2013年 春の中国鉄路の旅 Part19 北満一人旅 その3 東方紅での1日、そしてまた哈尔滨へ

第18・19日目 5月18日、19日
① 東方江 20:55(K7082次)→翌日11:34 哈尔滨(ハルピン)

② 哈尔滨 翌日22:58(K7023次)→翌々日9:02 綏芬河

今日は夜の列車で哈尔滨に戻り、また夜の绥芬河行きに乗車します。東方江と同じパターンでの夜行列車2連チャンです。貧乏だった学生時代はユースに泊まるお金もなく、夜行列車が常宿でした。その頃に戻った感があります。

今日は乗車までたっぷりと時間があります。朝に発着する列車と昨日時間が分からず撮れなかった貨物列車撮影をしたいと思っていました。昨日、切符を購入した時に駅窓口の駅員に発車時刻を聞いたのですが、知らないと言って教えてはくれませんでした。
今日も別の駅員に聞きましたが同じ答えです。まさか駅員が知らない事はないと思いますが、旅客扱い担当者には知らされていないのかもと思ったりしますが、どうなんでしょうか?

02_朝の東方紅駅03_踏切から▲ 5:17、昨夜に降った雨があがった静寂の東方紅駅です。駅前広場には列車到着の1時間前なのにTaxiが列車の降車客を待っていました。

02_農地へ向かうレールに沿った道を行くと踏切があります。駅構内を見ますと昨日留置されていた貨車は見当たりません。夜に貨物の運用があったようです。

そろそろ稲作作業が始まります。農民の皆さんの朝は早くにおとずれます。出勤時間です。犬走りを耕作地へと向かう農民の姿が続いていました。

03_K7081次▲ 6:09、タイフォンを響かせて、来る時に乗車したK7081次がやってきました。今日も緑皮車14両編成の中国鉄路を代表する列車です。

04_東風4-2231_K7078次

▲ 7:20、約1時間後、朝の折り返しK7078次牡丹江に向かっていきました。牽引するのは、中国鉄路ディーゼル機関車で最も多い東風4型シリーズの2代目旅客牽引用の東風4B形2231号機です。

【 東風4型ディーゼル機関車 】
1969年に試作、1974年から量産された客貨両用の電気式ディーゼル機関車で、東風4型シリーズ全体では約5000両が製造されました。中国鉄路の乗り鉄をされた方はご存じと思いますが、広い大地のどこでも見受けられるディーゼル機関車です。
最も多く製造された東風4型第2代目は、大きく分けて、3000㌧牽引貨物用4B形(最高速度100km/h)と旅客用4B形(最高速度120km/h)の2種があります。数回に渡る変更改良が行われ機関出力(2430kw→2650kw)、電動機定格出力(330kw×6→360kw×6)に出力アップした3500㌧牽引貨物用4C形(最高速度100km/h)、さらに機関出力(→2940kw)、電動機定格出力(→540kw×4)に出力アップした旅客用4D形(最高速度145km/h)、高速4DK形(最高速度170km/h)、重連形4E形までが製造されました。詳しくは同形式内においても多種の改良形が存在し、2007年まで製造が続けられました。
また車体色も緑亀と愛称される濃緑色(帯は水色の愛称「スイカ」、黄色の愛称「かぼちゃ」の2種)の他、全体をオレンジ色の塗装した(帯は黄色)愛称「みかん」、クリームとマルーン・藍色・水色等々があります。なかでもJNR特急を真似てのひげ塗装した「特急色」は中国鉄ちゃんに親しまれています。

05_貨物列車2撮影後は一旦ホテルに戻ってのPC作業を続けておりましたら、12時前にタイフォン音が聞こえてきました。待望の貨物列車が来たようです。再び向かいました。

06_昼食引き込み線からの作業をしています。
今度は踏切では踏切番のおじさんがおられましたので、作業が終わってからの発車時間を聞きますと、15時と明確な返答が返ってきました。まだ3時間半はあります。しばらく様子を見た後、朝昼兼の食事です。

食堂に入って、お奨めは何かと聞きますと、
←を出してくれました。
ウィグル流ですね。美味しかったですが、麺の量が多すぎます。途中で飽きてきまして完食には至りませんでした。

貨物列車の発車時刻は、踏切番のおじさんの言葉を信じない訳ではありませんが、一般の中国人は知らない事でも間違っていおうとも自信をもって答えるケースは、今まで何100回も経験しています。15時発車は目安と思って1時間前には撮影地におりました。すると→

