いろいろやります〈湖西線50年・江若廃止55年〉 (5)

まだ「いろいろやります」続きます。湖西線和邇駅前にある銀行で、またまたの江若鉄道写真展を行うこととなりました。

 滋賀銀行志賀町支店写真展「和邇を走った江若鉄道」(+α)

 9月2日(月)~10月31日(木) 9:00~15:00 (湖西線和邇駅下車、西側すぐ)

和邇を発車したキハ5121ほかの下り総括編成、列車は、上り「ひら」の回送列車だったと記憶している。和邇から蓬莱山のカーレーターがはっきり望めた。和邇で印象的だったのは、写真のように構内が真っ白な土砂に覆われていた。永遠の謎だったが、設営を手伝ってもらった、元江若の方に聞くと、山手の方で、手抜きの造成工事が行われ、花崗岩の土砂が駅構内まで流れ出したものだったと言う。

和邇駅は、二面三線の駅で、駅舎は木造、現在の湖西線和邇駅の西側に当たり、昨日の設営の前に歩いてみたが、宅地化されて、全く面影はなかった。

7月に行った、近江高島駅近くの同銀行高島町支店に続く、銀行ロビー展となります。いずれも噂を聞きつけた(?)銀行から相次いで依頼があったもので、有り難くお受けしました。せっかくやるなら、地元の皆さんに見ていただけるものをと、江若全体だけでなく、和邇駅周辺の撮影にも特化したものとしました。和邇駅の西側に隣接している滋賀銀行志賀町支店、以前は滋賀県滋賀郡志賀町だったため、この支店名がある。志賀町は2006年に大津市に吸収合併された。

和邇(わに)と聞くと、いかにも古代地名のようで歴史を感じさせます。事実、古代豪族の和邇氏が居を構えていたところとされ、地域には史跡も残りますが、実は本拠地ではなく、和邇氏のルーツは、大和国の和邇、現在の天理市和爾町付近が本拠だそうで、のちに琵琶湖西岸の現在の和邇に移って来たと言います。話は変わりますが、湖西線は強風でしばしば運転抑止になります。今までなら、渡りのある堅田折り返しでしたが、このたび、和邇にも渡りを新設、強風でも山科~和邇は運転となりました。これも、和邇の歴史・地位の表れでしょうか。

和邇に特化して集めました、とは言うものの、55年後に写真展を行うなどとは露知らず、展示できたのは、ごくわずかです。決して、見に行ってやろうなど、大それたお気遣いは不要です。銀行を利用する地元の皆さんにだけ、ちょっぴり懐かしんでいただけたらと思っています。  作業を終えて、夕方の和邇駅を通過する「サンダーバード」、昨日は、東海道新幹線が運転休止、多くがサンダーバード+北陸新幹線で東京へ向かったようで、車内は満員だった。

昨日、いつもお世話になっている、びわ湖鉄道研究会の方々にも協力していただき、閉店後に設営を行った。

同会の主催行事として、この近くのコミセンで、9月に入ってから、江若鉄道の講演会(映写とトークショー)と廃線跡ウォークを行いますが、追って本欄で連絡します。写真展名に「+α」としたのはコレ、江若鉄道の後継とも言うべき、江若交通ボンネットバスも写真展に添えた。写真は、湖西線和邇駅の高架ホームから見た、滋賀銀行前のボンネット。これを見た銀行女子行員、「いゃ~懐かしいわぁ~」。江若鉄道は知らないけれど、ボンネットなら知っていると言う時代になった。

 

 いろいろやります〈湖西線50年・江若廃止55年〉 (5)」への13件のフィードバック

  1. 連日の投稿に加えて、写真展もですか! 総本家様の精力的な活動には、ただただ感服するばかりです。
    この写真展は、あるブログで早くから知っておりました。ただ、会場が銀行なので、拝見できるのは営業時間内に限られるため、訪問をためらっておりました。和邇駅に特化された写真で「いの一番」に浮かぶのは、老駅員とおばあさんの写ったアノ写真です。また、江若のボンネットバスの写真もあるようで、楽しみが増えました。
    会場の滋賀銀行前の道路は、何度も車で通ってなじみがあります。二つ北にある志賀駅の松の浦へは水遊びに毎年通い、湖西線の撮影に出かけるのも途中から和邇に抜けるこの道をよく利用しました。まさか、あの道にボンネットバスが走っていたとは、全く知りませんでした。

    • 紫の1863様
      はい、デジ青を私物化しています(笑)。何を血迷ったか、毎晩午前2時まで作業して、予約投稿してから寝ます。体力、知力、気力の続く限り、やります。財力は要りませんから、年金老人には、格好の延命策です。
      はい、また和邇でも写真展やります。老駅員と老婆の写真は日吉駅ですが、和邇駅には、もう少し若い駅員がいましたが、駅は古色蒼然としていました。滋賀銀行の前の道は、湖岸沿いに161号の新道ができるまで、ここが国道だったのですね。

