先日探し物をしていて、2005年前後に使っていたHDDが出てきました。
懐かしんで中を覗くと、当時HomePageを作り展示していたもののbackupでした。
その中からユニークなものを、ご紹介します。
但し10数年前に作った物なので、現況が変わってしまったものも有るかもしれません。ご容赦願います。そして誤謬や錯誤の、ご指摘など、宜しくお願い申し上げます。
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【西武鉄道、急カーブ図鑑】
西武鉄道を利用して感じるのは、やたら直角に近く曲がる急カーブが多いことです。
国土地理院からWeb上での地図掲載の許諾(※)を得ましたので、こんなコンテンツを作ってみました。
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【新宿・拝島線】
1.高田馬場駅下り方のJRアンダークロス(158R)
「山手線の内側を走りたいっ!」と、この一念だけで作られた様なカーブです。
線路がひかれた当時は「相互乗入」など夢のまた夢。民鉄(山手線の駅から郊外へ伸びる)と山手電環内(都営、営団)は厳格に棲み分けされていました。
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2.花小金井~小平間、旧青梅街道踏み切り前後
下り電車に乗ると、左700R→右300R→左300R→右700Rと蛇行します。
旧青梅街道(道路)と平面交差するために、鉄道側が遠慮しています。つまり交差角度を大きくして踏切の幅を狭くする為に、迎えカーブしています。
運転席後ろから前方監視していると、Sカーブの連続です。運転手さんはブレーキをかけて徐行してるんだけど、地図上ではさほど急では無いですね。
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3.萩山駅、国分寺方向(急カーブなのは、多摩湖線への分岐の方です)
西武遊園地発の電車が国分寺へ出るために、萩山駅ホームの真ん中あたりから分岐しています。
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4.拝島線小川駅、両方向(最急カーブは上り方170R、下り方266R)
この辺りは線路が引かれた順番や会社の合併順序が複雑なので、鉄道ファン的には興味深い線路敷設の状況となっています。
一番最後に、戦争目的で出来た引込み線(現、拝島線)が都心への通勤メイン・ラインとなり、最大10両編成の電車が走ります。
片や老舗(?)の国分寺線は未だ、最大6両編成の単線運行です。
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5.拝島駅上り方
米軍の横田基地をひかえ、引込み線の状況もよく分かります。
をっと西武線のカーブは、さほど急ではありません。
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【池袋線】
1.池袋駅下り方のJRオーバークロス
こちらも苦心して、山手線の内側から発車しています。
池袋駅東口に西武の改札があり、西口に東武の改札があるって、何か出来すぎの雰囲気を感じませんか?
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2.豊島園線
くるりんとカーブします。
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3.所沢駅、両方向
西武鉄道の成立過程をひもとくと、カーブの理由が分かるのです。
でも西武鉄道って、つくづく「直角カーブ」が好きな鉄道ではあります。(大笑い)
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4.西所沢
曲がっているのは狭山線の方です。
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5.入間市
駅を作る為に曲がっているのでしょうか?
それとも、、、と、あらぬ想像をしてしまいます。
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6.飯能
方向転換してJRと接続後、更に奥地へ進みます。
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7.高麗
いよいよ山岳区間へ入ります。
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8.西部秩父
終点です。
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【番外】
1.山口線
新交通システム相手に、大人気ないですかぁ?
でもU字カーブを2ヶ所も持っているので、省略不可です!(笑)
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2.安比奈線
休止線ですが、ここも南大塚駅から直角カーブしてました。
【追記】安比奈線は、2017年5月31日付で廃止となりました。
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※以上のページに掲載した地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の5万分の1地形図、数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものです。(承認番号 平15総使、第272号)
