▲ 12:12 撮影地⑦ 尚盈丽景~电车公司 Google座標; 41.658296, 123.389241
バックの木々をご覧のように、この日もすさまじい暴風が吹き荒れていました。
砂塵も舞う悪天候の中、白いトラム016編成が快走していきます。この白いトラムは、現地では白い小海豚(イルカ)と呼ばれているそうです。波を切って行くのが海のイルカなら、陸のイルカは風を切って走ります。白いイルカとは、中々イメージに合った愛称です。485系よりも似合っています。
第6日目 10月15日 その1
7:45 今日は沈阳トラムの撮り鉄です。ホテルを出発して奥林中心へと向かいます。
▲ 8:02 1号線から2号線への乗換駅青年大街は朝のラッシュを迎えていました。乗車を待つ客で溢れるホームですが、電車が着いても落ち着いたもので、争って乗り込む客は皆無、旧満州時代から栄えた東北中心都市だけあって人民の民度は高く、マナーが出来ています。
▲ 8:27 撮影地① Google座標; 41.741606, 123.450456
地鉄を降りて地上に上がってからは、5号線起点の奥林中心の電停を見てみました。
▲ 8:31 撮影地② Google座標; 41.741295, 123.453280
こちらは、1・2号線の兴隆大奥莱の電停です。ラッシュ時ですが待っている客は約30人で定員の1割と、わずかです。確かに通勤客は逆方向で降車客が多いのかも・・。しかし、沿線には大学等の学校も多かったので通学客がいても良いとは思います。開業1年2ケ月とあって、まだ利用客定着とは至ってはいないように見えました。入線してくるのは012編成です。
今日の朝飯は、地鉄出口の屋台スタンドで買ったバーガーです。
豆乳とセットで美味しくいただきました。
最初の撮影地、中国电信へと向かいます。
① 兴隆大奥莱8:34⇒8:43中国电信
▲ 8:47 撮影地③ 银卡路~中国电信 Google座標; 41.724370, 123.457237
白いイルカの走る金輝街は、金帆中路、遠航中路の2路と立体交差します。走行写真の最初の撮影地に選びました。
走るは桃仙空港行きの2系統013号車です。
▲ 8:53 反対側に回ってのカットです。沈阳桃仙空港行きの2系統017編成が、結構急な下り坂を駆け下りてきました。この路線の最高急勾配は50‰なのでここなのかも・・。
冬には積雪もある沈阳です。走行時にスリップが発生しますので、「滑り止め砂」を自動的に巻くセラミック噴射装置を搭載しています。カプセルトイを搭載した岡山電気軌道とは違った形ですが、目的は同じです。路面電車ではよく砂箱が運転席に置かれているのを見る事はありますが、本格的な装置となると珍しい搭載です。
スーパーキャパシタは車体屋根に積んであるそうですかどれなのでしょうか。ちなみに中国語では「超级电容器」と、言います。
▲ 9:07 高層マンション群の下を走り抜けて、駆け上がってくる白いイルカ、012編成です。
2番目の撮影地は、2電停戻って亿丰广场です。
待っていますと、018編成が来ました。
② 中国电信9:13⇒9:17亿丰广场
▲ 前回に説明しましたとおり乗務員さんは走行中、乗務員座席に座って、ドアが開く寸前には立ち上がって乗客の支払いを確認します。座席後の壁面には確かに「乗務員座席」の表示板が貼ってありました。現金支払いは2元ですが、細かいお金がない場合、5元・10元札で支払いますが、お釣りは出ません。
▲ 9:21 撮影地④ Google座標;
柵で仕切られた専用軌道から出て、017編成は亿丰广场に入線します。バックの建物は体育館です。
これに乗って再度逆方向に4站目の白塔河路に向かいます。乗車率はせいぜい40%ほどでした。
③ 亿丰广场9:21⇒9:31白塔河路
▲ 9:23 乗客も少なく、のどかさを感じさせる車内です。専用軌道のおかげでトラムは快走していきます。
▲ 9:43 撮影地⑤ 新松机器人~白塔河路 Google座標; 41.710405, 123.463570
丹阜高速のI.C高架橋の下を走ります。1系統会展中心行きの青いトラムは003編成、土手に上がっての撮影です。
▲ 10:01 風が強いので反対側土手からの1系統兴隆大奥莱行きの009編成を撮ります。
風を避けると日差しが当たっての快適な温度なのですが・・。▲ 10:09 3連接の013編成。車両番号は3連接車が001~020、5連節車が021~030を割り当てられています。
▲ 2タイプのトラムの概要です。出力につきましてはアルストムHP、沈阳トラムのHP等を探しましたが見つけられませんでした。Citadis(シタディス)であることは間違いないので300形か400形の派生になるのかと思います。
出力は投入された都市によって、105kw×4、115kw×4、120kw×4があるようです。沈阳では3連接車が105kw×2、5連節車が120kwのような気がしますが、確認されておられる方がおられましたら教えてください。
▲ 10:15 白塔河路に戻りました。3連接007編成が入線してきましたが、地上高が380㎜あります。ホームとは同じとならず、これでは車椅子での乗降が難しいものがあります。バリアフリー化を目指したとは思いますが、どうして高さを揃えなかったのでしょうか。
▲ 10:24 反対側の兴隆大奥莱行きホームに入ってくるのは1系統の021編成。
▲ 10:31 5連節車の2系統会展中心行きの022編成が来ました。これに乗って国际软件园に向かいます。
④ 白塔河路10:31⇒10:43国际软件园
▲ 運転台です。色々とスイッチ操作が必要なようです。
▲ 11:00 撮影地⑥ 金道城~国际软件园 Google座標; 41.686255, 123.478312
片側4車線中央の専用軌道を走る白いイルカ、2頭のツーショットが撮れました。
▲ トラムが走る道路断面です。他の道路でも準じた施工となっています。60m道路とは開発区の浑南新区ならではの広い道路です。
▲ 11:12 1系統の5連節車021編成がやってきましたので、これに乗って尚盈丽景へと移動です。
⑤ 国际软件园11:22⇒11:46尚盈丽景
▲ 5連節車の車内です。
乗客はわずかで手持ち無沙汰なのか、乗務員もしばし休息を取られていました。
▼ 尚盈丽景の手前には車庫があります。
【 浑南新城车辆基地&沈抚新城停车场 】
面積約21.6万㎡の広い構内には、試験線、トラムの車庫と検査・補修工場が並びます。3連接車が短時間50編成、長時間100編成が留置きできます。
またPart10で紹介しました5号線の沈抚新城停车场は、面積9万㎡で短時間26編成、長時間72編成が留置き可能と分かりました。
※ 参考資料は「沈阳现代有轨电车系统规划建设要点」(中文)、こちらです。
▲ 11:46 尚盈丽景に到着。益々風が強くなってきました。復州灣から風との格闘が続きます。
▲ 12:08 撮影地撮影ポイントは決めましたが中々トラムは来ません。待つ事22分、来たのは終点の会展中心で折り返した021編成でした。
▲ 12:12 撮影地⑦ 尚盈丽景~电车公司 Google座標; 41.658296, 123.389241
高層マンション群をバックに終点の会展中心に向かう016編成、運転間隔は約30分のようです。横からのカットは、冒頭の写真です。
▲ 12:37 この辺りはまだ開発が始まっていない荒地です。何もないので風がまともに当たります。
まだ撮りに行きたい撮影地がありますのでこの辺で移動としました。
長い間待っておられたお姉さん方と一緒に折返しの016編成に乗って起点站の兴隆大奥莱に向かいます。
次は5号線撮影に挑みます。 Part12に続く
出て来いでて来いと呪文を唱えなくとも車両要目表がでて参りました。これでどんな走りっぷりをするのか、ある程度想像できます。つかみ棒を沢山取り付け常用速度UPできないものでしょうか、線路状態は良いのですから最高速度近い常用速度で走れそうですね。ドイツでは郊外に出るとぶっ飛ばす運転手も居りました。フランスでは残存市電2ヶ処、新設1ヶ処しか乗っていませんからコメントなしです。JTSの友人の話では市内架線レス区間は1キロ以上あり、古い町並み区間に限っているようで、町並景観保存が目的のようだと言っていました。ドイツではそのようなところは単線走行としているようですね。でも架線ありで、旧東ドイツ圏でそのようなところが多かった印象を持っています。ただ路面電車が走る町は59市あり、その内3市が5万を割っています。その内の一つは不定期運行ですから2市が日本での「市」の条件をクリアーしています。
私もこのトラムはもっと高速走行できるのでスピードアップしても良いかなと思いました。加速・減速度とも高い数値です。ブレーキには、油圧作用式か電磁吸着式かは分かりませんがトラックブレーキ装着です。相当の高速で走行しても安全性は高いと思われます。また信号のある交差点も少なく、殆どが専用軌道です。電停間距離も長いので常時70km/hでも問題ないように思えました。
蛇足ですが加減速度の数値は「s2」となっています。鉄道車両の性能でよく使われる「km/h/s」とは異なっています。3.6倍にして計算ください。1m/s2は、3.6km/h/sです。
ドイツでは、ハイデルベルク(Heidelberg)に向かう際に単線走行がある区間を見ました。架線レス区間は教えてください。来年2月にはルーマニアに行きますので、予定が組めれば再度ドイツのトラムを探索に参りたいと思っております。
ヨーロッパでは電気制動が標準です。回生制動しているならそれからも充電しているかもしれません。最近路面電車同好会例会に出ておりませんので、彼の地の情報が入りません、心当たりの人に聞いてみます。最近油圧作用の話もあまり聞かないですね。電磁吸着は反動が厳しいので、一般に停車直前が一般的ですね。
乙訓の老人様、よろしくお願いします。
電磁吸着はタトラで見ましたブレーキですね。また電磁吸着ブレーキを初めて知ったのは碓氷峠を走ったEF63型でした。究極のブレーキだと思いました。