絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part8 台鐡屈指の秘境站、枋野信号所で撮る

DSC_0028005南迴線の主役は幾たびのダイヤ改正後にも残った普快車です。毎日1往復となりましたが、3両のレトロ客車編成がここ台鐡屈指の秘境站、枋野信号所にも停車しました。この站での客扱いはありませんがゆっくりとノスタルジックな旅を楽しむ旅人達が乗車しておられました。日本にも昔ながらの旧型客車列車があったら良いのになあと思わずにおられません。いつまでも残って欲しいと気持ちを込めて、シャッターボタンを押しました。

第6日目 6月8日 その1

今日は今回の旅での目的地の1つだった南迴線の秘境站である枋野信号所へと参ります。皆さん初めての訪問ですので昨日泰安站でお会いした旅行写真作家の結解喜幸氏にお聞きしたところ、「2年ほど前に知人の案内で行ったが道とは言えない悪路を行く、着いた枋野信号所に入るには現場での許可が必要かな。」との話でした。
かなりハードルが高そうで挫折も覚悟の上での出発でした。

DSCN9558_100▲ 6:25 チェックアウトを済ませて荷物を預けてからのゆっくりと朝食です。京城大飯店の朝バイキングも老人には十分なメニューが用意されています。

01_切符03① 高雄7:10(自強號301次)⇒8:10枋寮

南迴線は単線で需要に対して列車本数が少なくいつも満席ですので昨夜に切符は購入しました。

7:07 今や最古参DCとなった東急車両製のDR2800系に乗車して枋寮へと向かいます。

▲ 全車回転リクライニング、シートピッチ十分のグリーン車仕様のシートはとても快適です。

DSC_9919_100DSCN9575_1008:10 枋寮に到着。DR2800系12連はこれから南迴線の山越えに挑んでいきます。

写真の左端を注目、台鐡の站にはよく原住民のモニュメントが設置してあるのを見かけます。しかし列車が走るレール間に設置してあるのは初めて見ましたと言うより何回か来ている站ですが気づきませんでした。

モニュメントは他にホームの柱にもありました。これは何なのか?お皿でもないようですし、ご存知の方がいらっしゃれば教えてください。
DSCN9590▲ ホーム連絡地下通路にもいろいろな展示物が掲示されていますが、これは珍しく日本語、カタカナも入っての周辺案内です。

DSC_9920_100▲ 貨物ヤードに待機中の普快車。今日の編成は、R134号機(GM製)+35SPX32734T(日本製)+40TPK32215T+40TPK32219T(2両はインド製)です。出来れば高雄から走って欲しいものです。

▲ 8:27 乗降が終わった駅舎待合室はひと気がありません。枋寮站が開業したのは1941年12月15日、屏東線(高雄~枋寮)が開業した日です。過去5年間の1日平均乗車客数は717~953人、わずかですが増加はしています。

駅舎前にはTaxiが2台、客待ちをしていました。内の1台の運転手に団長さんが渡してくださった訪問地の坊野站枋山站、最後の内獅站のルートを見せて、まずは場所が分かるか、行けるかとお聞きします。知らないと言われれば既に地図を表示して準備していたタブレットを見せて説明しなければなりません。不安でしたが、「知っています。行く事が出来ます。」と、あっさりとOKが出ました。次にチャーター時間は今から5時間、13:30までお願いしたい、料金はいくらでよいかとお聞きしますと、財布から1,000元札2枚を出して2,000元(約8,000円)の返答です。
以前に太麻里で山の上からの俯瞰撮影をするために駅員にお願いしてTaxiを呼んでいただきました時に1時間500元との提示がありました。昨日、台中港で撮影した際に知り合った台湾人鉄ちゃんの陳さんにもお聞きしていましたが、相場は1時間300~500元(平坦地~山間)と言っておられました。1時間400元のチャーター料金なら、良心的な料金です。現場への悪路を考えますと値切るのは酷なように思いましたので皆さんに了解・確認をいただいてからOKを出しました。これで第一関門は突破しました。続いては現場での関門です。
DSC_9923022▲ 8:42 枋野信号所は商店など何もない所です。駅前の7-Elevenで昼食便當と飲み物を買い出してからTaxiに乗っての出発です。

市内の中山路から広い循貫公路を南下、70km/h前後で約15分を快走しました。
8:58 枋山渓に架かる橋手前から左折して側道に入ります。
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DSCN9638049▲ タブレットをナビモードにして交差点ごとに走る方向を指示します。最初の1㌔は舗装された幅も十分な道でしたが、次第に狭くなって舗装は剥がれて穴があいた凸凹道になります。そして、とうとう未舗装となり枋山渓の河原へと出ました。もう道とは言えない車が通った跡を10km/h前後の低速で凸凹道を行きます。時々車の底が擦った音も聞こえてきます。既に携帯電波は圏外表示が出ていますが、タブレットは地図を記憶していますので大丈夫です。
DSC_99420309:31 側道に入って約10㌔、走る事約33分で聞いていた入場門が見えました。遮断機は下りていません。
係員のおじさんが立っておられますので、パスポートを出す準備をしていますと、運転手は車を停めて先に出ました。おじさんと何やら話して、免許証を出しています。
DSC_9945031▲ 9:31 入場門位置 Google座標; 22.278872,120.717308
門衛のおじさんは記録簿に車のナンバー、Taxi運転手の名前や免許証番号を記載しているようです。
この間約2分、後は何事もなかったかのように車は走り出しました。しかし我々のパスポート提示よりも運転手の身分照会の方が優先される、信用があるとは意外でした。

