2009年 秋の中国一人旅 Part6 再び調兵山へ

国内撮影旅行向けに、4WDでオフロードOK、どこでもキャンピングできる車が、納車されました。ローカル線は、列車本数の激変から、朝夕しか撮影チャンスがない事が多くなりましたが、これで、早朝や夕刻でも好きな場所で、撮影できます。写真撮影の腕が上がると良いのですが、やはり、センスの問題解決には、持って生まれたものがあります。感性には、自信がありませんので、行動力で補うしかありませんが、老力には、限りがあって、これも難しい。
しかし、難しいばかり言っていると、何もできませんので、動き始めます。秋の紅葉前線も始まっています。追いかけての、撮影レポートをご報告したいと思っております。

第6日目その2 9月22日

思いもかけず、鉄煤蒸気機関車博物館を見学できた後、約20分で、14:20に調兵山駅に着きました。丁度、この時刻は、14:26に大青へ、14:39に大明へ、14:51には王千への3本ものSL列車が、発車する良い時間です。YS1770,1771,1772と連番で、3両が止まっていました。





バック運転で、客車5両の大青行きを見送った後、三家子駅で次の大明行きを撮影しようと、タクシーで向かいましたが、地元の運転手でも、本道から駅への田舎道に入ると、道を間違い、寸前で発車して行きました。



仕方なく、バック運転での王千行きをキャッチした後、まだ行った事のない王青駅を目指しました。運転手に任せていましたが、着いた所には、貨物ヤードが広がるだけで、ホームはありません。責任感の強い運転手でした。携帯電話で、仲間に聞きまくっています。

日本のように、道路に駅への案内板は、設置されていません。鉄道沿いを並行する道路もないので、見えてはいても、まさに紆余曲折しなければ、たどり着けません。凸凹道をトロトロと、やっとの思いで着きました。
列車なら、15分で着く所が、50分もかかりました、しかし、よく見ると、午前中訪問した鉄煤蒸気機関車博物館の横です。なぜ、こんな事が分からなかったろうと、思われるでしょうが、原因は、調兵山市の詳細地図がない事につきます。

大都市は必ず、鉄道駅では、市内地図を売っています。しかし、中都市以下となりますと、省全体か、大都市を中心とした地図しかありません。日本のような、詳細な道路地図がないのです。これほど、モータリーぜーションが進んでいて、車の雑誌は山ほど出版されていますが、道路地図はありません。需要は多いと思うのですが、広大な大地です。作成編集するのが、大変なのかも…。
▲ そこで、大雑把ですが、鉄道と道路が分る地図を作成してみました。駅名が未記入な駅は、停車しますが、無名駅です。撮影ポイントも、作成中ですので、最終投稿でご紹介します。


 大青駅
は、広大な貨物ヤードを持ちます。ここから、鉄嶺方面は、中国鉄路の鉄法線です。かつては、瀋陽までの客車列車もありましたが、今は貨物のみです。


304列車は、客車5両の立派な編成です。発車時刻が近づくと、ヤードの向こうから線路沿いや、跨線橋を渡っての、乗客が乗車してきます。

しばらくすると、小青機関区から上遊型がやってきました。しかし、発車直前まで連結はしません。その間、若い運転助手が、金づちと、大きなスパナーを持っての点検です。軸受けに給油作業もしています。

夕陽に向かって、定刻の16:53発車しました。今回は、窓があく席に陣取り、ハイビジョンカメラで、走行を撮影続けました。わずか、29分の乗車でしたが、十分に大地の片隅を走行するSL列車の旅を堪能できました。夕焼けがとても綺麗な日でしたので、もっと撮影をしたかったのですが、25日に調兵山駅前に宿を確保しましたので、夜間と早朝撮は、その日にとっておく事にしました。

