7月28日
最終日となりました。7月28日に旅行日程が入るように合わせにかかったところもあります。タイ国鉄では、年6回蒸気機関車牽引列車の特別運行を行っており、7月28日は、ワチラロンコーン国王陛下生誕日となっています。タイ政府観光庁によりますと、7月28日以外には、3月26日がタイ鉄道記念日、6月3日がスティダー王妃生誕日、8月12日がシリキッド王太后生誕日、10月23日がチュラロンコーン大王記念日、12月5日がプミポン前国王生誕日で蒸気機関車記念運行を行っています。時間は、いずれも下りは、観光901列車バンコクホワランポーン8時10分発、アユタヤ10時20分着、上りは、観光902列車アユタヤ16時40分発、バンコクホワランポーン18時50分着となります。
▲先頭は824号機 バンコクホワランポーン駅
この列車は9両編成3等車が5両、2等車は4両で、冷房車の2等車4両は日本で稼働していた元14系や24系客車です。うち3両は元ブルートレイン客車で、ヒルネ運用に就いていました。機関車は、重連ですが、前向きに2両が並ぶのではなく、2両目は後ろ向きについているのは違和感がありますが、バンコクからアユタヤまで転車台がないためこうしているとのことです。先頭は、824号機で1949年日本車両製、後ろは850号機で1950年川崎車両製です。共に、CX50型という日本のC57類似のパシフィック機とのことです。
▲後位は850号機
▲この列車は9両編成
3等車が5両、2等車は4両で、冷房車の2等車4両は日本で稼働していた客車。うち3両は元ブルートレイン客車でヒルネ運用ということになる。この客車は、元オハネフ25139 1977年に新製され、あさかぜや銀河などで活躍後、2008年廃車。
▲元オハネ25200 1977年に新製され、あさかぜなどで活躍後、2008年廃車。
▲元スハネフ155 1978年に新製され、あかつきなどで活躍後、2003年廃車。
▲元オハ1475 1972年に新製され、臨時特急や夜行急行などで活躍後、2003年廃車。
▲マッカサン鉄道工場製の3等車BTC1165
今日、7月28日は、この蒸気列車の撮影を軸に動きます。先ず、蒸気列車が動くかどうかの確認も兼ねて始発駅、ホワランポーン駅で撮影した後、タクシーでサムセン駅へ行き、迎え撮りをします。サムセンからは、また駅前のタクシーでクルンテープアピワット中央駅へ出て、9時5分発のディーゼル特急7列車でアユタヤまで先回りして、アユタヤ駅の手前でまた迎え撮りです。タイの撮影者、外国人も含めてですが、始発のホワランポーンでは蒸気機関車の前で記念撮影をする人で混みましたが、サムセンでは、一人も撮影者は来ておらず拍子抜けしました。
▲観光901列車 踏切警手が出てきていた サムセン駅
▲観光901列車 鳩は飛んでこなかったので安堵 サムセン駅
▲観光901列車 最後尾は元オハネフ25139 サムセン駅
▲この特急7列車で、途中で観光901列車を追い抜く。特急7列車は、バンコクを9時5分に出て終着のチェンマイには19時30分に着く。 アユタヤ
▲サムセンからタクシーでクルンテープアピワット中央駅へ出て、そこから特急DCで先回りしてアユタヤで観光901列車を迎え撮り
▲観光901列車 アユタヤ
▲スリン発バンコクホワランポーン行234列車 アユタヤ
アユタヤの撮影場所では、せいぜい高校生か大学生ばかり10~20人くらいで私のようなおじさんは一人もいません。機材を見るとデジタル一眼レフは使っているようですが、日本や台湾のように白い望遠レンズやプロフェッショナル機材を使っている人は見かけませんでした。レンズもキットレンズやサードパーティの普及価格帯のものを使っているようでした。
面白いのは撮影位置で、踏切の内側に入り、駅でもホームから降りて撮っています。列車が来ない時間、安全な位置なら危なくないので合理的とも言えますが、日本ではあり得ない場所での撮影が可のようです。SRT(タイ国鉄の略称)の英文字が背中に入ったユニフォームのような服を来たカメラマンも集団の中に居るので当地では問題ないのでしょう。私も「郷に入れば郷に従え」で周りに合わせて柔軟に対応します。
▲荷物列車 バンソン
▲急行171列車 クルンテープアピワット発スンガイコーロク行 バンソン
