2009年 秋の中国一人旅 Paet10 鉄媒鉱務局 調兵山へ

第9日目  9月25日

今日も、モーニングコールより早く、4時に起きました。外はまだ真っ暗です。バスタブにゆっくりと浸かって、全身を目覚めさせました。

5:00に大明へ向けての、回送列車の始発があります。列車番号は、Hを頭につけたH111です。夜間撮影を試みましたが、前照灯が明るすぎて、ハレーションを起こしました。失敗です。真っ暗の中、出発していきました。
▲ 111が出発後の静かなホーム
▲ ようやく、薄明るくなりかけた、5:32に王千に向けて、YS1772牽引のPC5両の回送列車H211。出発直前まで連結せず、入念な検査を続けていました。

▲ 構内では、YS1771号機が、発車準備の待機中でした。▲ 構内撮影を撮り終えてから、駅前でタクシーに乗り、朝日が昇る風景の中、走行する列車を撮るのに最も素晴らしい、王千駅後方の山からの撮影場所を目指しました。しかし、街を出ると、辺り一面、濃霧です。昨日夕刻からの天候は、回復していません。仕方なく、王千手前で、霧の中での撮影になりました。

6:16、王千駅を出発する202列車。構内に転車台がないので、バック運転です。

その後、この202列車を追走し、大隆手前の築堤で、ボタ山バックでの撮影を試みましたが、ご覧のとおり、濃霧は晴れずじまいでした。
▲ 天候には、勝てません。遠景からの撮影は、諦めて、朝の3本の列車が発着する、三家子駅で、発車風景を撮る以外方法はありませんでした。しかし、SL3編成が揃う、朝の三家子駅は、鉄道マニアには、堪えきれない喜びで一杯にさせてくれました。


約10分間、この光景が続きます。そして、1本、1本と汽笛を鳴らし、ドレインを吹き上げて出発していきます。各列車は、3方向に向かうので、出発してからもいろんな方向から、汽笛が鳴り響いてくるのを聞くことができます。

贅沢かも知れませんが、天気が良ければ、気温が低ければ、もっと、最高だったでしょうね。しかし、霧で遅れ始めたので、最後の列車が出るまで、いつもより長く、約30分間も、至福の時を楽しめました。


感激の余韻を味わっている時、暁南からでしょうか、東風5B-0039が単機で来ました。側線に入線して、そのまま止まりました。
▲ 次いで、三家子駅構内奥に休車状態で、置いてあると、思っていたゲテモノ編成が、動き出しました。
その後、ロケハンのため会譲駅を視察して、大明からの104列車が撮れる暁明付近に向かいました。
▲ まずやってきたのは、東風4型7720単機です。少し霧が晴れてきたと、思いましたが・・・・。
▲ 反対側から、ゲテモノ編成が大明に向かって行きました。ここは、単線ですので、104列車が遅れることは間違いありません。


また、霧が流れ出し、約15分遅れで、YS1770牽引の104列車がきました。
▲ 会譲駅に戻ると、昨日単行運転を見た業務用DCが、クレーン車を連結して通過しました。まあ、飽きることなく、いろいろな車両を見せてくれます。側線で待機中は、東風5B-0038牽引のセメント列車です。何と、1車83トンを30両も連結しています。上遊型全盛期は、すごかったでしょうね。▲ ようやく、15分遅れで、大青からの308列車が到着したかと思ったら、反対側から、羊を連れたおじさんがやってきました。駅構内は、生活道路だけでなく、放牧地でもあります。線路に座って、草を食べるのを待っています。
▲ 長編成のセメント列車が、ゆっくりと発車した後、放牧おじさんも羊たちを連れて、線路中央を駅に向かって行きました。結局、YS1772牽引の304列車は、25分遅れの発車となりました。

▲ 5分後には、東風5B-0052牽引の8両編成石炭列車が、追走していきました。

早朝から、調兵山→王千→大隆→三家子→会譲→暁明→会譲と、次々に撮影場所を移動し、撮りまくりましたが、運転者は、嫌な顔せず、むしろ協力的に、運転を続けてくれました。調兵山では、数多くのタクシーに乗車しましたが、彼が1番、道を知っていて、間違えなく、そして早く安全に、希望地まで行ってくれました。

何時から、運転しているのか聞くと、朝5時から、夕方5時までで、その後は、別の運転手に代わるといいます。一日の収入はと聞くと、300元と返事が返ってきました。即刻、チャーターを申し入れて、街に戻ったら、ホテルでしばらく休憩するが、昼には、電話をするので、ホテルまで来て欲しいとお願いしましたら、快く受けて下さいました。

見知らぬ土地で、地理を熟知したパートナーは、必要不可欠です。もし、皆様が調兵山での撮影をされる時は、彼に電話してあげて下さい。機動性は保障します。名前は、王強(ワン・ジァン)さん、携帯番号は、13591091498です。日本人で9月にSLを撮影に来た人からの紹介と言えば、熱烈歓迎してくれます。

