地図を携えて線路端を歩いた日々 -24-

笹川流れのほかにも羽越本線には優れた撮影地が多くあって、私も普通列車に乗りながら、何ヵ所か下車して撮りました。ここでは、笹川流れのほかの区間での撮影を南から順に紹介していきます。今回は、新潟・山形県です。C57の優美な姿をアウトカーブからとらえる。ここ西袋~余目は、陸羽西線とほぼ平行しており、同線のC58と掛け持ち撮影ができた。2048レ C57 103〔新〕(昭和46年8月)

羽越本線は、笹川流れを過ぎると、新潟県から山形県に入り、鶴岡付近ではいったん内陸部を走る。陸羽西線を分岐する余目を過ぎると、庄内地方の中枢である酒田に到着する。山形・秋田の県境付近に近づくと、再び海岸沿いを走ることとなる。国鉄車内掲示地図より(昭和30年代地図を複製)始発の新津を出て、つぎのジャンクションが坂町。米坂線を分岐し、坂町機関区もある。ややカーブしたホームで発車を待つ青森行き833レをとらえる。見飽きたD51だが、やや低い位置から見上げると、スノウプロウの効果もあって、なかなかの逞しさだ(昭和46年2月)。

坂町では、米坂線のキューロク牽引の列車も接続している。124レ 後部にもキューロクが補機として連結されている。▲▲ホームからは坂町機関区が真横に見えた。ラッセルを装備したDD15がすぐ近くに見える。(いずれも昭和46年2月)

笹川流れの手前の越後早川~桑川も、海岸線沿いの風景が撮れる。C57 167〔新〕の牽く2048列車は、青森発大阪行きの荷物列車、日中ずっと羽越本線を走り、よく写したものだ(昭和46年8月)。
大阪行きの特急「白鳥」が走り去る。この時代、昼間の特急は「白鳥」「いなほ」の2本のみだが、行先が違うので2本が1時間余りで雁行している。新潟編成も統合されて、13両のフル編成で走る(昭和46年8月)。勝木~府屋は、笹川流れに比べて険しさはない分、日本海の穏やかな風景が撮れた。日本海に浮かぶ粟島も見える。821レ C57 19〔新〕(昭和46年8月)
834レ D51 180〔酒〕 勝木~府屋(昭和46年8月)
DD13が重連で定期貨物を牽く。DD13の貨物は短区間のローカル線では見られたが、本線格での貨物牽引は珍しい。これは、冬期の除雪用にDD15が配置されており、夏期は余裕が生じるDLを、本来のD51の代走に充てたと思われる。勝木~府屋(昭和46年8月)山形県に入って最初の駅が鼠ヶ関、乗車していた右の837レが、左の貨物列車を追い抜く(昭和46年8月)。
三瀬にて 831レ D51 104〔酒〕(昭和46年8月)
余目に到着した550レ D51 1002〔酒〕(昭和46年9月)
C57 1〔新〕が団体列車8503レを牽いて小雨けぶるカーブを行く。この時は、酒田機関区へ行った際に、まもなくC571が団臨を牽いて上がって来ると聞き、急遽予定を変更して、以前に行った西袋~余目に向かった(昭和46年9月)。酒田には機関区があり、羽越本線の貨物を担当するD51が多数配置されていた。たまたま行くとDD51のトップナンバー機が休んでいた。1号機は長らく秋田区にいて、奥羽本線、羽越本線で活躍していた(昭和46年8月)
雪まみれになって酒田に到着した「鳥海2号」上野発秋田行き801レ、秋田行きのこの列車、酒田でごっそり乗客が降りて驚いた。考えたら秋田へ行く場合は、時間を要する上越・羽越経由より、奥羽本線経由を選択するから、秋田行き「鳥海」とは言うものの、実質は鶴岡、余目、酒田方面に向けた設定だった(昭和46年3月)。

9 thoughts on “ 地図を携えて線路端を歩いた日々 -24-

  1. 総本家青信号特派員様
    すばらしい写真の数々 ありがとうございます。羽越線は何度か通過してはいるものの降りたのは米坂線に乗り換える坂町ぐらいで殆ど記憶に残っていません。丹念に歩かれていることがよくわかりました。DD13の重連、DD51トップナンバーなど貴重な記録ですね。ところで坂町のラッセルはDD15です。豪雪の米坂線を思い出します。

    • 西村様
      いつもコメントをありがとうございます。変わりばえのしない写真ばかり並べ立てて悦に入っていますが、ここで発表しないと、もうこれから先、陽の目を見ないと思い、連投しています。西村さんが米坂線へ行かれたことは、ボックスのアルバムで見たことがあります。また一度公開をお願いします。DD14はL字型のDLでしたね。DD15に訂正しておきました。

