関東鉄道水海道車両基地公開イベント

11月3日、関東鉄道車両基地公開イベントが開催され、午前中時間があったので覗いてみた。
東京都内から水海道は遠いイメージがあるが、つくばエクスプレスの開業により吃驚するほど近くなった。しかし、茨城県、関東鉄道の沿線と聞いただけで遠いイメージを持ってしまうのはやむを得ないかもしれない。

自宅近くのバス停から京成バスに乗ると10分でつくばエクスプレスの八潮駅に到着するが30分間隔と本数が少ないため自転車で行った。程なく来た各駅停車は20分で守谷に到着、関東鉄道に乗り換えて15分で水海道に到着した。関東鉄道は本数が少ないというイメージがあるが取手~水海道間は昼間1時間に4~5本運行されており、守谷~水海道間は始発の下館行が加わるため非常に便利である。水海道には9時30分に到着し、自宅からの所要時間は50分であった。

会場の車両基地まで歩けば20分かかるが、無料シャトルバスが運行されており、10分で到着し、開場前であったが鉄道用品販売コーナーには行列ができていた。
 会場には、DD502、キハ002+キハ001、キハ2102+キハ2101、キハ5002が並べられ、キハ101が乗車会に使用、キハ5002の後ろに綱引き用としてキハ2302+キハ2301、会場の入口に10月10日のお別れ運転で営業を終了したキハ358+キハ3511がさよなら運転時のヘッドマークを付けて停められており、車内には活躍していた頃の写真とヘッドマークが展示されていた。
展示車両の紹介方々、常総線で活躍中の車両を紹介する。

【DD502】
昭和31年製というから車齢56年である。日本車輌で作られたセミセンターキャブのロッド式機関車である。昭和49年貨物営業廃止後は工事列車、新製車の下館からの搬入、イベント時の体験乗車等に使用されてきたが最近休車になった。貴重なディーゼル機関車初期の車両であり是非復活していただきたいものである。


【キハ002+キハ001/形式キハ0】
昭和57年から59年にかけて元国鉄キハ20のエンジン、台車等を流用して新潟鐵工所で車体を新製した。001~008の8両作られ、片運の2両固定編成である。平成9年から10年にかけて冷房改造、17年にはワンマン改造が実施されたが、最近はラッシュ時以外使用されることは少ない。


【キハ2102+キハ2101/形式キハ2100】
平成6年から8年にかけて新潟鉄工所で2101~2112の12両作られた。片運の2両固定編成で、この形式から新塗装になった。平成15年にワンマン改造が実施され主力として活躍中である。
画像は入区してきたキハ2110+2109


【キハ2302+キハ2301/形式キハ2300】
平成12年~14年にかけて新潟鉄工所で2301~2310の10両作られた。在来車との併結は考慮されずに作られ、電気指令式ブレーキを採用している。片運の2両固定編成で主力として活躍中である。

【キハ5002/形式キハ5000】
常総線では最も新しい車両で、平成21年に新潟トランシスで2両作られた両運車である。写真のように新塗装になり、在来車の一部も同様の塗装に変更されている。

 【キハ101/形式キハ100】
元国鉄キハ3055(昭和41年日本車両製)で平成3年2月JR九州より譲り受けた。最終配置は長崎機関区であった。当日は乗車会に使用され、車両基地内約100m間を往復していた。
もう1両のキハ102は元国鉄キハ3096(昭和41年新潟鐵工所製)で平成4年5月JR九州より譲り受けた。最終配置はキハ101と同じ長崎機関区であった。
2両が交代でほぼ毎日下記ダイヤで運行されている。基本的に月曜日と火曜日はキハ102、それ以外の日はキハ101で運行されている。
水海道10:34(土休日は10:33)→下館11:2411:42(土休日は11:44)→水海道12:36

 


【キハ358+キハ3511】
車両の解説は、11月16日【16043】「関東鉄道キハ350形(元国鉄キハ35)営業運転終了」に書かれているので省略するが、10月10日の「さよなら運転」時のヘッドマークを取付けて展示された。車内にはかつて使用されたヘッドマークや写真が展示されギャラリーになっていた。



 10月10日ラストランの時のサボ

車内に展示されていたヘッドマーク



車内に掲示されていた写真



 
  
特急「しもだて」のヘッドマークを付けたキハ3511

「特急しもだて」は実際に運転されていた列車で、昭和32年7月1日より約5年間運転されていた。当初は下館~取手間を途中黒子、下妻停車で60分で結んだ。(後に石下、水海道が追加)

下館、下妻地区から東京方面は、水戸線で小山に出て東北本線、下妻から茨城急行のバスで北越谷に出て東武鉄道のルートと競合関係にあったが、昭和34年宇都宮電化により小山経由のルートが優位に立った。一方下妻からのバスルートは交通量の増加により定時運転が困難になると乗客減となり、岩井で系統が分断されてしまい、遂に下妻~岩井間は廃止され、更に北越谷~岩井間も野田市で系統分断されてしまった。(運賃は直通客が不利にならないよう通しで計算される)
 
 平成17年8月24日「つくばエクスプレス」開業後は、守谷経由「つくばエクスプレス」ルートが優位に立ち、下館~水海道間の増発、下館~守谷間に快速列車の設定が実施された。それに引き替え、守谷~取手間とつくば~東京駅間の高速バスは大幅に乗客減となり、これが鹿島鉄道廃止の原因にもなった。
展示車両以外の各形式について
【キハ310形/キハ311~318】
昭和51年から54年にかけて元国鉄キハ16、17のエンジン、台車等を流用して大栄車輌(311、312)新潟鐵工所(313~318)で車体を新製した。キハ0形と異なり、改造車扱いで車籍を引き継いでいる。台車はラストのキハ318以外は種車のDT19、TR49を履いていたが、昭和58年にDT22、TR51に履き替えた。(キハ318は国鉄時代に履き替え済み)平成11年と14年に冷房改造と方向幕設置によるヘッドライトの移設、17年にはワンマン改造が実施されたが、最近はラッシュ時以外使用されることは少ない。キハ311と312は平成8年3月に廃車されている。
  

改造前のキハ313(58-5-5)/台車は履き替え前のDT19、TR49

【キハ2200形/キハ2201~2204】
平成9年と10年に各2両ずつ水海道~下館間のワンマン運転用に新製された両運車で、キハ2100形をベースにワンマン運転時の利便性の向上のため前後の扉を車端に設置している。キハ2202は最新のキハ5000形と同様の塗装に変更した。


【キハ2400形/キハ2201~2206】
平成16年~18年に各2両ずつ水海道~下館間のワンマン運転用に新製された両運車で、スタイルは前述のキハ2200形と大幅な変化はないが、ベースがキハ2300形のため、在来車との併結はできない。

 ★つくばエクスプレス★
当日はつくばエクスプレスの守谷総合基地の一般公開も実施されており、会場から無料シャトルバスが運行されていたので帰りに立ち寄った。こちらは物凄い人出で、関東大手私鉄のグッズや地元の食品販売のブースが立ち並びお祭り広場のような騒ぎのため、展示されていた電車を撮影して早々に退散した。

【TX-1000系】
秋葉原~守谷間の直流区間専用車で6両編成が14本在籍する。


【TX-2000系】
秋葉原~つくば間で使用される交直両用車で6両編成が20本在籍する。時間帯によりヘッドマークが取替えられていた。
 

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