2024年夏、タイからラオスへ(その4)

▲クルンテープ駅で発車を待つノーンカーイ行き特急25列車

クルンテープは高架の巨大駅でしたが、発車直前の決まった時間でしか改札しないのでホームに入れません。ホワランポーン駅の時代はあらゆる列車を好き勝手に撮ることが出来ましたが、これは痛いです。もっとも発車直前に改札し、乗り込むスタイルは、かつての国鉄優等列車や中国も同じです。構内をうろうろしてさまざまな列車を撮影することが出来なくなってました。入場券を買えばうろうろ出来るのかも知れませんが、今回は分かりませんでした。もっとリサーチが必要です。

▲発車前に改札で並びます。改札といっても鋏が登場する筈もなく、切符のバーコードを読み取るQRコードリーダーです。


▲発車直前の夜行寝台。忘れかかっていた高揚感が蘇ってきました。

今晩の列車、20時25分発ノーンカーイ行き特急25列車の改札が、15分前になってようやく始まりました。しかし改札で切符のQRコードの1人ずつチェックしているのでなかなか前へ進みません。鉄道の改札というより航空機に乗る前のようです。ホームへ上がるとディーゼル機関車を先頭に11両のステンレス製の客車列車がお待ちかねです。ブルートレインに乗る前の高揚感が蘇ってきました。ステンレス製の寝台車は中国中車製造、2016年から投入された車両でまだまだピカピカです。2等エアコン寝台は、オロネ10のような2段プルマンタイプで、乗り込んだ時はまだ寝台がセットされておらず真ん中の通路を隔てて朱色のボックスシートが並びます。

▲寝台です。下段が取れました。ミネラルウォーターも、もれなく付いてきます。

▲これは、なかなか快適ですよ。

クルンテープ駅を定刻の20時25分、音もなく静かに動き出しました。暫らくは新線の高架区間なので、JRより少しだけ狭いメーターゲージ(1,000ミリ軌道)でも揺れは無く滑るように走ります。ほどなく、乗務員がやってきて寝台のセッティングを行います。手際の良さは、なかなかのものです。寝台にセットされたタイミングで、食堂車のクルーがメニューを持ってきたので頼んでおきました。これなら食堂車に行った時にそんなに待たされることもありません。この新型客車の食堂車は厨房設備がなく、温めるだけです。白ごはんに鶏肉の炒めもの、揚げ春巻、すいか、スープが使い捨て容器に載って運ばれてきました。温めただけの食事で190バーツ(約950円)とそんなに安くはありませんが、食堂車での晩ご飯ということで気分は高ぶります。もはや値段は関係ありませんが、タイの旅客列車ではアルコールが飲めません。このルールが敷かれてもう長いと思いますが、変更されていないようなので念のため。食堂車が混んできたので戻ると、寝台のセッティングは終了しており、あとは寝るだけです。

▲寝台のセッティングは手慣れたもの。

▲食堂車はこの後すぐ満員になりました。食堂車に並ぶ客の姿も懐かしい。

▲使い捨て容器に温めるだけは少し味気ないですが、食堂車、ということでよしとしましょう。

洗面台で顔を洗って歯を磨きます。この感覚も夜行寝台に乗らなくなって以来ですので、懐かしく感じました。洗面には、手や顔を拭くためのペーパータオルも備え付けられており清潔です。下段のべッドにもぐり込むと、前夜まともに寝ていなかったこともあり、すぐ寝てしまいました。好みの問題かも知れませんが、寝台がレールと並行しているので前後の揺れをあまり感じません。台車や路盤の良さも加わって総合力が高いのもあると思いますが、かつても583系電車ではよく寝れて、24系のような枕木に並行するベッドの方が前後の揺れを拾って寝にくかったような記憶があります。

▲清潔な洗面台

▲あとは寝るだけです。この通路の雰囲気も懐かしいですね。

その5

その3

2024年夏、タイからラオスへ(その4)」への2件のフィードバック

  1. ラオスのヴィエンチャンまでの延伸区間を乗車されたとは羨ましい限りです。
    2012年12月、ファランポーンからノンカイまでの夜行寝台に乗車しました。バンコク市内を抜けるのに相当な時間を要し、ノンカイ到着は確か3時間くらいの遅延。ノンカイからは、接続待ちしていたキハ20に似た気動車でタナレーンへ。
    会社の準特急先輩やブンシュウさんと一緒です。
    食堂車でビールを飲めなくなったのが残念ですね。こちらは、7人中4人で宴会が出来た時代でした。
    当時は、ラオスは唯一鉄道全線乗車の国でした。

    • クモハ73106東ウラ様
      コメント有難うございます。1月の台湾でも大変お世話になりました。タイでも車内で調理する雑型客車系の食堂車は止める方向だ、とネットで書かれているのを見ました。となると、しまかぜのように温めたものを出すだけの食堂車になってしまい残念ですが、それでもあるだけマシということでしょう。南方もまた行きたいですが、台湾より一寸、体力と気力が要りますね。

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