2014年 塩の海 復州湾の塩田ナローと瀋陽路面電車への旅 Part12 沈阳有轨电车(瀋陽路面電車)を撮る 5号線


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▲ 15:07 トラム撮影に励んでいますと突然に赤い高級車軍団が列をなしてやってきました。
これは「迎新花車」と言って中国の結婚式の伝統的な儀式の1つです。新郎側が用意した飾り立てた紅い車に新郎が先導して新婦の家にお迎えに行き、街中をけたたましく回って披露宴会場へと参ります。そして会場に到着すると、みんなで爆竹を鳴らして盛大にお祝いします。
私も駐在時代に何度か披露宴に招待されましたが、人生の新たな門出にふさわしい派手満点の行事でした。新婚が住む部屋に案内されるのも定番で、新婦の実家ではお祝いに麺を出され食しました。
あまり親しくない人からも招待を受けますのでなぜかなと思いましたら、日本人が出席するのはステイタスの1つだったそうです。また宴会場ではキャンドルサービスで新郎新婦が各テーブルを回りますが、その際にご祝儀を手渡します。金額も日本人なら張り込みますのでこれが嬉しい事でもあったそうです。こんな時はいつも日本流の立派なご祝儀袋を用意しましたが、これが大変に喜ばれました。

こんな光景を見ますと、かつての思い出が浮かんできました。


第6
日目 10月15日 その2
⑥ 电车公司12:37⇒13:26兴隆大奥莱
DSC_9567_1▲ 12:37 暴風を避けるように白いイルカ016編成に乗車して、电车公司から兴隆大奥莱へと向かいます。

DSC_957122▲ 13:04 桃仙空港からの2号線と合流する新松智慧园に近づきました。車上の運転席からは、運行システムを見る事が出来ます。ポイントの進行方向、トラムの編成名が表示されています。

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▲ 13:06 架線レス区間運行中の運転席の表示です。車載畜電池の電圧は24V(左上)ですが、スーパーキャパシタによってDC550Vが給電中です。電池残量は80%、速度は15km/hです。変わっていく状況を撮りたいのですが、運転手の体が邪魔でここまでがやっとです。

DSC_957424▲ 13:08 通常の架線給電に切り替わり、速度は47km/hとアップしました。架線電圧は820V、蓄電池電圧は26Vに上がりました。スーパーキャパシタからの充電は早く、既に100%に達しています。わずか2分間電鉄の充電です。これなら1,000m架線レスで走行しても十分です。もっと改良が進めば1区間は架線レスで走行可能と思えました。

DSC_957625▲ 13:13 乗り換えたわけでもないのにディスプレイの運行表示は、「桃仙空港⇒奥林中心」に変わっていました。システム上は新松智慧园からは2号線になるのでしょうか・・。速度は63km/hにアップして快走です。13:26に新松智慧园到着、49分の乗車でした。

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⑦ 沈阳海关14:40⇒14:42金水花城
急いで5号線沈阳海关の電停へと向かいます。次の撮影地、金水花城までは1区間ですが、900mあります。乗車して向かいました。
DSC_960427▲ 13:49 撮影地⑧ 41.743034,123.464462
白いイルカの016編成が片側4車線の広い富民街から片側2車線の浑南四路へと曲がってきました。とても広い交差点ですが架線レスでスッキリとしています。

⑧ 金水花城14:10⇒14:13奥体游泳馆

DSC_963930▲ 14:13 撮影地⑨ 奥体游泳馆 Google座標; 41.736516, 123.466551
再び約1キロの1区間を乗車して到着です。ここでは給水車がやってきてホームの清掃が行われました。トラム電停の清掃作業は初めて見ました。高圧洗浄とブラシでホームは汚れも取れてピカピカになりました。この調子で全電停を磨き上げているようです。

DSC_965831▲ 14:41 5号線の5連節車028編成富民街から金卡路へと広い交差点を曲がってきました。両方とも片側4車線、道路幅は各60m強あります。架線レスシステムがなければトラムの計画は実現困難だったでしょうね。

⑨ 奥体游泳馆14:42⇒14:55金地滨河国际
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▲ 14:55 撮影地⑩
建筑大学~金地滨河国际

日暮れにはまだ時間があるのに強風で舞う砂塵で色付いてきた中、金地滨河国际到着です。
撫順方向に向かう金卡路は、1・2号線が走る開発区とは違って交通量も多く道端からの撮影は無理です。線路中央の電柱から狙います。青いトラムは006編成です。

DSC_9669出来ればギラリが見られるかと選択した撮影地ですが、砂塵で日差しが弱く無理っぽいです。
この撮影後に撮ったのが、冒頭のカットです。

DSC_968234▲ 15:13 青いトラム005編成はスピードを上げて自動車たちに負けず走ってきました。5号線は電停間距離が平均973mあります。乗車していてもストレスを感じませんでしたが、もう少しスピードアップできれば快適です。

⑨ 金地滨河国际15:22⇒15:35奥体游泳馆
数本を撮りましたが代わり映えしませんので切り上げて再度、奥体游泳馆へと戻ります。

DSC_969136DSC_969537▲ 15:35  影地⑨ 奥体游泳馆 Google座標; 41.736516, 123.466551
トラムは、傾いてきた夕陽を受けて奥林中心へと向かいます。

DSC_971038▲ 16:51 交差点角には花壇が設置されています。砂塵が舞う町になっていますが、ホッとできる光景です。

ここから1・2号線亿丰广场の電停までは近くですので徒歩で向かいました。
DSC_972340▲ 17:08 撮影地④ 兴隆大奥莱~亿丰广场 
Google座標; 41.735371, 123.454763
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今回の沈阳有轨电车撮影の最後は、架線レス交差点を走る白いイルカの016編成としました。

昨日、今日と2日間の短い沈阳滞在でのトラム撮影でした。
1974年8月1日、時代の波に消えた路面電車でした。それがスーパーキャパシタと言う最新テクノロジーをもって、40年ぶりに復活しましたのでどんなものかと来てみました。
沈阳トラムにとっては、新しく開発された地区での広い道路と良い軌道との恵まれた条件を得ました。そして、今の倍以上の路線延伸も決定済みで、1部は工事が始まっています。今後増々の発展を遂げていくと思われます。立派で深く感心しました。
ただ、新しいがゆえに、古い街並みの中を走る姿を見る事はありません。広い道路がゆえに、庶民の暮らしを近くに見る事も出来ません。立派なゆえに何か満たされないものが残ったのも実感です。次に訪問する時は沿線の開発も進み多くの利用客で盛況となって、新しい人民の生活と密着してくる姿が見えたらと思いながらホテルに引き揚げました。

⑩ 亿丰广场17:17(トラム)⇒17:20兴隆大奥莱/奥林中心(地鉄)⇒中街

明日は哈大高速鉄道で南下して大連空港からの帰国となります。 Part13に続く

2014年 塩の海 復州湾の塩田ナローと瀋陽路面電車への旅 Part12 沈阳有轨电车(瀋陽路面電車)を撮る 5号線」への2件のフィードバック

  1. 先日の稿で「撫順」の名が出てまいりました。以前に昔の炭鉱電車の糸引く話が紹介されました。ややもすると老人は撫順うまれとなったかも知れないのです。実兄は撫順生まれで3才まで居りましたが、何の思い出もないと言っております。でも奉天との間に電車が開通したようで、3年前に神に召された姉は折に触れ奉天の思い出話をしてくれましたので、電車開通と言ってやれないのが残念です。昨日の朝日新聞に中国政府は塩の専売制を解くと報じて居りました。その結果、製塩方法が近代化されるとならば、ぶんしゅうさんの製塩ナローの記録は貴重なものになるでしょう。現在どれだけ省力化されているかですが、1955年(高2)夏休みに塩をどうして作っているのかと炎暑の中をノコノコとよくも塩田訪問したものです。備讃大橋からその昔の塩田跡は塩抜きの為に放置してあるのがよく見えました。何年放置したのでしょうか、今も四国に行くたびに「昔の光今いずこ」と口ずさむこともあります。

    • 「日露戦後の遼東半島における日本人の精鋭経営」伊藤昭弘氏著によると、大日本塩業株式会社など関係企業の史料は殆ど存在せず、詳細については不明のようです。
      分かっている製塩方法は、潮の干満の差を利用し、塩田に引き込んだ海水を毛細管現象によって塩田の砂に浸透させ、塩田表面に浮き出た海水から水分を天日で蒸発させる、入浜式塩田という製塩法だったようです。この天日・風力による製塩法は、生産コストが内地塩田の1/20で済んだようですが、品質は結晶が粗く、泥・砂などの混入が多い、内地の二等塩(塩分含有量85%)でした。そのため味噌・醤油醸造用や、工業用として用いられていました。
      生産された塩は清国に売るつもりでしたが、清国は外国産の塩輸入を禁じていて、内地に輸出されました。塩の生産は毎年の天候次第で安定せず、内地への供給は、1917~1932年のデータでは関東州産が内地全体の5~19%を上下しています。他に青島産も多かったようです。
      戦後も日本に輸出されていましたが中国での使用量が増大してきたため現在は殆どありません。
      現在、日本では食用塩は約85%が品質精度、安全性面において世界最高水準にある国内産塩を使用しており、自給可能です。ソーダ工業用では世界最大の塩輸入国で、全消費量の85%は輸入。輸入はメキシコとオーストラリアの2国に集中しています。

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