梅小路公園便り

以前に旧京都市電の保存車両が、梅小路公園内に展示されると報告しましたが、先日、補修が完了したようで無事公園内に設置されました。
また、同時に当欄も含めて京都市交通局と“やりあった”N電は、動力バッテリー化が完成し展示運転用線路も敷かれて試運転を迎えるのみとなっています。

800型の中でも後期増備型で形は900型に近い

800型の中でも後期増備型で形は900型に近い

さて、保存車両は7両有り、以前、機関車館の周りを走っていたN電とで8両となります。その全てが再塗装してお披露目されます。
それらは、N27、広軌1型の29号が走行し、上記890号と703号

2001号が展示されます。935と2001は案内所に使われるようで、屋根はありません。

屋根の下の505、703、1605、890

屋根の下の505、703、1605、890

ここで諸兄に伺いますが、703とその他の車両の色が同じように見えるのです。本当は初期の700型は薄く、上半身はクリーム色で、下半身はライトグリーンでした。今回の再塗装はその中間のように見えて、703には濃く、その他の車両には薄いように思えるのですがいかがでしょうか?

停留所の左が市交の29号、右が京電の27号

停留所の左が市交の29号、右が京電の27号

N27には京電のマークが入り、広軌1型の29号は京都市のマークが入っています。

保存車両の目玉、広軌1型

保存車両の目玉、広軌1型

京電と市電

京電と市電

台車と車体の間に継ぎ足したように見える部分があります。そこにバッテリーを敷いているのでしょうか?

ところで“古い”方のご意見をお聞きしたいのですが、広軌1型は文字通り市電の規格・1435mmです。で、N電はNがナローを表すNですから当然1067mmとなり、同じ線路で走行できないはずです。公園はまだ工事中で線路もよく見えませんが、単線で第三軌条はないようです。だとすればどちらかが改軌されている疑いが生じます。
こんな事ってあるのでしょうか?

西側の梅小路公園正門にあります。

2001号 西側の梅小路公園正門にあります。

きれいに再塗装された2001。乗車口に「50円をご用意下さい」とありました。

大宮口の935号

大宮口の935号

たしか、この935号は900型のラストナンバーだったのでは?

さて、これで全ての車両と、配置をお知らせしましたが、いくつか問題があります。
最初に書いた塗装のことや、屋根のない場所での保存は問題ではないでしょうか?しかも案内所として使用するのですから、保存と言うより廃車体の有効利用という方が近いように思いますがいかがでしょうか?屋根の下に保存される4両も、売店に利用されるそうですからやはり廃車体の利用のように思えてなりません。
これ以外にも、交通局へ意見を具申した、展示運転にバッテリー改造はしないで従来通り架線集電にしてほしいという意見にもお応えは頂けませんでした。架線はダミーで、両端の停留所だけに数㍍架設すると聞いていますが、ダミーならせめて全行程(約250m)設置してほしいものです。

今回、交通局の方々と直接お話しした感触では我々と京都市では保存車両に対する価値判断が全く違うことが分かりました。
われわれ鉄道ファンは保存車両は文化財であり、残すべき鉄道資料で、京都市の財産であると考えます。さらには子供達にかつての京都には、この電車達が網の目のように走っていたことを理解させる教材であると思います。しかし現実は京都市交通局にはそこまでのお金がなく、廃棄処分止む無しのところを、建設局の予算を分けてもらって保存したので、その保存方法に対して口を差し挟むのは難しいといいます。だから建設局にとって保存車両は「文化財」ではなく「廃車体」で有り国道沿いにあるワムやコンテナーと同じ扱いになるのも分かります。
でも、でも、市長はいつも室町のために着物を着て和装振興に努められ、公式の場では乾杯は日本酒にするとの決め事までして清酒の振興に努められています。

若い父親に小さい子が架線のないところをポールを下げて走る市電を見て「お父さん、昔の市電は何で走っていたの?」と聞いたとき、「さあ、多分エンジンで走ってるのと違うかな」と答える悪夢を想像してしまいました。

交通局も建設局も京都市で、市長さんの管轄であり、市長さんの考え次第でどうにでもなることです。市長さんが「文化都市・京都」の体現者であることを信じている主権者がお伝えしました。

梅小路公園便り」への2件のフィードバック

  1. 米手作市さん、いろいろ観察ご苦労さんです。須磨より早く市電の観察をしていた老人ですから、古い方に該当していると思っています。貴兄が気付いた点を順不同で意見を述べます。
    ① 703号の色ですが、おっしゃる通りです。車両用の色彩見本は「バス」を使えば原色と似たのがあります。おそらくそこらの建築関係の塗装屋が退化した703号の元の色と、建築関係の色見本カードで色合わせしたのかもしれません。
    ② 台車ですがブリル21E台車は狭軌も広軌も同一設計ですから車軸さえ変えれば広軌用になり得るのです。その点、どのような発想で工事を進めたのか?
    ③ 800型は何号ですか、スカートありですか?正面の方向幕ケース、通風ガラリをなぶっていませんか?写真では印象が異なります。
    ④ 935はラストナンバーです。原型で残っているとはうれしいですね。色は塗り替えのたびに変化ありで、どれが標準とは言えないのですが、広電の色は原色に近いですね。それからいえば現在の色は退色した時の色?かも・・・・・・
    ⑤ 2001は登場時の色であってほしいですね。連結運転のことなど風化しているかも・・・・・・
    ⑥ 市長さんは権限持っているのだから、慎重にするように一言あってしかるべきだと思う。まして教育委員会出身だと聞いているが、産業文化財やから知らんと言ってもらっては困る。老人はある時の挨拶で呆気に取られることを仰ったことがある。銭儲けにならんと思っているのかもしれないが、市民感情を損ねない行政マンであってほしい。老人は元京都市民であって発言権はないかもしれないが、京都を愛する気持ちは変わりないものがあると思っている。

  2. 長老様、
    ありがとうございます。
    ①塗装はその都度変わります。700型にしても初期型と増備型とは色調が違いました。
    ②これは新聞発表などを読むと、もしかすると運転はN電だけで、広軌1型は展示だけかもしれません。
    ③830号です。スカートはありません。方向幕やガラリは改造されていないとおもいます。
    ⑤2001は出場時のブルーであればいいのですが、もう連結運転を知っている人も少ないのでは?

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