絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part9 南迴線の秘境站枋山、内獅站で撮る

DSC_0096015今日のDR2700系のイベント列車は彰化を出発してから南下を続け、南迴線を走破して台東へと向かいます。光華號がかつて走っていない区間も走行しますのでヘッドマークはありません。残念ながら我々が目指した撮影ポイントには行けず、枋山站構内の線路際からの撮影になりました。左手には水平線も見える絶景の台湾海峡が広がっています。


第6日目 6月8日 その2

11:39 待たせておいたTaxiに乗車して山を下ります。ただ向かう先は海沿いの循貫公路に戻って約1㌔を北上、逆V字形になっている交差点を右に回って山へ上って行きます。中々言葉では上手く運転手には伝えられませんので、タブレットの地図を見てもらっての説明でした。
01_Map05_100▲ 12:17 枋野信号所からは走る事約12㌔、38分で逆V字形交差点に到着して右折しましたが、この先には行けないと運転手さんは申されます。
名称未設定 1先には道をバリケードするガッチリした門があって警備員がいます。中華電信枋山會館との看板が設置されていて、山の上には大きなパラボナアンテナが立っています。どうやら電話会社の重要施設のようです。
門から先は敷地内と思われます。これは難しいとは思いましたがここまで来ています。また撮影したい列車の通過時刻が迫っています。運転手にとにかく行ってくれ、交渉してみようと持ちかけて守衛門まで行かせましたが、けんもほろろに入場を断られました。

団長さんたちは今年1月にこの上で撮影された時に立派な道があると見ておられました。次回はTaxiで来れると思われたそうです。Google地図でも確認されておられましたが、まさか入場門があるとは気が付かなかったようでした。
[googlemap lat=”22.269384573392543″ lng=”120.65334149073794″ align=”undefined” width=”580px” height=”350px” zoom=”16″ type=”G_NORMAL_MAP”]22.270576,120.653717[/googlemap]
この先で山に向かうTaxiが通れそうな確かな道はタブレットからGoogle地図を見てもありません。また現場で探す時間の余裕もありません。仕方ないので枋山站に向かう事になりました。

※ 後で調べてみますと中華電信枋山會館には宿泊設備があって宿泊予約を受け付けています。訪れた方のプログを見ますと山の上にある展望台や線路ぎわで撮った写真も掲載されていました。ここで泊まると中の敷地内に入って撮れそうなので次回にはそうした方が良さそうですね。
記事はこちらです。他にも”中華電信枋山會館”で検索しますと若干ですが記事があります。検索はこちらからです。

DSCN9649051_100▲ 12:26 枋山站に到着、皆さんダッシュで海が見える方向へと向かわれます。私は山の上からの俯瞰が希望だったのですが初めてで道が分かりません。方向は逆方向です。探す余裕もなく、こんな時は逆らってもロクな事にはならないのは今までの経験です。後ろから老体にムチ打って追いかけました。

枋山站は1992年10月5日に正式開業した南迴線(枋寮~台東)と同時に開業しています。住民が住まう地域は海沿いが多く、遠くて山の中腹に位置する站は利用客はわずかです。そのためか停車する列車は1日、上下各2本しかありません。

DSC_0073011DSC_0075012▲ 12:30 直ぐに北上するDR2800系9両編成の自強號308次がきました。後追いでもう1カットと撮りましたが先に見える海原は昨日とは違ってバッチリと水平線が見えています。普段は見える事が少ないと言われるリゾート島「小琉球」も見えています。あ~もっと海が背景に入る俯瞰撮影がしたかった。
団長さん達が撮影したかったのはこの先のトンネルを抜けた場所だったそうですが、高架軌道の犬走りは狭く、直ぐに2駅先の加禄で交換した列車が来ます。トンネルを抜けるのは危険、撮影できるのは信号施設場所までが限界と申されました。想定外が生じた時は無理は禁物、諦めが肝心です。

06_枋山01_100DSC_0081013▲ 12:43 R110号機牽引の観光列車莒光號751次が参りました。

DSC_0101016▲ 12:47 続いては続行するDR2700系です。これが本命でした。

13:02 撮影後は次の撮影地の内獅站近くへとTaxiを走らせます。団長さんはこの辺りにはウナギ養殖池が集中しているので酸素供給する水車を前景に入れて撮りたいとの希望です。Google地図を見ますと確かに養殖池がたくさんありますので、ここでTaxiを降りる事にしました。
高雄までの帰りは途中から高速道路を走る路線バスです。南迴線は列車がこの時刻ありません。またバスの方が早いそうです。
[googlemap lat=”22.29814″ lng=”120.644135″ align=”center” width=”580px” height=”300px” zoom=”16″ type=”G_NORMAL_MAP”]22.29814,120.644135[/googlemap]
DSCN9651_100▲ 地図からは養殖池が点在しているのが見えます。しかし実際に降りて周辺を歩き回りますと、線路とは離れていて間に林がありますので池から走行する列車は見えません。また既に埋められて地元名産のマンゴー畑となっている所もあります。魅力的なシーンが撮れるとは思いますが、車窓からのロケハンをしてからが良さそうです。

13:23 途中で喉の渇きを潤すために休憩、冷蔵庫にあったのは初めて見ますアスパラガスのジュースです。1缶10元(約40円)、試しに飲んでみましたが結構いけます。街の7-Elevenでは見かけない飲料でした。
01_MAP01_300DSC_0113017▲ 13:34 内獅站に到着。この站も枋山站同様、1992年10月5日に正式開業した南迴線(枋寮~台東)と同時に開業しています。そして停車する列車も1日上下各2本と一緒です。
2012年度の1日平均利用客は乗車62人、降車108人と台鐡では最も少ない站になっています。

