今日は、まだ樺南林鉄撮影の3日目ですが、最終日です。昼前には、ハルピンに向けての帰路となります。小竹先生から、そしてO氏からも、まだこれからの旅の予定を決めておられないようであれば、我々の代表として残って、樺南林鉄の最後を見届けることも、選択肢の1つに加えて欲しいとのお話がありました。今回は、前回の44日間とは違って東北地区に絞って、国境沿いを回る乗り鉄旅をゆっくり楽しもうと思っていました。既に6日の满洲里行き、11日帰路のハルピン着までの切符は購入済ですので、11日以降に樺南林鉄への再訪問は、可能です。
多くの訪れる鉄ちゃん達を魅了した樺南林業鉄路です。ウヤが日常的でまた長期間に及び、中々運行に巡り合えなかった林鉄でしたが、今回は撤去完了日までの運行は確実です。どうしようかなと思案が続いていました。そろそろ結論を出さねばなりません。迷った挙句は、撤去最終日に何らかのイベントが実施されるようであれば再訪問、なければ皆さんと一緒に撤去途中ではありますが、見送った思い出を大切にしようと思いました。
王さんに林業局の偉いさんか、現地で運行に携わられた方々参加のイベントがあるかどうかの問い合わせをお願いしました。この返答次第で、今後を決めることにしました。
第17日目 5月5日 樺南林業鉄道撮影 3日目
今日も朝6時にロビー集合です。今日は昼までということで、 陀腰子までの区間で撮影で、バイクに乗っての山入りはありません。真っ直ぐに、樺南駅機務段に向かいました。
6:15、今日の1番列車の牽引は、3日間連続の168号機です。
ここで、柏崎からお越しのTHさん、町を歩いて郵便局や国鉄樺南駅に行ってみたいと、皆さんと別れて行かれました。THさんは、中国語を全く話せません。ちょっと心配な小竹先生は、携帯電話を渡されていました。でも鉄ちゃんは、このくらいの好奇心がなければいけませんね。私も中国語は少ししか話せませんが、いつもこんな調子でぶらりと大地の町々を歩いています。
▲ 6:33、昨日同様に道路併用軌道の停留所で、作業列車を待ちました。
▲ 6:51、樺南~下樺間では、昨日と場所を替えての撮影です。 ご覧のように今日の天気は不好です。天気予報では、午後から雨が降ってくるようです。
▲ 7:09、正面だけでなく、横からも撮りたいとの希望が出ました。下樺手前の大カーブ前で草原の丘を入れてみました。夕日の斜光の中で撮ってみたかったですね。
▲ 7:42、下樺~ 陀腰子間の撮影は、見渡せる丘になりました。大地が緑の絨毯で覆われる頃には、絵になったでしょうね。これが、我々が見た樺南林鉄の最後の走行でした。
▲ 8:10、陀腰子村に行って、昨日と同じ食堂での朝食です。田舎食堂でよく食べていますが、麺といい水餃子といい、中々のお味でした。ビールは、中国独特のアルコール度数の低いあっさり味の、ジャムスの松花江ビールです。
食事後の小竹先生は、農作業へと向かう農民の姿、息づく街を撮っておられました。私もカメラを向けましたが、モノには出来ませんでした。
▲ 9:53、樺南林鉄の最後の訪問地は、樺南駅構内です。機務段前には、転車台がありました。これがあるならデルタ線は要らないのにと思いますが、どのように使用されていたのでしょうか。
機務段には、頑固なおじさんがいるので入らないようにと、王さんから待ったがかかりましたので望遠でパシャリです。
構内では新しい枕木の荷おろしが行われていました。これから建設される観光新線用なのでしょうか?
【今後の樺南林鉄】
撤去作業は、紅光~立新(約8キロ)で行われていましたが、立新~ 樺南(約37キロ)は、撤去は行われずにそのまま休線扱いで放置されるそうです。この不可思議な事はなぜとお聞きしましたら、財産管理、所有権確保のためだそうです。レールを撤去してしまうと、土地の所有権は林業局から国へと自動的に戻されます。レールをそのままにしておきますと、左右10mの土地の所有権が林業局に残ります。今後、残された路線での活用を目指すために財産管理、所有権確保は必要との判断だそうです。と、いっても立新~ 樺南で、列車営業の復活はありません。ここにある蒸気機関車は、これから建設される新線へと移送されてしまうからです。
新線は、ここから20キロ離れている場所に建設されることが決まっています。工事は、撤去完了後に行われるそうです。完成開業目標は、今年の6月中旬以降と申されます。えらく早い開業です。新線建設には、まず路盤を作って、レールを敷設しなければいけませんが、そんなに早く路盤が完成するとは思えません。問いますと、まず5キロを完成させて、様子を見ながら延伸するとの返答です。それでも、早すぎますので、後は推測ですが、どうも以前に森林を伐採して輸送した旧路線跡を再利用するようです。抗日戦争の記念碑も建設されるようで、これと合わせての観光路線になると申されました。
新線が出来るまでに、映画の撮影に近々利用されるそうです。これが、樺南林鉄に走る最後の列車になりそうですね。撮影日が分かればスクランブルされる方もおられるかも・・・。
最新情報は、ナローゲージ掲示板または小竹先生のHPに掲載されるかと思いますので、毎日ご覧ください。
▲ ハルピンに戻った夜は、「阿里河転じて樺南ツアー」となりましたが、結果良ければすべて良しの連日の宴です。美味しい羊肉しゃぶしゃぶとビール:白酒をいただきました。
この小竹直人ツアーに参加されましたのは、THさん、KSさん、OKさん、NSさん、MIさん、STさん、そして私の7名と案内人兼通訳2名の計10名でした。またどこかでお会いしたい熱心な中国鉄ちゃんの皆様です。楽しい時を一緒に持てまして、ありがとうございました。再見!
冒頭に掲載しました樺南林鉄の最後を見届けることへの結論ですが、王さんから問い合わせをしていただいた結果、イベント等は行われず静かに終るとの返答が来たと申されましたので、皆さんと一緒に見送った思い出にしました。
( ※ 小竹先生の最新のHPでは、ようやくレール撤去が終ったそうですので、私が再訪問していても最後を見送ることにはならなったようです。しかし、まだ枯れ野だった周囲の光景は、木々に若芽が吹き出し早春の様子です。撮っても良かったかなと思いました。)
旅の途中でO氏から、小竹先生に誘発されて2人ほど樺南林鉄に向かわれたとのメールを受取りました。樺南林鉄には、熱心な鉄ちゃんがおられたのですね。
Part15 へ続く