  2. 総本家青信号特派員さま
    いやあさすがにマメに降りて撮っておられますね。貴重なDD51 1やDD13重連の貨物など貴重過ぎる写真です。DD51 1はピク誌で竣工時の記事を見たことがありますが、こうしてみると後の量産機よりずいぶん丸みをおびていたのですね。小生も今川・鶴岡・本楯・女鹿周辺などで撮りましたが、SLは今川だけであとは20系臨時日本海・EF81・485系と電化後の列車ばかりでした。拝見して府屋~勝木もいいところだなと認識を新たにしました。案外笹川流れよりカメラアングルの選択肢が多いような気がします。もっとももう撮りたい列車も無いですが。
    続編を楽しみにしています。

    • 1900生さま
      DD51の1号機は試作車のため、お書きのように丸みを帯びた独特のスタイルですね。649両もあったDD51の、たった1両ですから、たしかに貴重ですね。DD51もほぼ絶えてしまったようで、この歳になって、やっと愛おしく思えるようになりました。
      私は羽越本線の撮影は非電化時代だけで、電化後は乗ったことはあっても、撮影したことがありませんが、今から思うと、電化後も多様な機関車・列車が走っていたものですね。電化後に18きっぷで羽越本線を移動していたときですが、何かの線路支障で途中で乗車列車が打ち切りになり、特急「いなほ」に乗せてもらい、新潟まで向かったことがありました。

  3. 総本家青信号特派員様
    これは趣味誌の日本海側特集にでも抜擢してもらったらどうですか。羽越線は特にコメントが集中しており、車両中心で撮影してこられた方もほめておられますが、見ていて率直に素晴らしいと思います。車両中心はこれはこれで立派なジャンルと思っています。ついでが多い駅撮りにしても通過列車と停車列車の2機を並べるなどなかなかないチャンスをものにしています。何より車窓から撮影ポイントを物色している姿がいいと思います。最近のプロと言われる人はどこに車両が写っているかよくわからない小さな列車や車両を写さず枕木とか木製駅舎やラッチだけとかフォットランとか少女に無理に車両の前を歩かせるとか要するにやらせが多いのも見聞きしますが、総本家さんは自然の風景や地域独特の民家や神社仏閣、花や新緑、紅葉などの季節感を入れて列車との距離感をうまく調整して撮られてきたことと思います。もっともプロと言われる人は一般的なオーソドックスな撮り方にはうんざりされるでしょう。自分の好みの場所で天気に恵まれたらもう車両は何型が来てもいいと思います。しかし、本音を言いますと機種、車種にこだわるのも事実ですが、なるべくいろいろな車両を記録しておきたいとも思います。総本家さんや1900生さんのような記録はあまりないのですが、このあたりではあつみ温泉で動態保存機D51498を撮ったことがあります。

  4. 準特急様
    いつも暖かいコメントをありがとうございます。実を言いますと、羽越本線は「蒸機の時代」に発表済みです。この時に、かなり撮っていることが分かったのですが、誌面に限りがあり、載ったのはわずかでした。そこで、制限のない(?)デジ青に、思いの丈を出してみようと目論んだ次第です。そうは言うものの、多くが閲覧されるデジ青で、点数の多さだけを自慢することのないよう、流れには変化を付けようと、適宜、駅の風景や形式写真も織り交ぜて構成してみました。いまになって思うのですが、鉄道写真は、撮った直後に感動するよりも、何十年か経ってから見返して、“撮っていて良かった”と思わせる写真を撮るべきと思うようになりました。

  5. 総本家青信号特派員様
    それでは編集長にかけあってみましょう。羽越線だけでなく前回の北陸線や奥羽本線の秋田以北も含めてどうでしょうか。

  6. 総本家青信号特派員様

     いつも素晴らしい写真の数々を有り難うございます。
     最初のD51が牽く客車列車、D51の力強さと逞しさと客車の編成美に引き込まれました。陸橋と併せて今はなき懐かしい一コマが見事ですね。
     C57が牽く荷物列車、日本海とのマッチングも然りですが、荷物列車なるものが、今は走ってないですよね。思わず拡大してしまいました。
     懐かしい特急「白鳥」も久しぶりでした。
     昭和のにおいがプンプンする力作の数々、総本家さんが何十年経ってから見返し”撮っていて良かった”と思わせる写真をとお書きになっていますが、本当にそうですよね。
     C57トップナンバーが牽く綺麗なシーン、客車が旧型だったらと思ってしまいます。

    • マルーン様
      お褒めの言葉を頂戴し、ありがとうございます。荷物列車、白鳥、D51、C57と、今となっては、ほんとに懐かしい写真ばかりですが、当時は、とくに感動もなく、なかば惰性で撮っていたような気がします。ただ、どんな些細なものでも、こまめに撮っておけば、何十年たてば価値が出てきます。人間、やっぱり長生きするものだと思います。

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