2025年夏、マレー半島縦断をめざして(その4)

7月26日後半

バスの発車時刻は結局わかりませんでしたが、もうこれしかありません。エアアジアAK822便で即決です。しかし14時半になっても飛行機は動きません。それどころか整備員が乗り込んできてゴソゴソしだす始末です。今日はとことんついてないなあ、と思いましたが、30分ほど遅れて何とか離陸しました。プーケットには20分ほど遅れての到着でした。外国語の案内は、英語以外には中国語とキリル文字でした。プーケット島は、東南アジア有数のリゾート地で、かつては日本からも直行便があり、多くの日本人が訪れていましたが、今や日本人は減って中国人やロシア人が増えているのでしょう。

とにもかくにも私には、リゾート地としてのプーケットは一切関係なく、スラターニーへ行くバスを探さねばなりません。しかしタクシーの運転手は、「空港からスラターニーへ行くバスはない。タクシーならバス停までは300バーツ(約1360円)でどうだ」と言います。それが高いか安いか判りませんが頼むしかありません。20分ほど走って小さなバス停で降りました。

▲スラターニーへ向かうバス停の切符売り場

本当にここからスラターニーまで行くバスがあるのか判りません。他にバスを待っている客に、スラターニーの地名を連呼するとバス停の横の切符売り場を案内されました。切符売り場といっても小さな窓口一か所です。バス会社の社員かどうかは判りませんが、日に焼けて精悍そうな男性の係員が親切で、「スラターニー行きは、街なかのバスターミナルを17時に出てこのバス停に寄ってくる。スラターニーには21時頃の到着で400バーツ(約1820円)」とのことです。私はタイ語が全く分からず、片言の英語で何とかです。相手の係員は少しは英語が話せそうでしたが、ここまでやり取り出来たのは、私とこの係員が、スマートフォンの翻訳アプリを介して意思疎通が出来たからです。長文でのやり取りでなく、センテンスを区切って単語を並べるように使えば、翻訳アプリはかなり使えます。乗る列車が発車する22時50分までにスラターニーに着かなければ安心できませんが、何とかなりそうな気がしてきました。

▲このような大型のバスが出ていく度に不安がかき立てられた

バスは17時を過ぎてもなかなかやってきません。何台かのバスが停まっては客を乗せていきました。大型のバスではなくミニバスだと言います。18時前になってやっとミニバスが到着しました。ミニバスが到着するまでずっと係員は一緒にいてくれました。親切な対応に救われました。捨てる神あれば拾う神ありとは今日のことだと感じました。

▲これがスラターニーまで乗ったミニバス

▲途中で立ち寄ったドライブインで水分補給

幹線道路から山道を年配の運転手は結構飛ばしますが、練達しているのか走り方には安定感があります。一度、山間のドライブインのような店で休憩をとり、21時半過ぎ、スラターニー駅に到着しました。運転手は笑顔で会釈して去っていきました。列車の到着までゆとりがあるので、海老と野菜の炒め物が載った麺とビールの晩ご飯にしました。南方入りしてから全然アルコールを口にしていませんでした。腹にしみわたるようでした。

▲スラターニー駅前で食べた海老と野菜の炒め物が載った麺、ビールと合わせて135バーツ(約610円)

22時47分、定刻に夜行特急46列車が滑り込んできました。最後尾の12号車、エアコン付きの2等寝台車に多くの欧米人と共に乗り込みます。スラターニーという町はこれまで意識したことはありませんでしたが、観光地のようです。サスペンスの2時間ドラマでは、犯人は悪行に及んでから新幹線などで高速移動して、もともと乗る筈のブルートレインに何喰わぬ顔で収まります。私は自分の失敗を飛行機を使ってリカバリーしましたが、何食わぬ顔で移動するゆとりは無く必死でした。どうも私にはギリギリで動く性癖があります。今年に入り、博多や名古屋から特急の指定席に座ったのは、電車がだいぶ加速してからでした。当たり前ですが、知らない土地のことはよく調べ、時間にゆとりを持って行動しなければなりません。身体をベッドに横たえると空気ばね台車の韓国製寝台車は揺れも快適で、24系25型などのTR217台車のやわらかい乗り心地を思い出しているうちに疲労もあってかすぐに寝てしまいました。

▲こちらは、スラターニー22時24分発の特急32列車。最新の中国中車のステンレス製客車で集中電源方式。

▲スラターニーの駅にて

▲スラターニーの駅にて

▲スラターニーの駅にて

▲ついに特急46列車が入ってきた。この写真はISO6400で撮影。
かつてのデジタルはISO800でやっとだったことを思えば夢のよう。

▲発車前の特急46列車。駅員の前の車両が食堂車。

▲私が乗車する12号車の2等寝台に外国人旅行客が殺到。知らなかったがスラターニーは観光地のよう。

(その3)

(その5)

 

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