▲ 車両後部の展望室からロケハンをしていましたら珍しいのか興味津々で見られていたお買い物帰りのお姉さんと弟さん。
「何処から来たの?何人」かと聞いてきます。日本人だよ、京都から来たよと答えるとさらに興味を示して「何を撮っている、何処に行くの」と英語で続けてきます。
降りられるまでの間、会話が続きました。
寂しい一人旅の始まりでしたが、地元の皆さんと直接にコミニケーションできる事で楽しい時間も持てます。降りられる時は「Have a nice day」と一言残していただきました。
第12日目 2月22日 その1
森林鉄道の撮影旅行が終わり、町に戻ってくると疲れが出ました。ブダベストに向かわれるO氏ご夫妻をホテルのロビーでお送りしてから長い旅の中ほど休憩を取りました。
▲ 12:01 ホテルからの長い坂道を下りてトラムの走るホォレア通り(Str.Horea)に出ました。
120数年前は蒸気トラムが走行していたと思われる通りに、旧市街をバックにKT4型が来ました。
電停名は丘の上から歩いてきた通りの名前から付けられた“Staţia Crişan”(クルシャン駅)が掲示されていましたが、Google地図や別サイトでは”Horea”と、トラムが走行する通りの名前が表示されています。新たに改名されたようです。”101、102”は、ここを走るトラムの系統名です。
▲ CTP(Compania de Transport Public=公共・交通・会社)Cluj-Napocaの公式HPを見ますと歴史動画の中に蒸気トラムが写っていました。左端に2編成がいます。箱型タイプの蒸気機関車が1両の客車を牽引しています。何処で撮られたものなのかよく分かりませんが、広場のようです。
▲ 12:08 ホォレア通りに面した古い教会の前をTatraKT4型が行きます。
今日は丁度日曜日です。同じ通りに面した別の教会ですが、多くの信者の皆さんが参加しての礼拝が行われていました。
熱心な信者が多いのがルーマニアです。
▲ 12:18 鉄道駅へと向かうKT4型、正面窓下と方向幕左に”48”と表示されているのが車両番号なのか、それとも”020 CJ-N”とのプレートがそうなのかが分かりません。取りあえず以降は”48”の表示を使います。
▲ 12:22 Lon Kuca Caragiale通りのループ線から本線へと出てきた04号車。道路側に信号機は見当たりませんが道路を走ってきた自動車は一時停車してトラム優先で待っています。
▲ 12:30 今日は朝・昼兼用でホットドックを買いました。2.9Lei(約90円)、街角ショップは安くつきます。
▲ 12:41 クルージ・ナポカ鉄道駅前に来ました。
昨日は旧市街と反対方向に延びるトラム路線の電停が分かりませんでしたが、T字路になった反対側に見つかりました。
いちいち切符を買うのが面倒ですので1日券はないかを尋ねましたがないとの返答です。切符を買いこんで反対側の終点まで乗り鉄とロケハンです。
切符売場のガラス窓にはベタベタとコピーされた紙が貼ってあります。何かと見ますとトラムとバスの発車時刻表です。トラムに時刻表とは今までに見かけたことはあまりありません。見ればこの時間帯は約10分間隔です。待つ事のない続行運転ではないようなので必要とされているのでしょうね。
▲ 12:45 目的地のB-dui Munciから来た100系統75号車はT字路を直進してCluj-Napoca駅正面の電停に向かいます。そしてループ線を走り私のいますホームに入線します。
▲ 12:46 こちらはB-dui Munciへ向かう電停です。反対車線に101系統の80号車が入ってきました。この路線は100と101系統の2本が運行されています。どちらかが遅れると続行もありますね。
▲ 12:49 ループ線を一回りして先ほどの75号車が入線してきました。これに乗車します。
▲ クルージ・ナポカの国鉄駅から北側の路線図です。赤と青のポイントは電停になります。
※ 公式HP(CTP Cluj-Napoca)の100L系統の路線図案内から抜粋しております。
▲ 旧市街への路線とは全く違って周囲は寂しい限りの光景が続きます。やがて人家もまばらな荒野の中を行きました。撮影したいポイントは見つかりません。
▲ 13:03 終点が近づくともう乗客は2人です。周囲に人家や工場はなく、これから開発される地域なのでしょうね。
▲ 13:03 最後の乗客も降りられました。ループ線もあって、終点なのかと思いつられておりましたが乗ったトラムは直進して去っていきました。まだ先まで行くのかと見送りましたが遥か先で右に曲がっていきます。
下車した電停名は「C.U.G」でした。
▲ 13:06 前方から100系統の49号車がやってきました。ここまで来たら前方まで行ってみたいものです。歩いて行く事にしました。
▲ 13:17 しばらく歩いていますと次に来た100系統の21号車が停まって運転手が手招きしています。これは大助かりです。感謝して乗り込みました。
▲ 13:20 先ほど見た右折地点で曲がってから降りるようにと運転手からの指示が出ました。ここが本当の終点のようです。21号車は先を左折して車庫に入っていきました。
車庫の入口に行ってみました。運転手たちが集まっていましたので入場しての撮影をお願いするとOKです。KT4型以外のトラムはいるだろう車庫内に入りました。
▲ 手前左はササラトラム、右は架線作業車のようです。この先にも古いトラムも留置しているだろうと行こうとしますと、門衛が追いかけてきて退出するように怒鳴ります。
ブカレストでも車庫内は入れてもらえませんでした。昨日もそうでしたので、やはりかつての共産国の流れを持っていて、車庫や地下鉄駅構内の撮影は軍事秘密に属するものとして禁止しているようです。残念ですが指示に従う事にしました。共産国家からは解放されたとは言え、現場はまだまだ難しいのが現実です。
徒歩で戻る事にしました。
▲ 13:26 次の100系統の46号車が来ました。ご覧のように道路併用軌道ですが走る自動車もなく閑散としています。
▲ 13:40 降りた電停に戻りました。100系統の49号車がやってきましたが車庫に行く事はなくループ線を回って折り返します。
同じ100系統表示ですが、ここで折り返す運用と車庫まで行く運用の2種類があります。
これに乗り込みましたが乗客は私一人でした。
▲ 14:03 Cluj-Napoca駅に到着しての49号車です。
関節車の連結器車内部分です。連接車よりもスッキリして居住性も問題なく快適です。
2車両連結したこのトラムがなぜに快調に走るのか、私には理解不能ですが事実です。
▲ 2軸台車です。PCCカー独特のレールへの密着緊急制動ブレーキが付いています。
下車してからはCFRのCluj-Napoca駅見学としました。 Part23に続く