第9日目 12月11日
今日はばけぺんさんが帰国されます。千住のヤスベイさんと私はバゴーへ行きますのでご一緒しませんかとお誘いはしましたが、前回来られた時にバゴーには行かれたそうです。そして列車の乗心地は上下左右に激しく振られるミャンマー国鉄名物のジャンピングトレインだったそうで、不快で下車後にも気分が悪くなった。2度と乗りたくないとお断りでした。
私も以前にマンダレーからヤンゴンまで夜行寝台列車に乗りましたが、すさまじいジャンピングに一睡もできず2度と乗らないと決めました。しかし今回は初めてジャンピングトレインに挑戦される千住のヤスベイさんがおられます。タイにご一緒した時にウドンターニからバンコクまで9時間50分の乗り鉄旅をご一緒しましたので旅の相棒にならなくてはと、リベンジを決めました。
▲ 目的地のバゴー(Bago)は、ヤンゴンから北東へ約80㌔です。所要時間は約2時間と短いのでちょっと長距離列車を乗るには手ごろなのと、ジャンピングトレインの恐怖を多少は我慢できるだろうと思いました。
▲ 落花生さん作の現在のミャンマー国鉄路線図です。全体から見ますとわずかな区間であるとご覧いただけると思います。
ただ、まだきっぷを買っていません。ばけぺんさんから当日のアッパークラス(1等)のきっぷなどまず購入は無理と言われましたが、無ければオーディナリークラス(2等)でも我慢しようと朝食後ヤンゴン中央駅へと参りました。
7:20 きっぷ販売の窓口は駅構内で聞きまくってたどり着きました。ばけぺんさんから驚かせられて心配していましたが、並んでおられるお客は少なく、アッパークラスのきっぷはスムーズに購入できました。たまたま空いていてラーキーだったのでしょうね。
▲ バゴーへのアッパークラス(1等)のきっぷです。すんなり、問題なく購入できました。運賃は1149.53チャット、保険が0.47チャットの合計で1,150チャット、日本円ではわずか94円と、激安です。JR西日本の同じ距離での運賃は普通席でも1,320円しますので7.1%(1/14)です。鉄道運賃は驚くほど安くに抑えられています。
ボカシを入れたのは名前です。手書きですがパスポート番号と名前が書かれていました。座席指定で、1号車C7が車両番号と座席番号のようです。
▲ 乗車したアッパークラスは1+2の座席配置、リクライニングシートで快適そうですがクーラーはなく扇風機での暑さ対応です。しかし私が以前に乗ったのは3月で熱かったのですが今回は12月で我慢できない暑さではありませんでした。
▲ こちらはオーディナリークラスの各車両です。2+2の座席配置でさすが板張りはありませんが扇風機の設置数が違っていたり、付いていなかったりで様々です。
▲ 牽引するのはDF2092号機です。
客車は12742+127630+12136+12169+12112+12515+10665の7両編成でした。
▲ 8:26 中間駅のToekyaungkalay に到着です。対向列車との交換が行われました。列車本数が少ないのに利用客は結構おられます。鉄道利用の需要はある様に見えました。
▲ 9:58 目的地のバガーに到着です。覚悟していたジャンピングトレインの走行は一度もなく遅いですが問題ない乗心地でした。ここ数年間で軌道の補修が進められているのを実感しました。これなら夜行列車乗車も問題なさそうに思えました。
外国からの投資が始まり変わっていくミャンマーには今のうちに行って見たい所がたくさんあります。勿論乗り鉄旅になりますのでこの改良された乗心地なら我慢できます。身体が健康なうちにまた訪れたいと思いました。
▲ ミャンマーの古都の駅ホームには放牧のヤギさんたちがうろうろしています。おおらかさが普通の光景なのがミャンマーです。
▲ ホーム売店では乗客のためにいろいろな飲食物を並べていますが最も気に入ったのはクマ笹に蒔かれたお餅?(左上)でした。買ってみたかったのですが着いたばかりで荷物になると諦めました。そして往路はすっかりと忘れていまして悔いが残りました。
これってどんな味なんでしょうか、お買い求めの方がおられましたら感想をお聞かせください。
▲ 次に来る列車をお待ちになるのでしょうか。家族連れでホームでお待ちです。
▲ ホーム間の移動は、狭い板張りの跨線橋です。それほど発着本数が多い駅ではありません。直接線路を渡っての連絡通路が良いと思いますが、昔はバリアフリーの考え方はなかったからなのでしょうね。
▲ 10:08 向かいのヤンゴン行きホームにキハ40系2連が入線してきました。
JR北海道からの車両とおもえますが、車両限界オーバーのためにご覧の通りベンチレーターは撤去されています。
