京王帝都5000系の譲渡先の姿としてデジ青【73063】で一畑電鉄のそれを取りあげたが、今回は一畑以外の残りである。全部網羅といきたいところであるが個人の力では限界があるので補足写真があれば幸いである。
まず一畑と同様に車両カラーがバラエティーに富む富士急である。最初は元京王帝都5000系の富士急1000、1200のオリジナルカラーである。1000、1200は車内シートのロング、クロスの違いである。この1208の編成は既に廃車されているが、もとJR205系である6000系入線により他の元京王車にも廃車が出ている。ところで最初に説明すべきであったが京王は日本では数少ない1372ミリゲージのため他社譲渡に際しては台車を履き替えたり改造しておりここでは営団(現東京メトロ)3000系のFS510である。
2010.5.21 寿-三つ峠 大月行き1308+1208 ▼
一畑では元京王帝都の2100と元南海電車3000との離合を取りあげてみたが、富士急ではJRの元特急車等の乗り入れ車と富士急車等いろいろな組み合わせができる。写真は元京王5000系と晩年に人気が上昇したJRスカ色115系との離合である。現在JRは115系を211系に置き換えたのでこの組み合わせは過去のものとなってしまった。私は駅間での走行写真を基本としているが、最近はこのように元の資本系列が全く関係のない車両同士の出会いもできれば記録するようにしている。富山地方鉄道なども面白いのではないか。交換する駅は島式よりは相対式がよく、さらに駅のムードや背景も重要であるが、ここ谷村町の河口湖よりの踏切りは好きな場所である。多少大きめの望遠レンズが必要である。
2012.10.6 谷村町 左大月行き後部1207、右1453M高尾発河口湖行き先頭クハ115-380 ▼
JR九州の車両で有名な水戸岡先生の作品である1205+1305の「富士登山電車」。この編成は赤色の初代マッターホルン号を改造したもので2009年8月9日より運行している。このユニークな車内の電車に乗ったことはないが写真を改めて見てみると座席が外を向いているのか、お客は皆私の方を見ているような気がして恥ずかしい。田圃の中で高齢の老人が一人カメラを振り回して写真を撮るのには勇気がいる。
2012.12.1 三つ峠-寿 1205+1305 河口湖行き 富士登山電車 ▼
リバイバルカラーのうち比較的新しい昭和40年代前後の標準色でこの色は知っている方も多いと思われる。
2013.11.26 三つ峠-寿 河口湖行き1202+1302 ▼
もう一つのリバイバルカラーは富士急が富士山麓鉄道と言われた時代のモハ500形の色である。この色は2012年10月に京王帝都5000系のアイボリーカラーに復元されたので見られた期間は3年間くらいである。
初代マッタ-ホルン号1205+1305は「富士登山電車」になったので2代目のマッタ-ホルン号には1201+1301が選ばれたが赤白を基本とするイメージはほぼ同じである。
2013.11.26 三つ峠-寿 河口湖行き 1201+1301 ▼
2012年12月に京王5000系のアイボリーカラーに復元された1001+1101(5113+5163というナンバーも復元)
2013.11.26 三つ峠-寿 河口湖行き後ろ狙い
以上が富士急の元京王帝都5000系の代表的塗装であるが、2012.11.17から2013.1.31までアニメーション映画のエヴァンゲリヨン(これ自身私は全く知らない)の公開記念ということでその塗装電車が1207+1208に施されて走ったとあるが、あまりにも短い期間であり撮っていない。
次に四国の2社、伊予鉄と琴電である。前者は路面軌道に元京都市2000形が走っておりデジ青でも度々登場するが郊外鉄道線は元京王5100系と3000系のほぼ独壇場である。一方、後者は昔から生きた鉄道博物館と言われるほどいろいろな車両が走っており同じく旧型国電王国であった国鉄飯田線共々足繁く通った電車ファンも多かった。
2011.12.5 梅津寺付近の765横河原行き 伊予鉄には京王2010系も譲渡されたが京王井の頭線3000系の導入により既に廃車された。その一部は銚子電鉄に4両再譲渡され活躍中である。同様に3000系に追い出されて元京王の5000、5100系も廃車が始まり、本年3月より2両が銚子で活躍中である。
高松琴平電鉄へ譲渡された元京王帝都5000系は緑色を基調としたカラーであったが、ポジフィルム紛失中のため掲載不能で申し訳ない。ここでは元京浜急行の1000形とともに活躍する姿が今も見られる。
最後にもう一つ、C12の活躍で有名であった元国鉄足尾線、現在のわたらせ渓谷鉄道にも元京王帝都5000系の車両がトロッコ列車のスタイルで残っている。こちらも訪問時には車両にテントが被せてありみっともないので割愛させていただく。
以上で関三平先生のシリーズのうち京王帝都5000系関連で主に譲渡先での姿を紹介した。今後は井の頭線3000系共々現役と譲渡後の対比写真も考えたい。