DSC_0065009

▲ 後ろを振り返りながら拍子抜けでした。入場者の審査許可と言うよりもここから先の入場車登録を必要としていたわけです。ホッと一安心、山道を上へと上がりますと枋野信号所が見えました。
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▲ 9:36 無事に枋野信号所に到着です。

DSCN9594043DSCN9597_100▲ 信号所の駅舎壁面には訪れる人も多くはないと思いますが観光案内板が設置されています。

直ぐに駅長さんにご挨拶に行き、撮影許可をお願いにしました。
站長さんは笑顔でお迎えしていただき、外へ出て線路内には入らないようと「ここから先はダメだよ。」と申されて、快く許可をいただきました。
ついでに今日午前中の列車の通過時刻を教えていただきたいと申し出ますと駅舎内に入られます。しばらくすると、1枚のメモを渡されました。何と、わざわざ手書きで時刻を書いてくださっています。ありがとうございます。
こんな事は日本では考えられません、また世界各地へと鉄道撮影に行っていますが今まで経験したことがありません。あらためて台湾鉄路が好きになりました。

DSC_9953033▲ 9:52 少し遅れてのDR3000系9編成の自強號303次通過です。枋野1号と2号トンネルに挟まれての枋野信号所はかつては列車交換駅で、降りる事も出来る列車があったそうですが、現在は役目を終えて通過ばかりとなりました。4線ある線路も手前2本は錆が浮いています。

DSC_9973035▲ 9:59 こちらも少し遅れてDR3100系9両編成の自強號306次が通過して行きます。全長98.2㌔の南廻線(枋寮~台東)はこのトンネルを出た先の中央信号所~古荘が複線区間です。持っていますダイヤグラムでは中央信号所手前の複線区間ですれ違うダイヤにはなっていますが南下列車が遅延していますので中央信号所で列車交換したものと思えます。

この後しばらく列車は来ません。駅舎周りをウォッチングです。

DSC_9981036▲ さすが南国だけあって色鮮やかな花が咲いていてしばしの休息を和ませてくれます。いずれも家では見られない花ばかりです。

10:54 もうすぐ列車が来ます。站長さんが出てきて安全確認です。構内では多数の工夫が何やら工事作業をされておられます。工夫たちが線路上から立ち去っているかの確認です。DSC_9991037▲ 10:55 DR3100系9両編成の自強號371次が通過して行きます。これらのDC自強號は土・日曜日には増結されての12両編成で走るのを今までに見ています。かつては日本でも最盛期はDC12両編成をよく見ました。DR3000系は日立製、DR3100系は日本車両製です。こういった長大編成を目のあたりにしますと懐かしい光景が蘇ってきます。

DSC_0009001▲ 11:20 R122号機牽引の莒光號751次9両編成が遅れての通過です。先ほどから見ていますと南下列車は5分の遅延が続いています。R122号機の後はR123号機です。重連ですがR100型は出力1650HPありますのでこちらは回送なのでしょうね。
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11:24 直ぐに普快車が来る時刻です。駅長さんは通過前には線路上に障害物がないかどうか確認を怠りません。
DSC_0019003DSC_0025004▲ 11:26 次は定刻に先ほど枋寮で見たR134号機牽引の普快車がトンネルを抜けてやってきました。通過すると思っていましたら停まってしまいました。今日はダイヤに遅延が発生していますので、11:32に通過北上する自強號をここで交換待ちするようです。

DSC_0048006DSC_0054007▲ 11:36 枋野2号トンネルからDR3000系9両編成の自強號372次が出てきて普快車との交換をしていきました。貴重なシーンが撮れました。

DSC_0061008▲ 11:39 枋野2号トンネルへと消えていく普快車を見送ってからは引き上げです。次は枋山俯瞰で昨日撮ったDR2700系の南迴線運行を撮ります。通過時間は12:42でこちらからの到達時間を逆算するとあまり時間がありません。站長さんにお礼を申し上げて急ぐ事にしました。  Part9へ続く

絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part8 台鐡屈指の秘境站、枋野信号所で撮る」への2件のフィードバック

  1. 枋野のような秘境は、やはり語学が堪能な方がいらっしゃると心強いことを再認識いたしました。さらなる秘境と言われる中央信号場も訪れてみたいですね。それから、11:20の写真が違いますよ。

    • クモハ73106東ウラ様、ご指摘ありがとうございました。只今取替ました。最近はボケてきてよく間違います。認知症先生の山の神に調教してもらわないといけなくなってきたようです。また間違うと思いますのでご教示ください。
      それと台湾語は堪能ではありません。各国を一人旅をしている間に何とか求める事を伝えたいと悪戦苦闘している間に何となく身に付いていったようです。恥を気にせず当たって砕けろの積み重ねですね。その内、思わぬ落とし穴が待っているかも・・。でもこんな性格はこの齢になると治りません。もっと慎重にいかねばならないとは思ってはいますが、頭脳がないので無理ですね。学生時代にちゃんと勉強しておくべきでした。

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