フィンランドの鉄道博物館はヘルシンキから近郊電車で45分ほどのところにあるハイビンカという町にあります。この町とフィンランド南西にある港町ハンコを結ぶ鉄道は1872年に開通したフィンランドで最初の私鉄でした。また、フィンランド最初の鉄道であるヘルシンキからハーメリンナ間の国鉄との接続駅でもありました。現在はハンコへの鉄道の客扱いはなく貨物専用路線となっていますが、古い扇形庫や建物が残っておりこれらを利用して鉄道博物館が作られました。
↑ ハイビンカ駅にて、スペイン製sm4型近郊型電車、ドアの丸窓が何ともユニーク
↑ VR Class sm4型の車内、広軌なので3列、2列の座席配置にしてはゆったりしている。ドア間の中央部は一段床が低くなっている。
↑ 展示場と扇形庫での車両の展示中心に、いくつかの建物が点在していてその中にも展示がある。
↑ 中央の入り口をはさみ、左側が展示場、右側が扇形庫で主に蒸気機関車が保存されている。
この博物館は通年開館しているものの、6月1日~8月31日以外の期間の平日は12時から15時の3時間だけの開館です。どれだけの展示があるのかわからないため開館と同時の12時少し過ぎに訪れました。この日はあいにくの雪でしたが、地元の小学生団体がすでに見学中で、団体客の為に特別に早く開館していたようでした。まず、展示場に行きました。ここには古い蒸機の他、客車、貨車、比較的新しいディーゼル機関車が並んでいます。この中の目玉はロシア皇帝の貴賓車で、現存する唯一の車両だそうです。
↑ 1868年製B1クラスNO9号機、フィンランドの保存機で最も古い機関車で入れ換え用。
↑ 1869年製C1クラスNO21号機、二番目に古い保存機で本線貨物用。
↑ 皇帝用貴賓車サロンカーの内部
↑ VR Class Dm7ディーゼルカー1954~63年に計197両作られた近距離用車両。
↑ VR Class Dr13ディーゼル機関車。1962年に製造開始、54両が作られた。最高時速140kmを誇る当時最先端の機関車、2000年に引退
その後、扇形庫の保存車両を見学しました。扇形庫はレンガ作りでいつごろのものでしょうか、転車台と共にきれいに保存されていますが、残念ながらこの時期転車台の付近には近づくことができませんでした。↑ VR Class Vr1、入れ換え用蒸気機関車
↑ VR Class Vk3 ヘルシンキ近郊の短距離用蒸気機関車
↑ 裏側から見た博物館の全景、転車台は作動して下記のシーズンには保存機の運転がある。
↑ 博物館の敷地内には19世紀当時の駅が復元されている。
2時間余り見学した後、ヘルシンキに戻り船でストックホルムに向かいました。
大津の86様、
南国スペイン製sm4型は北欧のフィンランドで使うには保温は大丈夫でしょうか?
両開きのドアでは車内が寒すぎないか心配です。キハ47に京阪5000系の扉を付けたらこうなるでしょう!
米手作市さま
コメントありがとうございます。確かに両端デッキでなく中央寄りに広い両開き扉になっていて冷気が入りますね。ドアから入ったところには打刻器があって、両側の座席部分に行くには手動で開閉するガラスの扉があり、一応仕切られています。旅行当時は雪は降っていたものの3月でしたからそれほど寒く感じなかったのですが、劇寒のころあの仕切りでは寒かったかもしれません。
尚、このタイプ製造メーカーのCAFはスペインのメーカーですが、設計はイタリアのフィアットフェロビアリアだったようです。