2012年~2013年 極寒の中国鉄路の旅 Part8 小竹直人企画「綏棱森林鉄路(スイリン森林鉄道)撮影ツアー

第8日目 12月30日
哈尔滨21:51(1522次)→4:22沈阳北

今日は綏棱森林鉄路の復路です。晴天になればと期待をして6時前には起き上がり、まずは荷物を持って宿泊所を出て、昨夜の夕食をした食堂に置きました。
01_建国駅01今日は朝から失敗はできません。夜明け前の積雪路をカメラのレンズキャップはしたまま、建興站構内へと向かいました。
残念ながら夜空には月はおろか星すらも見えません。

DLから前照灯をいただいて夜撮ならぬ朝撮です。
【DATA】ズーム48㎜、F7.1、
6秒、ISO200、0段

01_建国駅00【DATA】44㎜、F7.1、1.6秒、ISO200、0段
上の写真2カットは、ほぼ同じ場所で同一条件で撮りましたが、三脚を極力使用したくない私的には、シャッタースピードを速くして自然に近い状態で撮影することが好きです。今回は折角三脚を持ってきましたので使用しましたが、この条件下であれば単眼レンズの55㎜F1.4か、35㎜F2.8に換えての手持ちで撮っても良かったと、後で悔みました。

F値については、デジタル一眼レフカメラでは、F8が一番良いとカメラ雑誌に出ていましたので選びましたが、小竹先生によると一般的であって、使用するレンズ特性によって画一ではないと申されます。最近のレンズは解放でもそこそこの画質を得られていて、1段絞れば十分なのが多いそうです。もう少し自分で勉強する必要がありますね。

01_建国駅02【DATA】 52㎜、F8、3秒、ISO200、0段
01_建国駅03

【DATA】 52㎜、F8、1.3秒、ISO200、0段
6:48、晴天でこの時間ですと、一昨日同様に沈む満月が見られるのですが、残念でした。

夜撮での長時間露光の幻想的な写真は嫌いではありませんが、実際に目で見た光景を残したいと思っております。そのためには、もっと明るいレンズが必要になってきます。
人間の目のF値は、F1.0と言われています。かつて私が学生時代の60年代にカールツァイス社からF0.7のレンズが出ていると聞いて驚嘆しました。F1.4のレンズと比べても4倍(2段)明るいレンズです。しかし、一眼レフに使用はされずHASSELBLADに装着されたそうです。

日本では、1951年に第二次世界大戦中、光学兵器を生産していた東京光学では、トーコー50㎜ F0.7を試作していました。戦後の51年にそれを改めて設計し直して、世界一明るいシムラーレンズが出来上がっています。残念ながら量産には至らず、たった3本が作られたのみで、そのうち2本は毎日新聞社の南極探検隊用に納入されたそうです。

私が見て手に取った最高F値のカメラは、Canon7でした。1961年~1965年にかけて販売されていました。レンジファインダーカメラで、50㎜レンズのF値はなんと、F0.95でした。当時の価格は86,000円と、高価で買うことなど夢の話でしたが、欲しかった1台です。
コンデジでこんな明るいレンズのカメラが出たら最高なんですが、カメラメーカーさん技術はお持ちだと思いますので、是非に造ってください。できれば、最低焦点距離が18~21㎜程度で85㎜までズームできると、一眼レスをサポートする最高のコンデジになります。実売価格が3万円以下なら即決です。ちなみに私が持っているコンデジは、F1.8のNikonP310と、F2.0のCanon-PoweShotS95ですが、満足できていません。

参考までに、標準レンズが50㎜と言われているのは、ライカ社が50mmレンズを「もっとも人間の目に近いレンズ」と位置づけたことに由来します。
「焦点距離が、50㎜-もっとも人間の目で見た映像に近い、35㎜-片目の視界に近い、28㎜-両目の視界に近い、85㎜-凝視した時の視界に近い。」と、言われています。コンデジは、28m~85㎜のズームレンズを備えることが最低条件とされている理由のようです。