      • 「あの写真」は日吉駅でしたね。勘違いしておりました。
        滋賀銀行の前の道が、元の国道161号線とは気づきませんでした。途中から来る道との交差点付近には郵便局や商店もあって、集落の中心のように見えます。

  2. 総本家青信号特派員様
    昭和40年代初頭、免許証取りたての身で大津-近江今津間の旧国道161号を何回も往復していました。大津市・志賀町の区間は基本的に国道が江若鉄道線路の湖側を通っていましたが、蓬莱駅手前と北小松駅手前に踏切がありこの間は国道が山側を通り、ゆるい棚田から見下ろす江若鉄道の写真を撮ろうと挑戦してみました。現在の湖西線は高架橋で通っているのでよく見ることのできるアングルですが、地平を走っていた江若鉄道を遠望することができず足場もなかったので畦道を下り、結局このような画像になりました。もとはポジカラーの写真ですが保存状態が悪く、見苦しいですがモノクロに変換しました。
    カーレーターが近くに見える蓬莱-近江木戸間のキハ5121ほかの固定編成3連+5120(1968.10.3)

    • 快速つくばね様
      江若の思い出、ありがとうございます。蓬莱付近、北小松付近の江若と161号の交叉は、よく覚えています。資料写真では、江若バスが踏切待ちをしているシーンもあって、161号には江若と並行してバス路線もあったことが読み取れました。カーレーターは良くも悪くもシンボルでした。遠方からでもよく見えました。今回、私も写真を伸ばして、和邇からも正面にカーレータ―が見えていることがよく分かりました。撮影は昭和43年ですね。私は昭和43年には水泳列車を撮っただけで、本格的には最後の昭和44年だけです。

    • 藤本様
      和邇駅前でも撮っておられましたか。今回、写真展があるのは、写真の左隣にある銀行です。写真左手奥に江若の和邇駅がありました。いまは宅地になり、面影は残っていません。

  3. 峠を越えて和邇へ行ってきました。滋賀銀行はかなりの来店者があり、写真に見入る高齢のご婦人(ちょっと失礼かも)が印象に残りました。
    和邇駅から見えたカーレーター、銀行前の道路を走るボンネットバス、ゆっくり時間をかけて拝見しました。

    • 紫の1863様
      「途中」を越えて、和邇まで行っていただいたのですか ! もうエエのに、よう行って下さいました。感謝申し上げます。地方銀行の支店なんて、私など初めて踏み入れましたが、朝から大賑わいなのですね。ATMなんか、列ができていましたよ。愛想の良い女子行員が一人ひとりに写真展を案内していただき、気遣いに感謝しています。ボンネットバスの方に注目があるのが、意外でした。

  4. 総本家様
    昨日、遅ればせながら、ロビー展を見に行ってきました。江若鉄道とボンネットバスで彼方の和邇周辺に思いを巡らせました。鉄道とバスと撮影された時間差がありますから、世代を超えた会話ができそうな気がしました。江若の写真約20点とバスの写真約10点の組み合わせは、今までの写真展にはなかった企画で新鮮な感じがしました。写真展に行くたびに新しい発見があるようで楽しいです。
    銀行の窓口は賑わっていましたが、駅の周辺は閑散として、元気のない様に映ったのが気がかりでした。

    • 勘秀峰さま
      わざわざ和邇まで行っていただいたとのこと、暑いなか、遠路、本当にありがとうございます。今回、初めて“バス”も写真展示しました。和邇付近の江若は、数点しかなく、苦肉の策として、“バス”に手を伸ばしたのですが、見る人からすると、江若もボンネットも、「無くなった交通機関」の括りですし、ボンネットの方が、後年ですから、記憶に残る層が多いですね。
      和邇駅の周辺は、典型的な近郊の田舎駅の様相です。後背地には新興住宅街もありますが、駅周辺は空洞化、湖西線ができた50年前とそれほど変化がありません。駅前の唯一のスーパーも活気がありません。みんなクルマで近郊のSCへ行ってしまい、街に人影はありません。ただ、そんななか、驚いたのは、写真展をやっている地方銀行です。3台あるATMに人が並んで待っている時間帯もありました。都心の銀行はどんどん閉店・統合されるのに、この賑わいは何なのかと思いました。

  5. 江若時代の和邇付近の写真は、銀行で展示した分のみと思っていましたが、そのあと、江若の廃止後に写した一枚が出てきましたので、貼っておきます。和邇へボンネットバスを撮りに行って、江若の跡地を訪ねた時のもので、手前の更地は江若の和邇駅跡地、農協の大きな倉庫がありました。昭和56年の撮影です。

    • その跡も、先日の廃線跡ウォークで行きました。農協倉庫は無くなっていましたが、用地は農協のままで、小さな建物が、農協直売所になっていて、残り用地は、駐車場になっていました。

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