調兵山駅到着後、までのバス停を探しましたが、見つかりません。街の人に聞くのですが、言っている事が分かりません。仕方なく、タクシーに乗りましたら、瀋陽までなら、200元(2600円)と言います。前回、瀋陽から来る時は、350元と言いました。やはり、田舎は安いのだと思い、OKを出しました。
乗車後、直接に瀋陽に向かうと思っていたら、鉄嶺市に向かっています。任せていたら、鉄嶺駅前で降ろされ、別のタクシーに乗るように言われました。やられた!よくある乗客の売りです。

しかし、相乗りもなく乗換後、直ぐに発車しましたが、途中で曲がって、人気のない暗い所で止まります。一瞬身構えましたら、友達を乗せるので少し待ってくれと言います。益々怪しくなってきましたら、子犬を2匹だかまえた、おばさんが乗ってきました。待たせた、今から出発すると、瀋陽へと向かいましたので、大丈夫だろうと、後席で寝ていました。

そして、気づくと、タクシーは、瀋陽~鉄嶺の中間地点で、止まっています。行く先々で見た、道路での検問に引っかかったようです。全ての車を止めているわけではありません。国慶節に近づいたので、公安官が、任意に車を止めて、荷物チャック等を行っているのです。鉄道駅では、身分証やパスポートの提示を求められる事もあります。特に北京に向かう駅や高速道路では、全車対象になりますが、地方は、結構適当です。

このタクシー、どこか怪しかったのだろうと、車内で運転手の調べを待ちました。30分以上も調べています。車に帰ってきたので、終わりかと思ったら、今度は同乗者の調べです。その後、私になりました。
まず、持ち物の検査です。全部出しました。何もやましい物は持っていません。しかし、パスポートと言われ、あっとしました。いつもは、持っているのですが、今朝は、ホテルの金庫に入れたまま、出てきました。

幸い、コピーを持っていたので、ホテルの宿泊カードを提示して、現物は持ってきていないが、ホテルでチェックを受けているので、問い合わせれば、確認できると言いましたが、そこからが、進みません。
私が原因なのか、分かりません。それから1時間、待ち続けです。公安官は、タバコをすすめ、温和に対応してくれます。その内、詰め所で軟禁状態にされました。しばらくすると、パトカーに乗せられて、もと来た道を戻って行きます。

鉄嶺市の公安本署に着くと、通訳が待っていました。彼は、日本の会社で勤務していますが、国慶節が近づいたので、故郷の鉄嶺市に帰省していたところ、公安に突然、呼びだされたそうです。
私の入国日と地点を聞かれ、答えました。ホテルでもチェックしているので、確認すれば分かる事だと、宿泊カードを再提示すると、電話をしています。約10分で、解放されました。

要するに、現場では、分かっていても解放できる権限がないのです。パスポートのコピーは、偽物が多い中国ですので、信用できない。入国日の確認ができなく、オーバースティ(中国では、ノービザで15日間有効)の容疑を否定できない。パスポートさえあれば、問題なかったそうです。

鉄嶺市の公安本署では、調兵山で最初に乗ったタクシーの運転手も来ていました。臨時通訳は、このまま今のタクシーに乗って瀋陽に向かうのも良いが、多分3時間以上も無駄な時間を過ごしたので、200元ではなく、350元ぐらいを要求されるだろう。別のタクシーを選択する事もできる。どうするかを尋ねます。

バスで帰ろうかと言うと、もう終バスは出てしまっている。選択肢は、タクシーしかないと言われました。仕方ありません、350元を300元に値切って、瀋陽に向かいましたが、瀋陽駅ではなく、瀋陽北駅で降ろされました。せめてもの抵抗だったのでしょうか。

これが、Part2で申し上げた「えらい目にあった事」の顛末です。中国には、数えきれないほど、来ていますが、こんな事は、始めての体験でした。慣れすぎて、油断していたのでしょうね。
皆様、海外に出たら、パスポートは必ず身に付けていましょう。こんな事もあります。

ここからだと、瀋陽駅までは、結構あります。今日は、問題の多い1日でしたので、行きつけの店で、反省会としました。こんな日もたまには、あります。しかし、くじけません。 Part7 へ続く

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