いま路面電車の話題と言えば、広電駅前大橋線の開業一択でしょうが、相変わらず暑苦しい古典ネタでお伺いします。都電の対比も、昨年以来ですが、最近、東上した際に、50年ぶりの再訪地も含めて紹介します。
“海面より低いところを電車が走る”、東京や大阪で地下水汲み上げなどで地盤沈下して、海面より低い土地が社会問題化していました。潮位が高くなって、路面電車が一面の水の中を走る写真に衝撃を受けました。その代表が、亀戸駅前から南へ分岐し、葛西橋、日本橋方面に向かう都電砂町線でした。大正10年、城東電気軌道(城東電車)によって開業、市営、都営となりました。まもなく廃止されると聞き、クローバー会メンバーと小海線へC56を撮りに行く時に、藤本さんと一緒に一緒に行きました。▲江東区ゼロメートル地帯を行く。66‰の急勾配で太鼓橋になった堅川橋を渡る。この付近では、橋だけが海面より高く、あとはすべて海面以下の土地(都電時代、昭和47年8月)。

▲ 定点対比① 亀戸駅前から南に分岐した都電は道路の中央部を専用軌道で走る。29系統の葛西橋行き。この区間は昭和47年11月に廃止されたあと、軌道敷は「大島緑道公園」となった。
▲ 定点対比② 堅川橋を渡る都電、上部には首都高速7号が川の上を走る。都電廃止後は、橋は歩行者の専用橋に改修された。路面には、レールがモニュメントとして敷かれている。左は水面ギリギリを行く都電。
▲ 定点対比③ 堅川を渡り終えると、まもなく「大島三丁目」の電停となる。背後には大島団地が広がっていた。軌道はここで右に大きくカーブ、現況でも右手に緑道が続いているのが分かる。大島団地は建て替えられたのか、別の集合住宅が並んでいた。都電時代の大島団地には「都電廃止反対」の横断幕が掲げられていた。

▲ 定点対比④ 「大島三丁目」を過ぎると、専用軌道となり何度もカーブして、大通りに出て併用軌道となる。現在の廃線跡は、緑道として続く。現在の都営地下鉄新宿線の西大島駅に近い。