アユタヤでの撮影の後は、バンコクに戻る蒸気を撮るつもりですが、時間があるので南線の優等列車を撮ります。通勤電車も一緒に走るタリンチャンジャンクションの次のサラヤ駅まで行くと架線もなくきれいに撮ることが出来ました。戻りは、ディーゼル特急40列車です。この列車は、スラターニーを朝9時に出て長駆約9時間をかけてバンコクまで走る昼行特急です。車両は、ADR型という1995年に韓国で製造された車両です。車内はタイトな感じで、JR西日本の683系や東日本のE657系のようなゆったり感はありません。リクライニングの角度も狭く、どちらかというと名鉄の2000系や南海の11000系に近しい印象を受けました。
▲特急37列車スンガイコーロク行と特急45列車パダンブサール行の併結 機関車は、中国中車製のQSY型電気式ディーゼル機関車 サラヤ
▲特急37列車スンガイコーロク行と特急45列車パダンブサール行の併結 サラヤ
▲特急31列車ハジャイ(ハートヤイジャンクション)行 サラヤ
▲この特急31列車の客車は2016年から導入された中国中車製の集中電源方式 サラヤ
▲特急40列車 客車以外の優等列車は、ディーゼルカーとなる。このADR型は韓国製。 特急40列車は、26日に寝台列車に乗車したスラターニーを9時に出て終着のバンコククルンテープアピワットには18時5分着。ちなみにサラヤ発は17時35分。
▲特急型DCのADR型の車内
クルンテープアピワット中央駅に着くと、もうだいぶ暗くなってきて雨もぱらついてきましたが、バンコクのバン・スージャンクション駅のホーム端で戻ってきた蒸気列車を撮って締めにしました。横でおじさんが撮っていたので、タイでも鉄道趣味の年齢層も多様なんだ、と思いましたが、日本人の鉄チャンでした。
▲約30分遅れで帰ってきた観光902列車 バン・スージャンクション
今回は、途中で窮地に陥ることもありましたが、何とか所期の目的を達して終えることができました。現在、バンコクのマッカサン鉄道工場では日本からやってきたキハ40系の整備を行ったところであり、順次運用に就くと思われます。日本で活躍していた元24系等の客車は、2025年7月現在、ノーンカーイを経由してラオスのビエンチャンカムサワートまで走る夜行急行の運用で活躍しています。これらの客車は、シート生地がビニールレザーに張り替えられ、洗面所が改装されている以外は、原形を損なうことなく使用されており、かつてのブルートレイン乗車にタイムスリップ出来ることでしょう。乗ったことはありませんが、昼行の臨時列車用として原形が不明になるほど派手に改造された車両もあります。これらは、相当年季の入った車両なので是非、今のうちに機会があれば乗車体験されることを勧めます。私もまた、元ブルートレイン用寝台客車やキハ183系、キハ40系など日本で活躍していた車両群をはじめ、ダイナミズムに富むタイの鉄道車両を追ってみたいと考えています。(終わり)








ブギウギ様
マレー半島の旅お疲れ様でした。
マレーシアからタイへ、途中大変だったのですね!
手に汗握り経過を読ませて頂きました。興奮状況にありながら、一方で冷静な精神状況、その葛藤の有様は迫力ありました。よくぞよくぞ・・
さて、いろんな車両が走っていますね。ブルートレインもまだまだ活躍中なんですね!鉄道車両は長持ちしますね!点検保守次第でしょうけど。
3等の五人がけのボックス席やヒッチコックの世界のような鳩の群れ?等々楽しませて頂きました。
外国は言葉の問題が一番の課題ですね。自由に言葉が操れたらどんなに楽しいでしょう!スマホを駆使されておられる様子凄いなぁと思いました。
また、お目にかかったらいろいろお聞かせください。
様々な情報を有り難うございました。
タイに行くキハ40ってどんなんかなぁ?
マルーン様
コメント有難うございます。あの日は、必死の状態でした。何とか結果オーライになりましたが、もうあのような事態に陥らないよう緻密に行動したいと思います。とはいえ、また懲りずにやらかしてしまうかもしれませんが。何とかなったのも、スマートフォンやタブレットがどこでも使え、必要な情報が手に入るようになったことによるもので、本当に便利になりました。タイは、ブルートレインや北海道に居たキハ183、今度は車齢40年を超えるキハ40も、北東北からタイに活躍の場を移し、もうすぐ運行されるとのことでなかなか面白いです。また機会を作って行ってみたいです。