半世紀前の山陽電軌、併せて街の新旧対比(1)

半世紀前、1962(昭和37)年3月、筆者が2回生の時、九州に渡る前の一日、下関市内で山陽電軌を眺めていました。その時の画像を整理しながら、停留所や、背景の建物、街の様子が、現在どんな風になっているか、google earth で眺めました。車両と併せて街の新旧対比をも紹介します。

先ずは山陽電軌道の位置です。
▼山陽電軌道路線概要
南から、大和町(やまとまち)線、市内線、幡生線、長関線からなっています。但し車輌の行き先表示板は市内線と長関線の二本立てでしたので、紹介はこれに従います
▼下関駅前、国鉄下関駅の正面に相対する位置でなく、駅の左手(北西方向)に偏っていました。画面左手方向は下関駅西口を経て彦島口に向かい、右方向へ進めば、市内唐戸、長府駅へ。車両は長関線長府駅行き800型802号。 以下日付はいずれも1962.3.20 06422
先ずは、下関駅前から徒歩で、市内線終点の彦島口に向かいました。

▼彦島口。車輌は乗客を下ろし折り返し準備、市内線東駅行きとなる200型202号、渡り線を渡っているがビューゲルの方向はまだ転換していません。左手方向は彦島橋を渡り、彦島へ。右手方向が下関駅、。後の建物は大洋漁業(当時)関連の製函工場。06431
▼旧・大洋漁業工場前、屋上の看板は奥の方から鯨、まるはのマーク、ハム・ソーセージの文字。彦島口から大和町(やまとまち)寄り。車輌は長関線・長府駅行き700型703号。06430
▼(下左)現在のマルハニチロ関連会社、日の出紙器工業(株)の建物、形状は変わらず。
(下右)鯨、まるはのマークは消えたが、ハムソーセージの文字はそのまま。壁面が緑に変わった現在のマルハニチロ(株)の工場、左はJR下関の車輌基地。共にGoogle Earth より。
▼屋上にダルマ焼酎のネオンがある大和町の水産会館前、市内線東駅行き511型511号。
511-514の4両は元三重交通神都線のモ511型で、1951,2年譲受けた車両です。06424
▼下関駅西口で山陽本線ガード下を潜る市内線彦島口行き200型204号。06436
▼(下左)新しく建て直したかどうか判らないが、屋上のダルマ焼酎が消え、ビルの外装は替われど、形状は同じ。下関市大和(やまとまち)町1丁目付近。
(下右)駅西口付近から眺めた山陽本線ガード。共にGoogle Earth より。
▼ガードを潜り東側の下関駅前に戻りました。彦島口行きの500型502号と、長府駅行きの800型802号。066421
▼下関駅前に並ぶ、(左側車両)市内線東駅行き600型604号、(右側車両)市内線彦島口行き500型504号。現在の駅前は、ビル群が整然と並んでいます。06606

▼(下左)国鉄ガード近くの駅前の郵便局、建物の概観は変わっていません。
(下右)現在の下関駅前、右隅の住友銀行が同じ場所に。Google Earth より。下関駅前から市内線を東に唐戸に向かいます。駅前の竹崎町、豊前田町(ぶぜんだまち)を
通り細江町(ほそえちょう)に来ました。海産物店や海産物広告類があちこちに見えます。
▼市内線彦島口行き511型515号。 06500

三百目(みつおめ)電停前にあった下関水産販売冷蔵庫。現在この地に冷蔵庫も水産会社も見当たらない。海岸を埋め立てできたと思われる、細江新町にある林兼冷蔵庫かニチレイ冷蔵庫に変わっているのではないかと想像されます。
▼三百目電停の、市内線彦島口行き100型115号。1928年製の木造単車。06505

観音崎町(かんのんざきちょう)には、昔も今も生命保険会社が並ぶ。
▼観音崎電停に停車中の市内線幡生行き200型205号、06506

 

 

 

観音崎を過ぎ、南部町(なべちょう)を越え、唐戸(からと)交差点に近づきます。
▼市内線彦島口行き200型206号。
元は3扉だが2扉に変更したもの、中央部窓配置にその痕跡が残ります。 06512
▼交差点の分岐店付近を行く長関線彦島口行き500型502号。電車の足元左方向に分岐ポイントがある。交差点から北(奥の方向)に向かい、東駅、幡生駅に向かう線路です。 06514
ひとつ先のの画像の右奥、および上の画像左に、丸い尖塔が見えます。
旧・秋田商会ビルです。日本の近代建築史を代表する建築物のひとつ。鉄筋コンクリート造り、地上3階、地下1階、塔屋付き。屋上には、日本庭園と、日本家屋を備えているそうで、和洋折衷の珍しい建物。平成27年下関市指定有形文化財に指定されました。現在は下関観光情報センターとして使われています。右の画像が現在の姿。

