総本家青信号特派員氏が筑豊のすばらしい写真を次々と紹介されています。その中にC5546が登場し、大分で保存されていると書かれていました。そう言えば 番号は覚えていないけれども、大分市内でC55の保存機を写したことを思い出し、写真を探しました。すると46号機ではなく53号機なのです。
このC5553なる機関車は大分駅にほど近い都市公園のなかに屋根付きで保存展示されています。十分なスペースがとれなかったのは仕方がないとしても、よじ登り防止のためなのでしょうが、ランニングボードやテンダーの後ろに忍び返しのような金網が取り付けられ、デフから煙突回りにも金網が張られています。
キャブには入れるようになっていますが、キャブからテンダーの上によじ登れないように金網が張られています。安全第一はわかりますが、もし転落事故でもあったら責任追及されるのを恐れるあまりに こういう無粋なことを平気でやるのでしょう。蒸気機関車を知らない子供たちはこれが蒸気機関車の姿だと思ってしまうことでしょう。
話がそれてしまいましたが、キャブには製造銘板もあります。
昭和12年 三菱神戸造船所製 製番N0.200は間違いなくC5553です。沖田祐作著「機関車表」によれば 1971年(昭和46年)8月17日 若松区で廃車となっています。キャンブックス「全国保存鉄道Ⅱ」のリストでも大分の保存機は53号機となっています。ところが2014年2月発売の屋鋪要著「保存蒸機完全制覇」では46号機として紹介され 但しナンバーは53号機と注意書きがあります。C5546は1937年(昭和12年)川崎製 製番No.1759で 53号機よりやや遅れて1971年12月6日に若松区で廃車となっています。いったいこの53号機なるC55は本当に53号機なのでしょうか?あるいは46号機を53号機に仕立てたのでしょうか。
屋鋪氏の本でなぜ46号機としつつ ナンバーは53号機としているのは何かカラクリがあるからなのでしょうか? もしすり替えが行われたのであれば、ねつ造看板を作ってまですり替えることにどういう意味があるのでしょう?動輪などの刻印を調べれば手がかりがあるのかもしれませんが、動輪なども互換性があるので100%信用できません。私としては53号機であれ46号機であれ どちらでも良いのですが、62両あったC55のうち保存されているのは5両と少ないこともあり、正しいことを知っておきたいだけです。46号機と53号機の話の顛末をご存知の方は是非謎解きをお願いします。
西村様
当方、DRFCとは残念ながらゆかりのないものでありますが、以下が簡にして要を押さえた解説であると思いコメントいたします。
http://c5557.photoland-aris.com/C5546.htm
DRFC-OBの皆様のご投稿をかねがね興味深く拝読いたしておりますので、わずかながらお役に立てばとお邪魔しました。
D511162様
コメントありがとうございます。さっそくお教え頂いた記事を読み すり替えの公算が高いことがよくわかりました。大分区所属機にそこまでこだわる感覚が理解できませんし、すり替えを承知したうえで素人にはどうせ判らないだろうと偽物を本物として看板まで作って展示したのであれば 大分市民をバカにした対応と言われても仕方ないですね。半世紀近く前の出来事をほじくり返しても何も得るものはありませんが、偽物が本物になってゆくのがこわいですね。
D511162さま
西村雅幸さま
私の記述に的確な回答をいただき、ありがとうございました。投稿の際、ネットでC5546の行く末を調べたところ、番号がすり替わって保存されていることを知り、その理由を知らないまま、書いてしまいました。D511162さまが挙げられた参考記事を見て、その理由が呑み込めました。蒸機では、とくに末期になると、ロッドや動輪、デフなどを廃車機から付け替えることはありましたが、まさかナンバープレートまで付け替えが行われていたことに唖然としました。鉄道車両は、廃車されても、車両番号だけは永遠不滅のものと思っていましたが、そんなことを気にもせず、都合のいい解釈をしてしまう人間がいるとは驚きでした。
特派員様
動輪ではなく先輪にC5546の刻印があるとネットの他の記事にありました。数多いパーツのうちで状態の良い部品と交換することはよくあることで目くじら立てる話ではありませんが、ナンバープレートと製造銘板も付け替えてすり替えるとは情けない思いです。C5546が一番悲しい思いをしていることでしょう。
コメントされた皆様
皆様の憤りと全く同じです。イカロス出版の保存車大全(2012年9月30日発行)ではC5553について車体はC5546とあります。保存機をネットで見ますと以前デジ青で報告しましたが相模原市鹿沼公園保存のD52235はD52138のようです。また、新潟県立自然科学館に保存の29622と北海道三笠鉄道村に保存されている59609は何とナンバープレートを取り違えたのか差し替えたようです。まだまだあるのかもしれません。呆れてものが言えません。