下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる?

最近はどこに撮影に行ってもその場所が既にネット等で紹介されていることが多く、昔経験した発見の喜び、楽しみはほとんどなくなってしまった。そこで近頃は変化球と称して流し撮りをよくやるようになったがこれが何年やってもピタリと止まったことがない。ゴルフをやる人、あるいはやった人はよくわかると思うがグリーン周りのバンカーショットも難しい。バンカーショットと鉄道写真の流し撮りはジャンルは全く異なるがどちらも緊張感がある。バンカーは球の手前何センチだったか忘れたがそこに打ち込んで砂を薄く取ってやればうまくい行くと聴いたような気がするが結局マスターできずに終わってしまった。プロはバンカーを苦にせずピンに寄せるが、私は砂を沢山取ろうが出ればホッとしたものである。

さて表題の件であるが、昔のフィルム時代は流し撮りの成功率が低い。これは一発勝負の難しさと思うが、最近のデジカメでは連続撮影ができ、私の場合は2発目、3発目で成功率(といっても1発目よりはマシであるというだけである)が高いようである。デジカメでも列車速度に合わせて1発目を切るのは難しいということである。因みに私の基本はシャッタースピードは1/60秒、ISO100である。当然のことと思うがそれよりシャッタースピードを上げると成功率は高まるが、流し撮りの感じが弱まるし、下げるとその反対であり、私は流しでよく使われている1/60を速い列車も遅い列車も同じように使っている。馬鹿のひとつ覚えかもしれないが1/60の感触で自分なりの流し撮りをマスターしたいと考えていたからである。そうするとこれも当然であるが遅い列車の方が合わせ易く成功率は高い。それでは撮影例である。

少し古い例であるがフィルム時代のバカペンと言われたペンタックス67を振り回して撮った115系クハ115-480上野行き快速ラピート(9:15)である。デジカメの前の時代でリバーサル、それもRVP100であるが、スキャンすると発色ならびにピントが著しく落ちるのが気がかりである。撮影日と場所は2004年5月30日で通称ヒガハスとかハスヒガとか言われる蓮田-東大宮間の有名撮影地である。多くの撮影者が同じ角度で撮り同じような写真になるのでカシオペア、北斗星を含め邪魔ににならない場所でいつも流し撮りをやっていた。▼

 

流し撮りの基本は真横からであると思うがとりあえずこれをものにしたいが最初に述べたようになかなかうまくいかず上達しない。バンカーは怖くないという人と同じように鉄道のプロと言われている人も流し撮りは難しくないと言う。ただ、長年同じようなことをやっていると経験からか少しは成功率はあがってきたような気もするが、ピタリと言うのはまだない。単線区間は撮り易いのでそう考えて伊豆箱根鉄道駿豆線大場-三島二日町間に行って見た。富士山撮影の定番地であるがこの日は雲がかかっていたので流し撮りにしてみた。そろそろ引退が近いと思われる踊り子110号クハ185-109である。ピタリと決まると車内の様子もうかがえるのであるがご覧の通りガラガラである。2016年12月23日金曜日祝日の東京行である。それにしても冬枯れの田圃を入れ過ぎているのはよくない。▼

同一日同一場所伊豆箱根鉄道7101三島行きでこちらは多少お客が乗っていてクロスシート部分の様子をうかがうことができる。扉の広告が興醒めであるが、この頃は広告のない電車方が少ないくらいだ。▼

 

同じような写真で2016年12月25日名鉄豊川線八幡-国府間の普通国府行き6930。これもクロスシート車であることがわかる。▼

斜め前方からの流し撮りで拙宅近くの京王相模原線南大沢駅進入の準特急橋本行き7754である。2016.7.20の撮影であるから今と逆の真夏の時期である。斜め前方やや俯瞰でこのような場合ピントがピタリと合うのは正面のどの位置になるのか若干ズレが出るのでこれまた難しい。しかし、近場で列車頻度の高い所はいろいろ撮影の実験もできるし失敗してもやり直しがきくので下手くその訓練には向いている。▼

以上、表題のように乱発しないとなかなか思うように決まらずいつも苦労している。長い編成の場合は先頭のみならず中間車も流し撮りをしている。そうするとひとつの列車で10枚あるいはそれ以上のコマ数になるがその中には止まっているものもある。その率が最近は高くなってきたが、まだまだ自信がないので遠いところに出かけて目的の車両はこの1本という時は勇気がないので流し撮りをしないというのも正直なところである。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる?」への2件のフィードバック

  1. 準特急様、本年も宜しくお願いします。

    仰せの通り、流し撮りは「連写機能」の活用と「習熟(慣れ)経験」ですね。
    尤も当方の場合は高尚な作画意図云々のレベルでは無く「夜間に列車の走行写真を撮りたい」との天邪鬼根性からであります。 (汗)
    【事例】
    http://drfc-ob.com/wp/archives/67852
    最近ではISOの感度が10万以上の機材も有りますが、小生のカメラは連写だとISO3200が上限です。
    よってシャッタースピードは1/20秒、AF-Off(手動フォーカス)、手持ちで横引きが基本です。
    そして置ピン位置の手前からシャッターを押し始め、被写体の動きに体をシンクロさせる様にしています。
    正に準特急様のご指摘通り、数発目の成功率が高いです。
    それでも得られる画像が暗いので、ソフトでレタッチして仕上げています。

  2. 鉄鈍爺様
    有難うございます。鉄道はお互いに同じ趣味とはいえ元模型班と写真班、それに鈍爺さんは583系がお好みでITを駆使されてよく記録されているところが不勉強な私との違いです。京都駅暁の決闘は覚えております。最近のデジカメは夜の撮影も可能にしてくれ、遠くに出かけても宴会後や就寝前に路面電車や夜の駅の撮影にもう一仕事する人も多くなりました。最近の写真展でも夜の流し撮りが多くなり、昨年の三田会写真展では事務局長のSさんの「カシオペア真冬の朝の快走」が見事であり、ご本人は何とか見られるのはこれだけと謙遜されていましたが、秘策を教えてくれるようにお願いしているところであります。デジ青上でも撮影の思い出話、苦労話などがもっと出てくると嬉しいです。ところでカメラや三脚などの性能がさらによくなると、予想列車速度に合わせてインプットするだけで簡単に流し撮りが出来そうな気もしますが、そうすると面白くないですね。

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