DSC_0117018▲ 13:44 駅構内はかつては貨物線ヤードがあったようで広いスペースですが、現在は1線のみです。南下する列車は駅手前がインカーブになっていますので編成を入れて撮る事が出来ました。
そして、後ろ方向には謎のコンクリート製のシェルター上になっているトンネルが約1㌔続いています。山でもないのになぜ平原にトンネルが設置されているのか不思議でした。有事勃発時に艦砲射撃対応かとが勝手に思ったりしていましたが、後で調べて見ますとありました。
名称は”嘉和遮體”、かつては近くに軍の射撃演習場があり、列車に弾が当たらないようにと安全確保の為に設置されました。1991年9月に完成、全長は1,180mです。しかし軍の施設はその後に移転されて無用の長物になり、現在はマンゴー栽培に日射が確保できず生育不良になって困っていると地元農民からは撤去要請がされているそうです。鉄道遺産として残すのか、地元住民の声を優先するのか難しい選択になるのでしょうね。

DSC_0124019▲ 注目は駅の宮殿風の装飾屋根です。この辺りは台湾原住民の高砂族の一種族、排湾族(パイワン)が多く暮らしています。貴族系統だそうでこれを象徴した造りとなったのではと勝手に解釈しました。駅舎もオレンジの屋根瓦で、外観も準じています。

DSC_0128020DSC_0131021▲ 14:33 北上する莒光號704次(台東⇒新左營)が山から下りてきました。引きつけると青い台湾海峡の海が入りました。
ホームを跨ぐ高架橋から撮りましたが、この橋は右手にある内獅国小(国民小学校)の歩道橋になっていました。戻りは校庭におられた方の許可を取ってから、校内を横切ってバス埕のある循貫公路へと出ました。
DSCN965705214:38 小学校前のバス停に出ました
バスは何時に来るかなと時刻表を見ますが、確認する前にバスはやってきました。この間わずか2分弱、ついていました。

バスの座席は快適な2+1のらくらくシートです。
バスは途中から高速道路に入り快走、16時過ぎには台鐡高雄站前に到着しました。

01_切符02_100② 高雄 17:00(自強號144次)⇒18:16 嘉義

ホテルに預けた荷物を取ってから嘉義への移動です。明日は阿里山森林鉄道のシェイ式蒸気機関車が車庫内と北門を往復するのでこれの撮影のためです。

DSCN9687_100▲ 嘉義での宿泊は國園大飯店(Country Hotel)、站には近いがちょっと部屋が狭いホテルです。

夕食は昨年来た時に行った夜市に小籠包が美味しい店があったのでご案内しましたら、なぜか閉店になっていました。仕方ないので近くのお店のおばちゃまにこの辺でお薦めの美味しい店を紹介して欲しいとお聞きしますと林聰明沙鍋魚頭を教えてくださいました。

07_林聰明01_100 07_林聰明02_100 DSCN9673054_100▲ 歴史を感じさせる趣のある老舗食堂です。料理は肝心なのを撮るのを忘れましたが、火雞肉飯が美味しいお店です。次回もここに来ようと思いました。皆さんも是非に。

DSCN9670_100今回の旅も撮影は明日限りとなりました。もっとゆっくりしたいのですが、暑いので老体には堪えてきます。台湾は冬に来るのが快適です。次回は1月が良いなあとビールを飲みながらの宴でした。  Part10に続く

絶景の台湾鉄路 2015年夏の旅 Part9 南迴線の秘境站枋山、内獅站で撮る」への2件のフィードバック

  1. ぶんしゅう様
     台湾のレポート、とても興味深く読ませていただいています。DR2700のリバイバル光華号は全くノーマークでした。海線は昨年5月に木造駅舎ツアーに参加しただけで満足していたので、巨大風車をバックにした写真は衝撃でした。あのような写真を撮ってみたいと思います。泰山は一度撮影したことがありますが、本数が少なく、優等列車はかなり高速で通過しますのでうまく撮れませんでした。欲張らず1コマの撮影に賭けるのでなければ、1秒で10コマ位シャッターが切れる高速連写機が必要です。南迴線はいつも太麻里ばかりですので枋山も是非訪れたいと思っています。ご紹介の中華電信枋山会館も泊まってみたいと思いました。台湾は近いうちに是非行きたいと考えています。成就できればまた報告させていただきたく存じます。

    • ブギウギ様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
      私も自ら勉強して行ったわけではなくクモハ73106東ウラさんに連れて行ってもらったので偉そうなことは言えません。
      台湾海峡に風車が見える好望角は、記事にも書きましたが午前中に行く事が望ましいと思います。調べてはいませんが路線バスもあるようですし、健脚なら登山道を登れます。若い台湾人鉄ちゃん達と一緒に撮りましたが彼らは下から登山道を登ってきました。最悪、後龍站からTaxiに乗って、後は登山道を下りるのも方法です。
      枋山もリベンジしたい撮影地ですが、好望角同様に水平線が見える条件に恵まれないと抜群な俯瞰写真にはなりません。好望角と同様です。
      老体で暑い夏は辛いものがあります。涼しくなる11月以降に一人でも行ってみようかなと思っております。日頃の行いはあまり良くないようですので日程に余裕を取って粘ってみます。
      行かれる時が決まりましたらお声をかけてください。確約できませんが調整して見ます。よろしくお願い申し上げます。

ブギウギ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください