2016年 西方見聞録 Part8 チューリッヒのトラムに乗る、撮る①

dsc_9200125002▲ 11:36 撮影地 Sihlpost/HB Google座標; 47.376240, 8.534239

第3日目 9月20日 その2

荷物はホテルのロッカーに置いたので楽になりました。コンデジを含めてカメラ3台を持って街に出ました。
まずはホテルから中央駅よりに最も近いSihlpost/HBでの撮影です。3,4,13,13,17系統のトラムと、31,33,34,N2のバスも停まりますのでホーム幅が広く、長い電停です。停車しています3系統の3057号車、14系統とも超低床式5連節車のBe 5/6形(愛称;コブラ)です。

【 超低床式トラム Be 5/6形 】
チューリッヒ交通局ではバリアフリーのため低床車購入を1990年代に決定しましたが、1000㎜ゲージでは選択できる既存の低床車のバリエーションが少なく、既存インフラにも適合できず独自のオリジナル車の開発となりました。1996年よりボンバルディア・トランスポーテーションとアルストムによって開発が進み、2001年から製造・導入されました。
車両長36,000㎜、幅2,400㎜、高さ3,600㎜、出力125kw×5、最高速度70km/h、重量39.2㌧、座席数96人、定員238人、左右独立車輪を使用しています。現在までに88編成が投入されてチューリッヒトラムの主力車両となっています。
dsc_9202127003▲ 11:37 入線して来たのは先ほど乗ったトローリーバスの31系統超低床式3連接バス90号車です。

【 快適な低床式 ligh Tram 】
Hess lighTram Trolley(lighTram 4)と呼ばれ、車体長は何と24.7mもあり、車幅2.55m、座席数88人、定員200人、重量は24.6㌧で、31と32系統に14編成(78~91)が使用されています。低床車で車幅も広く、乗っていて圧迫感が感じられないとても快適な車両です。車体はスイスの Carrosserie Hess社電装品はドイツのVossloh Kiepe 社で、2012年と2014年に投入されました。同じタイプで2007~2008年投入のlighTram 3も17編成(61~77)が在籍しています。

zurich-2008-1%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc【 チューリッヒのトラム 】
01_%e9%a6%ac%e8%bb%8a%e9%89%84%e9%81%93欧州の各都市と同様に最初は馬車鉄道として1880年代に開業し、1894年からは徐々に電化されてトラムが走り出しました。
ゲージ幅は1,000㎜、DC600V、路線長は118.7㌔です。利用客数は2015年度で205.8百万人/年間。車両数は電動車208両、付随車50両です。

人口は2015年12月で約39.6万人です。周辺都市を入れても約100万人ほどの中核都市です。いくら首都とは言え大阪の豊中市(約39.5万人)ほどの人口にこれだけの客がトラムを利用しているとは驚きです。待たずに乗れる高品質のサービスが提供され乗降客も年々増加しているそうで、公共交通を中心とした都市交通政策の成功事例(チューリッヒモ デル)として世界的に知られています。

dsc_9204129004▲ 11:38 いつものように電停に来たトラム、今回は14系統に乗りました。トラムは中央駅に向かって進み、次の電停は”Löwenplatz”です。Be 5/6形3018号車が先に停車していました。
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◀ 次の電停が中央駅です。
車内のディスプレイには中央駅の横と正面の2カ所に停車すると表示です。
それぞれの電停での乗換え接続列車名やトラムやバスの系統が表示されています。
我々外国人にも分かりやすい表示です。

dsc_9207132005▲ 1番目の中央駅前電停で、ミュンヘンのメインストリートであるバーンホープ通りからの路線と合流しましたが何と複々線になりました。道路中央を堂々とトラムが走ります。公共交通機関優先の姿勢が見えてきました。

dsc_9208133_100▲ 11:43 続行していた17系統のトラムは、Be 4/6形(Tram 2000)、2074号車です。

【 
Be 4/6形 】
1976年からSWS/シンドラー・SIG、BBC・ABBで製造され、2両または3両が1ユニット、121編成の様々のタイプがあります。これは2次形(1985~1987年製造)で2車体3台車の連接車、車体長21,400㎜、車幅2,200㎜、車重26.5㌧、出力は増強された150kw×2です。

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 11:52 中央駅を過ぎると川を渡って坂道(シュタンブフェンバッハ通り)に入りました。”Kronenstrasse”が気に入りましたので降りて撮影です。続行する11系統の3011号車が上がってきました。 これに乗って移動します。

dsc_9220145007dsc_9232157_100▲ 11:54 着いたのは、”Schaffhauserplatz”です。ここは7,11,14、15,17系統がX形に交差します分岐電停です。dsc_9224149008

▲ 11:55 入ってきたのは7系統のちょっと変わった編成の2120号車です。Be 4/8形「トラム2000 ゼンフテ」(Tram 2000 Sänfte)です。

