以前からきれいに改築される前の近鉄生駒線王寺駅の写真がないか探していたのです。なぜかというと信貴生駒電鉄として王寺と信貴山下間を開業したときの建物をそのまま使用していたのではないかと思っていたので本当にそうなのか確認したかったのです。ちょっと断定するには自信がないのですがほぼ、そうだと考えています。その写真が見つかったのです。家族写真のネガを整理するために調べていたら出てきました。最後のコマだったので余ったから撮ったのでしょう。それが以下の4枚です。
改札口前です。すでに自動改札機が設置されています。屋根が低く外の光が入りにくいので薄暗い駅舎です。
切符自動販売機前です。左側には特急券売り場があります。王寺駅からは特急は走っていませんが、西大寺や大和八木からは特急に乗れます。その切符を販売しているのです。屋根を支える木組みがよくわかります。
JR王寺駅西口を北側から見たところです。左側の売店は以前は駅弁を販売していた「だるま軒」です。
東側より近鉄王寺駅の方を見たところです。
建物の妻面は先端は三角形の形状をし、幅の狭い板を縦に並べています。これは信貴電の建物の特徴です。この部分を拡大すると
そして信貴山下駅の東ケーブルの上屋妻面は
ご覧のように同じ形状です。コピーしたピクトリアルの記事にある絵はがきの写真を見ると同じ形状です。開業時のままといっても差し支えないと思います。
さて今はどのようになったのでしょうか。下は北側からJRの改札口の方向を見た写真です。
ご覧のように明るく、かなりモダンな感じです。そして東側から近鉄王寺駅の方を見ると
これも明るくモダンな感じです。残念ながら右側の格安チケット店は閉店して今はお持ち帰りの弁当屋さんと豚まん屋さんになっています。正面のお店はケーキ屋さんです。20年も経つとずいぶん変わるもんですね～
コメントが２、３日しても付かないので信貴生駒ゆかりの鉄道建築の写真は私も探して見ましたが、見つかっていません。その代り、近鉄は本線系の大軌・参急以外の路線の設備に、面白いものが遅くまで残っていた実例を一つ挙げます。
西田原本駅というから大和鉄道が1918年に開業した駅舎が92年まで残っていました。撮影は平成２（1990）年に奈良ホテルに泊まり唐招提寺を見た後、田原本線に乗ろうと田原本ー西田原本駅を歩いて移動して、このおそらく戦前から残っている売店に気付いて仰天しました。エアコンも何も無い駅の中で老婆がお菓子や新聞を売っているのを見て、昭和30年代にスリップした気分でした。一時期信貴生駒電鉄が近鉄に買収される直前はここも信貴生駒電鉄の一部だったということで、お目にかけます。
K.H.生さん、貴重な写真を見せていただきありがとうございます。王寺から近鉄大阪線の電車への乗り換えはいつも西田原本駅を経由していました。通るたびにこの売店は気になっていました。いずれ文明の利器であるカメラとフィルムに記録保存しておこうと思っていたのですが・・・残念。生物的ハードディスクに記録保存したのみです。しかし、しっかりと永久保存されています。ネットで調べると2009年7月に整備工事が始まり、同じ年の12月6日から使用開始となっていました。今から13年前には売店として現役で営業していたと言うことですね。それはやはり仰天されて当然です。私にとって残念な駅はもう一つあります。近鉄生駒線元山上口駅です。これも文明の利器での記録保存ができませんでした。ところで西田原本駅には大和鉄道時代の痕跡があり、さらに桜井駅近くにもあります。田原本から桜井にへの県道は大和鉄道の廃線跡です。カーブがどうも鉄道線路の感じです。単端式ガソリンカーを運転するとよくわかります。本当に貴重な写真ありがとうございました。
カラー写真で写したのもありました。こちらの方がイメージが湧きやすいでしょうか。
一緒に写っているのは元妻ですが、30年も経てば離別や死別は当たり前（笑）、過去を気にしていたら鉄道の研究には邁進できないと思い、お目にかけましょう。
昔は奈良ホテルに泊まれるくらい羽振りが良かったのですが、今は全く金がありません。でも生きていて、こういう投稿コメントが出来ることは、実に素晴らしいと、毎日旧いネガの取り込みスキャンを日常にしています。
そうそう、薄暗かったのですがこんな感じでした。「店賣」の文字が木製の浮き上がった文字になっていました。当時の職人のワザですね。すばらしい、写真ですね。