05_橋0105_橋02[googlemap lat=”47.672525596384226″ lng=”127.86880016326904″ align=”left” width=”300px” height=”180px” zoom=”15″ type=”G_HYBRID_MAP”]黒竜江省 ハルビン市[/googlemap]▲ 8:36、建興站の1つ手前の駅から分岐している石斗山方面への支線に向かいました。ナローゲージとしては、長い橋がありましたので、1番目の撮影ポイントです。みんなでラッセルしながら雪の積もった河原へと降りました。
河は一面厚い氷が張っているように見えましたのが、やはり12人も渡ると重みで氷の上に積もった雪が湿ってきました。割れる前兆です。これは危ないのかなあと思っていたら小竹先生が行かれた所は氷が耐えられず、片足をズボッとになりました。

帰りの車中は、ストーブの入ったカブースで靴を乾かせねばならなくなりました。私も凍える客車内には耐えられずギブアップで、同じくカブース入りです。

06_四海店0006_四海店02▲ 11:13、本線に戻り、四海店に到着しました。運材列車どおしの交換がありますので、チャーター列車は邪魔です。一旦、デルタ線に入って交換が終わるまで待機しました。
その間、昨日同様に四海店站内食堂で昼食を済ませて、初めての発車シーンの撮影となりました。
06_四海店0306_四海店04▲ 12:11、発車シーンは2度お願いしましたが、発車時に煙が1本垂直に立つような元気のいい姿は、無理でしたね。
10_発車
▲ 13:26、場所を代えて走行シーンを撮ることにしました。
発車時は、このようにドレインはものすごく出てくれるのですが・・・。
12_
11_夕日をバックに[googlemap lat=”47.373724187595094″ lng=”127.47771263122559″ align=”left” width=”300px” height=”180px” zoom=”14″ type=”G_HYBRID_MAP”]黒竜江省 綏化市[/googlemap]▲ ようやくC2も本気になってくれたようで、陽が傾いた光景の中での勢いのいい走行を見せてくれました。

12_夕日に向かって0212_夕日に向かって[googlemap lat=”47.352547651608226″ lng=”127.48166084289551″ align=”left” width=”300px” height=”180px” zoom=”13″ type=”G_HYBRID_MAP”]黒竜江省 綏化市[/googlemap]▲ 14:08、一昨日に月と蒸気機関車のツーショットが撮れた場所に移動しました。

ようやく夕日が見え出した時を狙っての撮影でした。外温はマイナス25℃になり、煙も残っての満足できるカットになりました。
今日最後の撮影が1番のハイライトでしたね。
12_夕日に向かって03
これにて、「綏棱森林鉄路撮影ツアー」は終了しました。チャーターしたバスで19時過ぎに哈尔滨市内に到着しました。
この後皆さんは、哈尔滨に一泊して翌日帰国される方が4名、1両の蒸気機関車がまだ活躍するジャライノールを目指し満洲里へと向かわれる方が1名、また大爆煙を求めて阜新煤礦鉄路へと向かわれる方と沈阳に向かわれる方々に別れます。

15_夕食今夜は、皆さんでご一緒での今回最後の宴です。東北名物の羊肉のしゃぶしゃぶを食べて、ハルピンビールや白酒飲んでの楽しいひと時になりました。
15_DSC_8415また、大地でお会いできる機会がありましたら、よろしくお願い申し上げます。ご苦労様でした。

左の写真は、哈尔滨站広場の氷のモニューメントです。丁度、哈尔滨では世界三大氷祭りの一つに数えられる哈尔滨冰雪大世界が開催されていました。駐在時代に一度行きましたが、中々でした。機会が終わりでしたら皆さん方もどうぞ、お奨めいたします。

切符1522私は、この後阜新煤礦鉄路へと向かう方々と一緒に今夜の夜行列車に乗車しました。

明日は、沈阳に早朝着後、チャーター車で阜新へと向かいます。阜新では大爆煙を1度見ましたが、遠くからでかぶりつきで見たことはありません。6回目の正直となりますかどうか、祈っての就寝でした。  Part9  へ続く

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