05_貨物列車▲ 14:40、発車を告げるタイフォンが鳴って、東風8型0095号機が牽引する貨物列車がやってきました。やっぱりでしたね。

【 東風8型ディーゼル機関車 】
1970年代に入り輸送力増強のために新たな第二世代のディーゼル機関車の設計試作に入り完成なったのが東風8形です。機関出力3310kw(4500PS)、電動機定格出力2720kw(3700PS)、最高速度100km/hの性能をもち、4500㌧の貨物列車を牽引します。
1984~1997年に141両が製造されました。両数的には東風4B型と比べ物にはなりませんが、高出力は磨かれて更にレベルアップされて東風8B型、9型へと引き継がれていきました。中国ディーゼル機関車の近代化のもととなった機関車です。

07_夜の駅01_切符
撮影後は宿に引きこもっての懸命のHP更新作業に従事して夜行列車の到着待ちを続けました。

宿は駅から5分と近いので改札間際の20:30到着で十分です。
100名ほどの乗客を乗せて出発しました。

今回自力で買った鉄路切符でしたが、この東方紅から哈尔滨までの列車だけは、唯一軟座寝台が確保できませんでした。
なぜかなと調べてみますと、どうやら乗車駅ごとの割り当てをしているようで、終着駅の東方紅ですが軟座寝台は最大4枚のようです。

01_切符1まあ硬座寝台ですが下段が取れましたので、軟座寝台の上段よりは老体には楽です。

ガラガラでの発車でしたが2つ目停車の密山では多数が乗り込み満席となりました。

08_途中駅▲ 翌朝7:25、停車した亜布力(満鉄;亜布洛尼)駅です。東清鉄道時代の1899年建造の立派な駅舎が残っています。満鉄時代には亜布洛尼周辺には、総延長200~300キロに及ぶ森林鉄道があったそうです。林業の中心として栄えた町の面影ですね。
09_ハルピン駅1

11:30少し早めに哈尔滨に到着しました。哈尔滨では前回休憩した宿はインターネットに問題があったのでパスして、多少高い(130元=約2,200円)ですが以前にも利用した天竹賓館にしました。これでシャワーを浴びてゆっくりと綏芬河への夜行列車出発までくつろげます。

09_ハルピン駅▲ 18:07、天竹賓館の部屋から見た哈尔滨駅です。夕刻近くに空が真っ暗になって激しい雷雨がありましたが、あがった後は透明感も出てきての光景が広がっていました。

DSCN3808_1
哈尔滨から綏芬河への列車に乗るのは2回目です。
今回はロシアへと向かう朝の国際列車を撮る予定です。

そして当日昼の列車に乗り南下して大連へと向かいます。
東方紅からは、何と3連キャン夜行列車の旅になります。
気ままな乗り鉄旅が続きます。  Part 20 へ続く

 

2013年 春の中国鉄路の旅 Part19 北満一人旅 その3 東方紅での1日、そしてまた哈尔滨へ」への4件のフィードバック

  1. 亜布力林鉄は国鉄亜布力駅が標高の高い位置にあり、そこから松花江の支流を下る形で建設されていたため、木材を満載した運材列車は後補機付きでさらに峠で補機を走行解放していました。この林鉄はロシアによって広軌で建設され、標準軌を経て戦後762ナローになったようです。このあたりに関してはレイル86号に詳しく書きましたので、よろしかったら見てください。

  2. 団長様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
    レイルは我が町では売っている本屋がなく京都八条口近くの店に買いに行っております。高額なのが難点でいつも見ては買おうか買わないか悩むところです。今回はじっくりと読ませていただきたいので、ネットで注文しました。届くのが楽しみです。

  3. 哈爾濱駅前広場はすばらしく整備されたのですね。以前はこの半分以下だったような気がします。たぶん建て替えられていると思いますが、天竹賓館は昔泊まった事があります。
    当時外国人はほとんど香坊に近いスワンホテルにしか泊まれなかったのですが、天竹賓館が国鉄経営と知り無理を言って泊めてもらいました。部屋の電話は鉄電で電話帳には東北各駅・機務段・工場から北京方面の関係各所の電話番号が載っていました。受け入れが哈爾濱鉄路局外事課だったので駅の撮影を含めかなり融通がききました。
    世話になった鉄路局の人に会いにまた哈爾濱に行きたいと思っています。

  4. 哈爾濱駅は1989年10月1日に現在の駅舎に建て替えられています。駅前広場は確かに広いですね。正面の旧大和ホテル方面からは長い地下道があります。
    現在ハルピン駅からチチハルへの高速鉄道(285キロ)が建設中です。完成しますと1時間で結ばれます。また地下鉄も建設中ですので、大きな改造計画があります。北口もできて、また変貌されると思われます。
    天竹賓館が国鉄経営とは知りませんでした。それで1階に切符の代理販売所があるのですね。空港へのリムジンバスもホテル前からの発着です。この1階の餃子屋も美味しく、時折いただきます。
    駅前で便利なホテルです。是非にお越しください。

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