琴に戻ってしまいました。それでも地元から温泉を付けたいという要望が強く、経費の面から西大津の大津京改称と同時の2008年におごと温泉になりました。どうせ改称するのであれば江若鉄道が駅名標のかな遣いに使っていた『をごと温泉』の方が個性的でよかったのではないでしょうか。
この中の駅名に一つだけ「おんせん」でないものがあります。温泉津(山陰本線)ですが、「ゆのつ」と読み、「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産に登録され一躍脚光を浴びました。温泉は「温泉津温泉」といいます。
駅名だけでなく駅自体が温泉の駅もあります。駅に隣接した温泉もありますが、ここでは駅舎内のエキナカ温泉のみ取り上げます。その昔、東京駅八重洲口の地下に東京温泉がありました。早朝6時からの営業で、東海道本線の夜行列車や東名ハイウェイバスのドリーム号の利用者で賑わっていましたが、東京駅再開発のため2007年に閉店しました。
現在は、次の12駅の構内の温泉施設が営業しているようです。
① 阿仁前田温泉(秋田)秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線「クウィンス森吉」
② ほっとゆだ(岩手)北上線「ほっとゆだ」
③ 女川(宮城)石巻線「女川温泉ゆぽっぽ」
④ 高畠(山形)奥羽本線「太陽館」
⑤ 水沼(群馬)わたらせ渓谷鉄道わたらせ渓谷線「せせらぎの湯」
⑥ 越後湯沢(新潟)上越線「ぽんしゅ館」
⑦ ガーラ湯沢 (季節営業)(新潟)上越線(上越新幹線) 「SPAガーラの湯」
⑧ 津南(新潟)飯山線「リバーサイド津南」
⑨ 平岡(長野)飯田線「ふれあいステーション龍泉閣」
⑩ みなみ子宝温泉(岐阜)長良川鉄道越美南線「日本まん中温泉 子宝の湯」
⑪ 松丸(愛媛)予土線「森の国ぽっぽ温泉」
⑫ 阿蘇下田城ふれあい温泉(熊本)南阿蘇鉄道高森線(運休中)
全身浴でなく足湯、手湯の設備がある駅があります。大半は地元自治体が駅前広場再開発時に駅前に設置するのですが、メンテナンスに問題が多く利用するために途中下車をしても利用停止になっていることが時々あります。その中で駅のホームに設置されている所は、出場しなくても利用が可能です。
① 川湯温泉(北海道)釧網本線「あし湯」
② 湯本(福島)常磐線「駅の足湯」
③ 上諏訪(長野)中央本線「足湯」
④ 城ヶ崎海岸(静岡)伊豆急行伊豆急行線「城ヶ崎海岸ぽっぽの湯」
⑤ 嵐山(京都)京福電気鉄道嵐山本線「駅の足湯」
⑥ 夕日ヶ浦木津温泉(京都)京都丹後鉄道宮津線(宮豊線)「しらさぎの湯」
⑦ 由布院(大分)久大本線「足湯」
エキナカ温泉の第1号は、1986年に中央本線上諏訪1番線ホームに登場した露天風呂でした。場所は前面が新宿行の上り「あずさ号」が停車し、後面は国道20号が通る駅前広場に面しており、裸になるには少し躊躇いがありました。これは前年に国鉄長野鉄道管理局が提唱した「一駅一名物」の一環として設けられたもので、オープンとともに幅広く話題を集めました。現在は足湯に改装されて、より気軽に楽しめる温泉施設として生まれ変わっています。
女川は、右側が駅舎、左側が温泉施設になっています。
快速つくばね様
快速つくばねさんは、駅名喫茶店の常連客となりました。いつも本当にありがとうございます。
温泉が併設されている駅、結構あるのですね。私は実は温泉が好きではないのですが、興味が湧いてきました。まずは足湯から始めようかと思います。
開業時、温泉が付いていた駅名を取ってしまった例があります。
東急東横線の「綱島」は、大正15年2月14日の開業時は「綱島温泉」でしたが、戦時中の昭和19年10月20日、「温泉」を取り、現在の「綱島」に改称されました。
この後、出てくるかもしれませんが、隣同士の駅名が、人の名前のような例があります。有名なのは、日豊本線の「重岡」と「宗太郎」ですが、私が通勤で利用している都営地下鉄新宿線にもあります。始発の本八幡の次は「篠崎」、その次は「瑞江」で、続けると「篠崎」「瑞江」さんとなり、いかにも実在しそうな名前です。因みに私は次の「一之江」を利用しています。
画像は篠崎駅です。
藤本哲男様
ご来店いただき、誠にありがとうございます。
既にいくつか人名のような駅を存じていますが、調査を行い、デジ青で報告していきたいと考えています。
シリーズ絶好調ですね。今回の「温泉」、こんなに多いとは知りませんでした。「つくばね」さんが、江若鉄道の「をごとおんせん」にも言及されています。たいへん広い見識をお持ちで、それに応えるべく、私もたしか撮ったはずと、古いネガを引っ張り出しました。正しくは「おごと」でしょうが、京都でも「都をどり」とか「ぎをん(祇園)」と書く場合もあり、ちょっと粋がった「を」だったのでしょう。初の「を」から始まる駅名標ほ話題になると思いますょ。
総本家青信号特派員様
お陰様で繁盛しております。
そうなんです、多いですよね。調べている途中にあまりの多さに止めようかと思ったくらいです。
「を」の表記ですが、読みが「WO」でないのが興味深いですね。
クローバー会ツアーで上田電鉄へ行って来ましたょ。終点の「別所温泉」、いい雰囲気の駅です。そこに、ありました。筆文字、琺瑯びきを思わせる青地のアクリル照明、レトロ感いっぱいの駅名標でした。もちろん「八木沢まい」もいて、みんなで記念写真に納まりました。
総本家青信号特派員様
コメントありがとうございます。味わい深い駅名標ですね!駅名喫茶店で飾りたいですね。
「八木沢まい」ですかあ。最近、地方ローカル鉄道で、「鉄道むすめ」が増えてきましたね。これらをまとめあげて、いつか投稿してみようかと思います。
「阿蘇下田城ふれあい温泉(南阿蘇鉄道)1993.8 阿蘇下田より改称」をリストより削除しました。現在は、「阿蘇下田城」駅です。
https://www.nhk.or.jp/kumamoto/lreport/article/002/23/