最近はマイナーなDLを好んで製作しているのですが、DD10に続いて北海道拓殖鉄道のDR202CLが完成しました。北海道拓殖鉄道は根室本線で狩勝峠を越えた先の新得を起点に東瓜幕に至る35.0Kmの原野を走る鉄道で、昭和43年8月に廃止されています。私が初めて北海道に渡ったのはDRFC1年生の昭和44年2月なので、その時点ですでに過去の鉄道になっていました。その北海道厳冬期の旅のなかで 留萌本線のD61を撮影するため恵比島で下車したものの、豪雪のため駅から殆ど動けず、仕方なく構内にいた留萌鉄道の車両を写して退散したことを思い出します。その時に撮影した車両のなかにDR101CLという珍奇な機関車がいました。昭和33年 新潟鉄工所製のディーゼルロータリー機関車です。
この機関車はボンネット側がロッド駆動の3軸ボギー、キャブ下に2軸の従台車があるC-2という変な軸配置で、機関車というか除雪機械のような車両です。実はもう1両 この珍車の兄弟が北海道拓殖鉄道にいたのです。それが今回製作したDR202CLです。下回りは殆ど同じですが、留萌が国鉄DD14のようなL型であるのに対して、拓鉄はEF58を短くしたような箱型車体です。残念ながら実車を見ることがかなわなかったので 模型で再現することにしました。
この機関車は前後非対称、左右も非対称で 特に冬期ロータリー除雪装置を取り付ける側は 留萌機と同様 小判型ののぞき窓がありヘッドライトの両脇に計4個のタイフォンが並ぶ個性的な顔立ちです。ただ実車の図面もなく、わずかな写真をたよりに作りましたので寸法は不正確で 特に屋根上は創作です。でも今回も湯口先輩の撮られた写真があったおかげでロータリー側のお面を作ることができました。「レイルNo.22 私鉄紀行 北線路」に掲載の昭和35年撮影のひとコマです。さすがに複雑な除雪装置は構造もわからず、最初から作る気もなく、夏姿での登場となりました。実車は大きな車体のわりには8620より非力で鈍足な機関車だったようですが、わが社ではしっかりウエイトを積んで牽引力は強化しました。でも鈍足は実車並みで ロッドを振り回しながらノロノロ進む姿は愛嬌があります。あとは塗装をすれば完成なのですが、今回もまた塗装色がわかりません。幅の広い白(?)い帯が車体中央を走っているのですが、車体の色をご存知の方がおられましたら 是非お教え下さい。昭和34年に生まれ、昭和43年に短命で消えていった機関車を作ったものの これに牽かせるダブルルーフの木造客車でも作ってやらないとひとりぼっちで寂しがるのではと思案中です。マイナーなDLシリーズもそろそろネタ切れなのですが、三原生まれで片上鉄道から関東鉄道、八戸運輸へと流れていった4輪連結ロッド式DD45が次期候補機で残っているものの蒸機用スポーク車輪4輪が手に入るまでお預けです。
私自身北海道拓殖鉄道ではディーゼルカーしか見ておらず伝文ですが、焦げ茶色だったそうです。モノクロ写真で見るとかなり黒っぽいのでもしや黒ではと思っていたのですが。
村樫四郎様
ご教授ありがとうございます。昭和40年代以前の車両は正しい塗装色がわからないことが多く、かと言って適当に塗っておくのもためらわれます。DD13が登場したときのような焦げ茶色に黄色の帯で塗ることにします。