【 変った編成のトラム 】
1991年~1992年製の3次車 2099~2121号車をBe 4/6形 に低床式中間車を入れて2004年~2005年に改造した3連接車としました。全長は28,000㎜、幅は2,200㎜、座席数68人、出力160kw×2です。
▼ 後ろにもう1両連結しているのは、Be 2/4形 2424号車です。 「トラム2000 ポニー」(1992年)、第3シリーズトレーラーで、車体長15,400㎜、幅2,200㎜、座席数35人、出力は150kw×1、2421–2435の15両在籍しています。
※ 写真は別編成の同じ車両の2435号車を掲載しています。
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▲ 12:17 こちらの15系統の連接車は1976~1978年に製造されたBe 4/6形の第1次車の2019号車です。車両長21,400㎜、幅2,200㎜、高さ3,600㎜、出力139×2です。

dsc_9240165013▲ 12:32 撮影地 Google座標; 47.411419, 8.544879
11系統に乗って着いたのは国鉄との接続駅のエルリコン”Bahnhof Oerlikon“に到着です。
トラムの10,11,14,15,17系統が発着しています。

dsc_9241166014▲ バスも61,62が発着しています。連接バスはネオプランのN4522形が使用されています。

dsc_9244169016▲ 12:34 ホームではSバーンの列車が発車待ちでした。

dsc_9246171_300▲ ここで終着になる系統もあります。ループを見ますとE系統と下に「Fahrschule」の標識をした2041号車がいました。Fahrschuleの意味は自動車学校がありました。多分、教習車なのでしょうね。

dsc_9248173017dsc_9249174018_100▲ 12:38 近くにスーパーがありました。そろそろお腹が空いてきたので何かないかと見て回りましたら、なんと寿司がありました。スイスのスーパーではどんな寿司が提供されているのかと興味津々で購入しました。

サーモンとマグロの握りが入ったパックを買いましたが、冷蔵庫の中に入っていたか、それとも時間が経っていたか、両方だったか、シャリが固くなっていてちょっとでしたね。
値段は11.95CHF(約1,350円)と日本のスーパー比べると約3倍でした。

11%e3%81%a812%e7%b3%bb%e7%b5%b1%e5%9b%b3▲ エルリコン”Bahnhof Oerlikon”で一服してからは2010年12月に新しく開業なった”Glattalbahn”(12.7㌔)を11系統に乗って向かうことにしました。

dsc_9267192022▲ 11系統の超低床式5連節車のBe 5/6形に乗って向かいます。車内はご覧のようにクロスシート座席の背刷りは低く後ろにはもたれられません。

dsc_9255180019▲ 13:05 撮影地 ”Fernsehstudio”  Google座標; 47.418041, 8.561861
郊外に出たようで専用軌道になりました。近郊電車のように高速で快走していきます。”Fernsehstudio”で降りて撮る事にしました。

dsc_9260185020▲ ベンチはありませんが、センスの良さを感じさせる屋根のある綺麗なホームです。

dsc_9259184_100▲ ホーム壁面に掲示されていた時刻表です。11と12系統を合わせると5分に1本の運行があります。郊外ですが待たずに乗れるトラムです。早朝の4時台に始発があって午前1時近くまで走っています。

dsc_9270195024▲ 次の電停(Auzelg)までトラムに乗ってロケハンです。

▼11系統Auzelgが終着駅となり、ループを1周りして折り返します。
dsc_9268193023 dsc_9287212027dsc_9281206026 dsc_9275200025▲ AuzelgからFernsehstudioへと歩いて引き返して数本を撮りました。前に反対車線を入れて乗車ドアを見せるトラムを撮りたいのですが、ここのトラムは全て片運台ですので残念ながら電柱側からでないと撮れません。

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dsc_9293218◀ 13:44 一旦、”Auzelg”まで戻って今度は12系統に乗って国鉄との接続駅の”Bahnhof Stettbach”を目指します。

dsc_9296221029▲ 13:48 次の国鉄との接続駅のBahnhof Wallisellenを発車しました。ここから先は高速道路や国鉄をオーバークロスする横断橋が多くスラブ軌道になっていました。

dsc_9297222_1031▲ 13:50 Glattは高速道路を横断するために長い高架橋が続いています。

dsc_9299224▲ 13:53 Giessenでは一旦地上を走りますが軌道はスラブが続いています。

▲ 13:58 国鉄との接続駅の”Bahnhof Stettbach”に到着です。グルリとループを一周して折り返します。12系統はチューリッヒ空港まで行きますので、降りずにこのまま乗車しました。  Part 9へ続く

2016年 西方見聞録 Part8 チューリッヒのトラムに乗る、撮る①」への3件のフィードバック

  1. なんでチューリッヒのトラムが1000mmゲージなんでしょうかねぇ~?
    ドイツのトラムに多くの1000mmゲージがあるようですが、1000mmゲージ発祥のフランスには今はほとんど残っていないみたいです。
    元々はフランスが仏領(ベトナムなどのインドシナ諸国)に敷設したようで、それはそれで理解できるのですが、本家のフランスからスイスやドイツなどにどのように伝播していったのでしょうか?

    • 湖畔のヒマ人様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
      1000㎜ゲージの発祥地がフランスとは知りませんでした。ご教示いただきましてありがとうございます。従って1000㎜ゲージ伝播の流れなど知る由もありません。
      チューリッヒが1000㎜ゲージになったわけは私も分っていません。多分馬車鉄道がそうだったからではないかと思ったりしています。スイスには他にもバーゼル、ベルン、ジュネーブ、ヌーシャテル、ベー、ローザンヌにトラムが走っているようですが、ローザンヌだけが1435㎜であとはすべて1000㎜です。これも影響したのかも・・。
      これは高岡さんに聞く以外ありませんね。高岡さ~ん、よろしくお願いします。

      • 高岡です。チューリヒの市電は確かに馬車鉄道起源なのですが、馬車鉄道のゲージは1435mmだったそうで、それを改軌して1000mmにした様です。なんでメーターゲージに、というのは当方にもわかりません。そんなにすごい急カーブがあるわけでもないので。
        スイスの路面電車については廃止になった都市(ローザンヌも市内線は60年代に廃止されています)を含めて1000mmゲージが主流でした。なんか理由があるのかはよくわかりません。

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