ホテルに戻り、荷物を置いてから、繁華街を散歩すると、屋台が並んでいます。今日は、朝から何も食べていません。土地の、珍しい美味しい物を食するには、屋台が1番です。あちこちと、食べ歩きました。▲ お腹も膨れたので、昼からの撮影を控えて、部屋でしばしの休憩。窓から見ると、風が出てきたのか、霧も消えて、晴れてきました。宿泊した宝平國際酒店の宿泊料は、128元(1664円)、瀋陽のホテルの3分の1です。SL撮影料を支払う、駅2階の旅行社で、予約できます。駅前で近いし、部屋もまずまずです。次からは、ここにしようと思いました。

昼からの撮影は、いつもと同様に、大明発12:58から始めます。


大明駅にて

霧もすっかり晴れて、晴天です。逆光ですが、ようやく遠くからの、撮影ができるようになりました。のんびりと、トウモロコシ畑の築堤を行く106列車。大明~三井間。

次に、三家子~無名駅へ向かいましたが、途中、人身交通事故発生で、救急車が来る間、大渋滞にあいました。生々しい現場を見ながら、運転手に安全運転してくださいと言わずにおられませんでした。

遅れましたので、撮影予定場所を変更して、三家子方面に向かいました。今回のみ、私が誘導しました。前日、徒歩での撮影が役にたちました。線路と交差する踏切で待ってもらい、徒歩で、三家子から調兵山へ向かう、登りカーブで待ち受けます。踏切が近くにあるので、列車が来るのが、警報機音で分ります。列車も警笛を鳴らしますので、撮影準備もできて、格好の場所です。

▲ YS1771牽引、大明からの106列車。
▲ YS1770牽引、暁南からの206列車。

調兵山方向に戻り、ここで、3本を待ちますが、踏切にいた工夫員が、小青機関区発の単機の回送が来ると言います。勿論、旅行社でもらった時刻表や、駅に表示してある時刻表には、記載ありません。これは、いい事を聞きました。
▲ 通常なら小青機関区を13:30に出て、調兵山には、14時頃に着くらしいです。逆走ですが、テンダ車に乗っている職員から手が振られました。これは、一度乗ってみたい、特等席ですね。

この調兵山~三家子間は、Paer9の早朝撮影で、ご紹介した場所ですが、折角天気もよくなったので、午後からの光線具合も見てみたかったので、同じシーンですが、撮ってみました。今日は、帰りのバスダイヤが分らないので、無理ですが、夕焼けが綺麗な時は、素晴らしい写真が撮れるのではないかと、期待している場所です。
▲ 最初にやってきたのは、東風5B-0039牽引のわずか2両の石炭列車でした。ひょっとしたら、調兵山駅のSL用石炭置き場に、降ろしてきたのではと、勝手に思いました。
▲ 調兵山14:26発、大青行きの309列車 牽引機は、先ほど回送されたYS1772
▲ 14:39発の大明行き105列車、YS1771牽引

14:51発の王千行きの205列車、YS1770牽引

これから行く先は、朝霧で撮影を逸した、王千の丘陵地帯でのリベンジです。

まずは、途中で追い越し、ボタ山バックの撮影としました。

予定通りです。これから線路沿いを並走して、橋南駅。そして、折返し逆走行となる暁南近辺を目指しました。

ところが、交通事故で、今日2回目の大渋滞に遭遇です。20トン以上の石炭を積んだ大型トラックが、列をなして、数10台も止まっています。舗装されたまともな道は、この道路しかありません。運転手は、降りて、先を見に行きますが、横転していると言います。

折角の好天になったというのに、どうしようもありません。近辺の家に行って、迂回路を聞いています。見つかった道は、農道に毛の生えたような未舗装の凸凹道、おまけに石がゴロゴロしています。日本では、林道も通った経験がありますが、、これ以上無いような悪路です。
車が壊れるから、引き返そうかと、提案しましたが、意地でも走るとの言い方が返ってきました。後は、運転手の判断です。任せるしかありません。歩くスピードで、突破しました。

結局、大きく迂回して、王千駅近くまでは、たどり着きました。そして、線路際まで来た時に、汽笛が聞こえてきました。残念ながら、撮影には、絶好の光景が、広がる場所でしたが、駅手前でしか、撮れませんでした。

まだ、この路線のSLが消える事は、当分ありません。自分が元気なうちは、何度かは来る事ができます。次回に、楽しみは、とっておくことにしました。

運転手の勤務時間も近づきました。今日は、夕焼けが綺麗そうな夕刻でしたが、早朝から、よく頑張れたと、80%が1番の気持ちで、バスターミナルに向かいました。
 Part11 へ続く

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