▲ 10:13 駅食堂です。朝食には遅く、昼食には早くの時間ですが多くのお客がおられました。この地の習慣なのでしょうか。
▲ バゴー駅の正面です。さあ、これからどうしようかと思っていますと観光Taxの客引きが来ました。観光地での客引き交渉はJTBご卒業で百戦錬磨の千住のヤスベイさんにお任せしました。
▲ 駅に掲示されていた発着時刻表(上)と列車編成表(下)です。1日22本の列車がある事だけは分りますがその他は全く分かりません。
▲ 10:35 客引きに観光する前に帰りのきっぷを買っておきたいと注文するときっぷ販売窓口内へ案内してくれました。すぐには発券されず予約だけのようでヤンゴン駅と同様にパスポート提示を求められて発車15時の30分前には来るようにとの事でした。
普通、窓口内に入れるものではありません。他の地元民は窓口に並んできっぷを買っていましたので、客引きが駅に顔が利くような仕草を示したかったのでしょうね。
▲きっぷ窓口の外からの様子です。皆さん並んでおられます。
▲ チャーター出来るバイクTaxiたち、我々はこれとは違ってトラックの荷台をロングシートにしたTaxiにしました。
▲ 早速乗車してバゴーの町に出ました。バイクとバイク3輪Taxiが走り回っています。
バゴーはモン族によって13~16世紀、王都として建設されて繁栄しました。ヤンゴンから日帰り観光で行ける古都で、人口は約28.4万人(2012年)です。数々のパゴダ(仏塔)があり観光の見どころになっています。
▲ 11:10 最初に行った寺院では托鉢を見る事が出来ました。先輩から若い僧侶までが一緒に食事です。日本のように精進料理かと思いましたが鳥の唐揚げがあったりで結構ボリュームのある料理が並んでいました。
▲ 最も高いシャーモードーパゴダを始め有名な観光地は案内されました。他にも撮影写真は一杯ありますが鉄ちゃん写真ではないので以上に留めます。
▲ はにかみの国のお姉さんではない外国から来られたお姉さんなのでしょうね。お色気たっぷりの笑顔でのピースサインはお誘いしても良かったのでしょうか。
▲ 客引き兼案内人のお兄さんお薦めの現地食堂で昼食です。ミャンマー料理なのでしょうね。美味しくいただきました。
▲ お給仕してくださった食堂のお姉さん、優しそうな笑顔が素敵でした。
▲ 14:40 バゴー駅に戻ってきっぷの購入です。予約の時と一緒で窓口内に入ってお支払いときっぷ受け取りです。復路のきっぷにはパスポート番号だけで名前の記入はありませんでした。おおらかなのですね。
▲ 15:01 列車が入線してきましたが乗客の皆さんは線路に座ってお待ちです。列車が近くまで来て警笛が鳴ってようやくホーム上に上がられました。
▲ DF2061号機牽引の7両編成のヤンゴン行きの列車が着きました。
▲ 復路のアッパークラスも1+2のリクライニングシートで快適でした。これなら次回は日中の列車でマンダレーぐらいには行けます。スイッチバックのインレー湖行きやゴッティ鉄橋にも行って見たいと思いました。
▲ 16:37 ThingangyunではDD940号機牽引のローカル列車と交換です。機関車にも乗客が乗り込んでいるのは初めて見ました。
撮影地 Google座標; 16.828941, 96.196772
▲ 環状線と合流するようになると走行スピードが下がってゆっくりになりました。
▲ 17:08 所要時間は往路とほぼ同じの約2時間で到着です。
17:20 千住のヤスベイさんと宿泊していますパノラマホテルに戻りましたが、ボケペンさんは「お世話になりました。」と、感謝の書置きを残して既に空港に向かわれておられました。
明日はヤスベイさんと2人とも帰国になりますが、私はバンコク経由、ヤスベイさんはANAの深夜直行便です。私が先にヤンゴンを離れます。 Part14へ続く
いつも楽しく拝見しております。
そこで質問ですが、ここに限らず東南アジアやインドの客車は「幕板」が深く、従って窓の位置が低くなっているように見えます。車内の写真で見てもそのように見えますが理由はあるのでしょうか?たとえば顔に日が当たるのを嫌うとか?
確かに東南アジアやインドの客車の幕板は深いと表現するのか長いですね。窓がそんなには大きくないので引き上げてもそれほどのスペースは必要とは思えません。専門家でないので分りませんが熱い地域を走っているので日差しが車内に入り込むのを押さえるためなのかと思ったりします。米手作市様が推測されるように顔に日が当たるのを嫌う事も強烈な日差し除けのためではないでしょうか。客車マニアの井原さんならよくご存知かなと思いますが、どうでしょうか?