 

▼三角点状の唐戸交差点を東に行く長関線長府駅行き800型805号 06516上の画像の右隅に写っているのが、旧・英国領事館です。平成11年5月に国の重要文化財の指定を受けました。

(重要文化財旧下関英国領事館ホームページ)より、右は現在の姿。
明治後半、時の駐日英国大使アーネスト・サトウは、成長著しい西日本における外交・経済・交通の拠点である下関に英国領事館を設置することを本国へ具申。1901(明治34)年9月、英国領事館が下関に設置されました。

▼三角公園を中心に右手方向は、壇ノ浦をとおり長府駅方面に向かう、中央奥に進むとこれから紹介する東下関駅、国鉄幡生駅方面に向かう線路です。 車輌は201号車。06515▼現在の唐戸交差点。
(下左)横断橋の下右隅に旧・英国領事館。(下右)上の画像の唐戸銀天街の雰囲気は半世紀後の現在も良く似ている。Google Earthより
画像にも登場する山陽電軌の車輌の内、701、702、704の3両と801~804の合計7両が、廃止後の1971(昭和46)年、土佐電気鉄道に譲渡され、現在も稼動しています。これらの内、704号は土佐では703号と改番されています。

次回は、東駅と車庫、および壇ノ浦を通って長府駅前に向かいます。

 

 

5 thoughts on “半世紀前の山陽電軌、併せて街の新旧対比(1)

  1. 兵庫県から山口県に移住してきて、70年になりますが、山陽と言うことばに縁があるように思います。同じ県内でも相当距離があり、あまり乗車したことはありませんが、懐かしい寫眞です。有難うございました。

  2. 老人は1958年9月13日に下関で降り立っている。この年は恒例の四国巡りをその前年同様、松山を経て九州に足を伸ばした。鹿児島へ向かった頃から雨となり、台風が九州を前にして一服状態であることを知った。その雨中の中を博多にたどり着きヤレヤレとなり、小雨の中を西鉄電車の乗りつぶしに専念し、東に向かうその道中で下関に降り立ったのであった。京都には15日には帰って居るように奥野師匠から命じられていた。京都を出る前に師匠から15日に帰京しておれば「こだまの試運転」に乗せてもらえる事になっていた。そこで小雨振る下関では先ず幡生へ、折り返し長府へ直行して鹿児島発222レで帰京することにした。従って下関では3時間足らずの雨中での乗り回しに終わった。その時の新車は701型であり、唐戸→長府間で乗ることが出来た。その後、高知で下関の電車と出会えたのは1987年、テッチャン復活2年目、四国へ行った時に元気な姿で走っているのを見付け安堵した。
    つる さん有難う。町の姿はすっかり忘れてしまったが、廃線後に何度か「ふぐ」で脚を伸ばしことがありました。ある時、鳥居前から唐戸まで歩き、源平の戦いの事がふと頭を過ぎったのですが、電車もこの浜辺を走っていたのだと、思い出しました。

  3. tsurukameさま
    下関駅前や唐戸の懐かしい光景を拝見しました。ありがとうございます。人生顧みると“なんであの時に撮ってなかったのか”と悔しがる路線があります。私にとって、山陽電軌はまさにその通りのところでした。別項で藤本さんが書いておられるように、沿線に火の山ユースホステルがあって、何度も山陽電軌に乗って、ユースまで行っているのに、一枚も撮らずじまいでした。筑豊の蒸機を前にして、路面電車どころではなかったのかもしれません。
    平成に入ってから、やっとゆっくり下関市内を巡ったことがありました。もちろん路面電車はありませんでしたが、その時は、好きな近代建築を見て回りながら、かつての市内の様子を偲んでいました。

  4. 総本家青信号特派員 様
    その通りです。『なんであの時』、『なんでついでに』、『なんで?そこまで行きながら』などなど、いっぱいあります。今回もそうでした。山陽電軌(2)で、東車庫まで行きながら、そのあと、専用軌道を通り、金比羅、幡生までどうして行かなかったのか。時間にしてそれほど大したこともないのに。悔やまれてなりません。

    第一回目も終点の彦島口でそうでした。車輌のほかに、終点の線路具合を、『なんで撮影していなかったのか』です。『フィルムが貴重な時代だから』は言い訳で、つまらぬカットも沢山あるくせにです。まあ、そんなこんなの紀行文が今後も続きます。長崎電軌、鹿児島市電、大分交通別大線
    西鉄北九州線、福岡市内線、喜多方支線などです。2017年中完成を目標に。

    それでは読者の皆さん共々2017年が良い年でありますように。
    本年はありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

  5. 素晴らしい写真ありがとうございます。
    地元に資料が少なく大変参考になりました。

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