2024年夏、タイからラオスへ(その6)

カムサワート駅に戻ると、心なしかラオス中国鉄道の駅に居るよりもホッとしました。
出国手続きの後、ホームで進入してきた列車を撮ります。ラオス中国鉄道と違ってこちらでは気兼ねなく撮影が出来ました。タイのノーンカーイの一つバンコク寄りのウドンターニーからの快速147列車が5両で入線してきました。▲ウドンターニーからの快速147列車は、ヴィエンチャンカムサワートに着くとすぐ機回しを行います。この列車が今から乗るバンコククルンテープ行きの快速133列車となります。3等普通車2両、2等エアコン普通車1両、2等エアコン寝台車2両の陣容です。短いですが、ノーンカーイからは10両座席車が増結され、長大編成となります。クルンテープまでは2等エアコン寝台を予約しましたが、ラッキーなことに元日本のブルートレイン車両でした。▲元オハネフ25301 きれいに使われています。

今はANS240を名乗っていますが、元々はオハネフ25301でした。現役時代は、あさかぜ(下関運用)と瀬戸に使われていた車両で、小さいながら荷物室があるのが特徴です。

発車間際になって食堂車が連結されていないことが判明したので、慌てて駅のコンビニでご飯に肉炒めと目玉焼きが載った弁当を買います。この弁当は、コンビニの店員が恐らく自分用で買ってあったものを、慌てている自分のために売って貰ったのでした。これには大変助かりましたが、申し訳ない気持ちにもなりました。タイの人の親切に救われました。

編成を物色しましたが、大半がかつてのナハ10のような全金属車体の直角シートの非冷房3等車です。これで半日近く乗るのはキツいなあ、と思います。2両だけ3等と合造の非冷房2等車もついていました。2等は、ボックスシートではなく、一方向けのリクライニングシートですが、どれくらい椅子が倒れるのかは確認出来ませんでした。▲元オハ1476

▲元オハ1476の車内 シートは赤いビニールレザーに張り替えられている以外はほぼ原形と思われます。

2等のエアコン普通車は、これまた日本から来た14系座席車のASC103(元オハ1476)です。座席は、赤いビニールレザーに貼り替えられていましたが、蛍光灯やクーラーのカバー、灰色の床などほぼ原形を留めていました。20時15分、定刻にゆっくりと快速133列車はノーンカーイを発車しました。

▲快速133列車の発車前の活気あふれるホーム ノーンカーイ

寝台も真っ赤なビニールレザー貼りシート、カーテンも赤色と少々派手に変わっていますが、「自動ドア」「くずもの入れ」など結構日本語表記が残っています。元オハネフですが、タイでは冷房車は集中電源でなく車両個別に電源用のディーゼルエンジン搭載に改造されていますので、恐らく「オ」級ではなく「ス」なのだと思います。改造されている部分は、先ず洗面台がステンレスのシンクに、各寝台毎にスマホ時代を反映してか電源コンセントが付けられていました。

▲日本から来た車両は、一部日本語表記がそのまま残っています。

▲扉には「自動ドア」の文字が残りますが、今は手動です。

寝台にもちろん浴衣はありませんが、シートの上にクッションを載せてからシーツを被せます。日本時代は、客自らがシーツをセットしていましたが、タイでは乗務員が寝台をセットしてくれます。その間、通路の折りたたみ椅子に坐り車窓を眺めていると、懐かしくもあり不思議な感覚にとらわれました。TR217台車の乗り心地も柔らかく快適だったのですが、空調が効き過ぎ寒かったのと、枕木と同じ方向に体を横たえるのが、車両の前後の揺れにシンクロするためか余りよく寝れませんでした。かつて銀河や日本海に乗った時もそうであったような記憶が蘇りました。

▲下段です。カーテンとシートが替えられている以外はそのままです。

▲上段もほぼそのままです。奥の黒い敷布団のようなものがマットレスです。これのおかげで日本時代よりも寝台はふかふかです。

▲通路です。

▲テーブルの下に、新設されたコンセントがあります。

▲これは、タイ国鉄の予約サイトですが、このように通路が端に寄っているのが、恐らく元ブルートレイン客車だと思われます。ノーンカーイ行きの快速133列車は、9月もこのタイプでした。しかし、元ブルートレインでない寝台車に取り換えられていたとしても責任は持てません。

▲このように通路が真ん中の車両は、元ブルートレイン以外の韓国の大宇や中国中車等の車両です。日本から渡ったブルートレインは、このように通路が中央にある車両はない筈です。ハジャイやパダンプサールなど南方へ行く列車に連結される寝台車はこのタイプばかりのようです。

▲元スハネフ155のANS231 ホワランポーン

▲元オハフ1521のASC108 ホワランポーン

その7

その5

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください