2014年 塩の海 復州湾の塩田ナローと瀋陽路面電車への旅 Part9 沈阳有轨电车(瀋陽路面電車)その2、1号線

DSC_923536▲ 1号線と3号線とまじ合う华茂中心の架線レスの広い交差点を渡る5連節車(023号車)。いつの日かスーパーキャパシタ搭載車が進化を遂げて全線でこういった光景が見える日も来るのでしょうね。今はまだ第一歩の実用段階と言ったところです。
当初の予想利用者数が元々上積みで達成は難しい地下鉄があります。これからの維持管理・保守にも多額の費用が必要で、負の建築遺産とも言われています。トラム建設の方が全てに便利でエコノミーでした。当初からトラムは都市交通には邪魔として計画が始まった都市計画自体に問題がありました。世界は既に見直しを終えて、新たなトラム活用を実施しています。
日本も遅れず、都市交通のあり方をもう一度考えて欲しいと願います。

第5日目 10月14日 その3

① 兴隆大奥莱10:44(2系統)⇒11:27桃仙空港

② 桃仙空港12:00(2系統)⇒12:21新松智慧园12:37(1系統)⇒13:12会展中心
③ 会展中心13:28(1系統)⇒兴隆大奥莱

DSC_906518▲ 12:43 途中の华茂中心3号線と交差しました。未営業のはずなのに試運転なのか、5連節車(029号車)がいました。

DSC_906901▲ 12:45 1号線に入っての3番目の電停、运行中心。開発地区だけに高層ビル群が見えてきます。

DSC_907602▲ 12:50 国际学校電停、今度は薄っすらと高層マンション群です。次ぎは高明学校と近辺の大学、専門学校等の学校名が電停名になっていました。DSC_909119瀋陽南駅01▲ 12:59 右手に2015年8月開業を目指して建設中の沈阳南站(満鉄;苏家屯驿)が見えました。

沈阳には沈阳站(満鉄;奉天驿)、沈阳北站(満鉄;沈阳新驿)と哈大高速鉄道も停まる站がありますが、まだ足らないのか大リニューアル化された站ができます。

瀋陽南駅_6号線
完成に合わせてトラムも延伸されます。6号線(千锦汇酒店~市民広場東(沈阳南站))が同じ2015年に開業予定です」。
奥林中央からも4号線が1号線とつながり沈阳南站へのもう1本のルートが将来できる予定です。
一旦消滅した沈阳路面電車ですが、場所こそ違えども復活して最盛期を凌ぐネットワークが形成されていきます。

※ 完成予想図は、沈阳交公网HPからの転載です。

DSC_910321DSC_910522▲ 13:05 トラム車庫のある电车公司に近づきました。対向トラム(009号車)とすれ違ったのは3本目です。運転間隔は何と30分間隔です。これではどこかのローカル鉄道並みです。
また電停には時刻表等掲示してありません。走っているとはいえ、これでは待つのはかなり辛抱が入ります。

左は車庫ですが、トラムの留置場はかなり先にあるのか姿が見えません。

DSC_910823DSC_911003▲ 13:07 終点の会展中心に近づいたようです。高層マンション群が見えだしました。

両側の道路は殆ど車が走ってはいません。トラムはスピードを上げて50~60km/hで走行して行きます。

DSC_913025DSC_913927▲ 13:12 会展中心に到着しました。広い島式ホームですが、やはり待合室はありません。待ち時間の長い駅です。暖を取る待合室は欲しいところです。
暴走防止の安全装置(保安装置)は桃仙空港と同じがっちりとした設備です。

沈阳トラム1号線

1号線 新松智慧园~会展中心までの運転状況をGPSロガーで距離・時間を測定しながらまとめました。

平均速度は22.3km/hです。
都市のトラムとしては平均的なスピードと思われますが、軌道状況と専用軌道を考慮しますと5~10の短縮は出来ると思われます。
「路面電車は遅い」のイメージは払拭してもらいたいところです。

DSC_913604▲ 電停にあった路線図です。開業後1年2ケ月経過していますので色褪せしています。見ると始発は6:15と遅く、終電は21:15で早すぎです。まだ開発途上の町を走りますので需要がそれほどないのかも。欧州トラムのように終日24時間運行するのはいつの日になるのでしょうか・・。

これほど運行間隔が長いと待つのは辛いものがあります。折り返しトラムに乗る事にしました。昼食を取りたいのですが、ここにも沿線でも見つけられませんでした。乗務員のお姉さんに沿線で美味しい食堂のある所をお聞きますと、「光明学校周辺ならありますよ。」と、教えていただきました。

13:28 折り返しトラムは会展中心を発車しました。
DSCN621772DSCN621873▲ 100%低床式の5連節車の運転席と車内です。ふっくらシートですがシートカバーの色が2号線に乗った車両とは異なっています。これも試行錯誤なのでしょうか。

DSC_914828

▲13:33 車庫のある电车公司を逆に見たカットです。高層マンション群が連なっています。

DSC_915429▲ 13:38 东北大学で白いトラム(019)とすれ違いましたがこちらには「不载客」との表示がありました。訳は「客を乗せません」です。华茂中心で見た未開業の3号線トラムにも同じ掲示がありました。こちらは営業中路線ですので、試運転なのか回送なのか・・。
電停の電柱には「无网区」との表示がありますが、「無電区間」の意味です。架線レスの交差点が近づくとこの表示が設置されています。

DSC_9192_1DSCN622375▲ 13:47 光明学校到着下車。乗務員さんが言われた通り街角食堂が連なってありました。その中で選んだのは上海小籠包のお店、期待はしませんでしたがこれが中々、久しぶりにスープがこぼれる本物に出会えました。

DSC_9204DSCN623177▲ 14:40 交差点で撮り鉄後、再び1系統白いトラム(013号車)に乗車しました。

 

DSC_920833▲ 運転席のディスプレイです。現在位置が表示されています。下の表示は充電状況です。1200米(m)ですので、ここまでは架線レス走行が可能です。最高スピードは60km/hを越えて70km/h近くまで上がりました。快適な走行です。

DSC_922734DSC_923035▲ 14:49 3号線(未開業)と交差する华茂中心で降りてみました。パンタを下げて5連節車(023号車)が到着しました。

DSC_9217_2▲ 未開業の3号線です。来る時にも見ましたように試運転トラムは走行していました。道路を通る車はわずかなところからして乗客が見込めず沿線の開発待ちのようにも思えました。

DSC_9247_115:24 交差点での撮影を終えて起点へと戻ります。
次も白いトラム(016号車)の乗車です。珍しいのか、スマホでパチリの方もおられます。

▼ 15:34 2号線と合流して市内に近づくと車も増えてきました。金道城です。
DSC_925437DSC_928338DSC_9285_1トラム1・2号線距離・時間▲ 15:54 起点の兴隆大奥莱に到着しました。電停反対側で待つのは同じ3連接車、2号線トラム(007号車)です。5連節車と同色よりも沈阳地鉄のコンコースで強調された明るいめの朱赤色にでもすれば美しさが引き立ったのではと思いました。
※ 左の写真は画像処理で、車体色を置き換えています。

1・2号線 新松智慧园~奥体中心までの運転状況をGPSロガーで距離・時間を測定しながらまとめました。

平均速度は18.5km/hです。
1号線 新松智慧园~奥体中心と比較しますと駅間距離が867mから710mと短くなりました。
専用軌道ではありますが市内中心部に近づいてきたためか最高速度が40~50km/hと押さえての走行だったためと思われます。

トラム路线図02▲ トラム1・2・3号線路線図です。これに沈阳南站からの6号線が来年夏頃には加わります。開発地区の整備も進んで行くでしょうから、乗客も多くなり長い運行間隔も改善されるでしょうね。次回訪問する時が楽しみです。

まだ日暮れまでには時間がありますので、撫順方向に伸びる5号線の乗り鉄兼ロケハンも行う事にしました。さて、5号線の乗り場は何処なのでしょうか。案内板などありません。 Part 10に続く

2014年 塩の海 復州湾の塩田ナローと瀋陽路面電車への旅 Part9 沈阳有轨电车(瀋陽路面電車)その2、1号線」への2件のフィードバック

  1. 国家レベルで国のインフラ整備をやっている中国の姿は、鉄道愛国の日本としてはうらやましいですね。だからと言って全てが参考にはなりません。狭い領土、それも山岳地帯が多い国、そして何らかの形で開発されている国土の主権者が、国家でない日本では今の中国がやろうとしている国土の利用方法を「良し」として取り入れることは無理が生じると思われます、参考にして取り入れられるものは幾らかあるでしょうが、どれだけの比率となるのでしょうか?
    この中国の姿と対比するかのように熊本の現状が紹介されました。その姿と比較して日本が世界に誇っている電車王国の現状は、熊本の姿をどう思うのかと我々に突きつけているかのようでもあります。でも現実は現実、日本の中古EC、DCを再利用してくれている国に最敬礼しなければいけない時代が近い内に来るかも知れない。
    架線レスの電車、、試験車が日本に来たのは老人が元気な頃で、堺の埋立地へ見学に行きました。おりしも【堺市】が路面電車導入を論議していた頃でした。我々」路面電車同好会一向20数名は展示主催者に浴びるが如くの質問攻めにしました。答えには「検討中、想定外」が目立ちました。今回ぶんしゅう氏が紹介されたモデルはフランスのどの都市のものでしょうか、どのような蓄電池を使っているのか知りたいですね。

  2. 乙訓の老人様、いつもコメントをいただきまして、ありがとうございます。
    何処の国であろうとも活気溢れる鉄路を見ているだけで嬉しくなります。特に地元の方々や生活と身近に接する事が出来るローカル鉄道やトラムは嬉しさも大きいものがあります。
    アルストム社のトラムは世界中に輸出されている事はご存知と思いますので詳しい説明は省きますが、それぞれの都市でオリジナル仕様となっているようです。よく似たのはフランスのボルドー、ニース、パリで見受けられます。フランスよりトラム王国のドイツの方が多いのかも・・。
    電池ですが、ニッケル水素タイプのようです。そのために日本が最先端にいますリチウム式より架線レス走行距離が短いです。都市内走行では景観上で架線が邪魔と言われます。安価で大容量の充電池開発が進めばスーパーキャパシタと合わせて、充電は電停で、走行中は架線レスでスッキリとした都市内をトラムが走る光景が展開されていくのでしょうね。

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