【追記】2019年(令和元年)12月から、国土地理院の地図の利用手続きが変わりました。この原稿は、それ以前に作成しており、その当時の規則に則り『利用許諾』の明示をしています。
皆様におかれましては、国土地理院コンテンツ利用規約 ↓ を参考に、地図の御利用を進めてください。
( https://maps.gsi.go.jp/help/termsofuse.html )
【関連情報】
小川の陸軍兵器補給廠小平分廠
鉄鈍爺さんが紹介された急カーブの線路を組み合わせて模型のレイアウトが出来そうですね。
どですかでん さん、コメントありがとうございます。
モジュールレイアウトとして、、、 \(@o@;)/
確かに曲がり方が模型的ですね。
でもNゲージの縮尺に落とし込むには、省略技法とか使う必要がありそうです。
Tゲージ(1/450)なら、建築模型の家屋などが使えそう。
Tゲージは知りませんでした。軌間が3mmなのですね。たしかにモジュールにしてパズルみたいにしたら面白いですね。今だったらZゲージでできるかもしれませんね。
Tゲージ(ティーゲージ)って『数字の3を表す英単語(Three:スリー)の先頭の文字から命名された』そうですが、それでは『2(Two)』とか『10(Ten)』は? と悩み始めて一日が過ぎ、、、
> たしかにモジュールにしてパズルみたいにしたら面白いですね。
カードゲームに「水道管ゲーム」ってのがありました。
同じ様に、ジョイント式のマットに『┳』とか『┓』、『╋』などの線路を敷き、対戦式に片方が敷設、もう一方が妨害する。
でもマットの製作に時間やお金がかかりそうなので、対戦はパソコン上で行い、結果を実際に表現する。
など妄想を逞しくしていました。 (^^;)
鉄鈍爺様
西武鉄道の路線に急カーブが多いことを教えて頂きました。
なかなか西武鉄道には乗る機会も少なく、一昔前までの西武の電車は味気ないというか、親しみが湧かないというか正直好きにはなれませんでした。
最近は変わってきましたね。女性がデザインしているとか聞いたこともあり、丸っこくて、窓も大きかったり・・特急Laviewで秩父に行ってみたいなと思っています。
マルーン さん、コメントありがとうございます。
正直、私も西武線沿線に移り住むまでは、印象が薄い鉄道でした。
乗客の増加に伴い、1970年代中に新宿線が10連となり、旧型車に車体を新造して更新していました。
また西武鉄道の国分寺線と多摩湖線が直角交差しているのに交点に乗換駅が無く、小川から武蔵大和へ行くのに、わざわざ萩山を経由する『けったいな路線』と思っていました。
やがて『折角だから郷土史を知ろう』と西武鉄道を調べだしたら、そこは【沼】でした。(大笑い)
つまり現在の路線と線路配置は、合併を経て形成された歴史の記録なのです。
そして西武鉄道は外観からは『金をかけないケチな鉄道』の趣きですが、運転上の保安体制確保にはシッカリ資金を投入しています。
そんな色々な視点をふまえ、この直角カーブ達をご覧頂けたらと存じます。
鉄鈍爺さま
カーブ式会社と呼ばれるK電車沿線の住民から見ても、なんともきついカーブですね。沿線に急カーブ多しといえども、こんな直角にというのはありません。沿線住人に合わせて、まあ中途半端なことになっているのかもしれませんが。
ご自身やマルーンさまも仰っている通り、私にとっても馴染みの薄い電車ですが、たった一度だけ、就職直前に関東の電車視察をと思いたって乗ったことがありました。その時は前線基地として、1年前に卒業された準特急さまのお宅に泊めていただき、西武~(途中忘却)~京浜急行と回った記憶があります。当時のこととしては、京浜急行のスピードに感嘆したことと、準特急さまのご姉妹が綺麗な方だったことが強く印象に残っていますが、西武のことは殆ど憶えていません。
写真No1の東口:西武、西口:東武というのは、何らかの経緯の結果でしょうが、「冗談きつい」と思いますね。これを見て昔会社の上司に「西さん」という方が居り、ある日突然「東さん」になったので驚いたことを思い出しました。故あってシングルになり、旧姓に戻られたとか。すみません、余計な話でした。
写真No5の拝島付近は、八高線のキハ30系を撮りに行った際に、運転台後方から眺めています。奇妙な配線という印象でした。
その後、山岳路線である秩父線と池袋線(飯能以遠)には乗ってみたいと思っていたところ、たまたまYouTubeで秩父→飯能間のCabRide(Drivers Iyeとも言うらしい)映像を見付けて、もう乗ったような気になりました。
山を越える鉄道に興味があり、線路の敷設形態に関心のある小生ですが、こういう視点から地図を眺めたことはありませんでした。新しい視点をご提案して戴いたと感謝しています。
1900生 さん、コメントありがとうございます。
京阪なら、石清水八幡宮から淀車庫に至る『川を直角に渡る為のカーブ』が一番の見どころですが、枚方から分岐する交野線が直角カーブですし、中書島から下り方面、鳥羽街道からJR奈良線をオーバークロスする所で迎えカーブしています。
単位キロメートル当たりの急カーブ出現率からすれば西武に負けるかもしれませんが、、、
(どうも勝ち負けの話になってしまい、失礼します:大笑い)
馴染みの薄い路線や鉄道を紹介する、ひとつの方法ですね。
鉄鈍爺様、1900生様
凡人には気づきにくい研究発表ですね。コメントが遅くなり申し訳ありません。鉄鈍爺さんにとっては第二の故郷のような西武鉄道ですが、おっしゃられるとおり合併などの結果なのか未だに東西南北がよくわかりません。先日、デジ青では所沢駅では同じ東向きのはずの新宿行きと池袋行きが反対方向に出ていくのに迷ったことがあると書きました。小川-東村山間では多摩湖線の下を潜るのでいつも感が狂います。よ
く調べた訳ではありませんが本線から分岐する支線は直角でなくてもそこそこ離れていきますが、西武は直角に近い分岐が多いという理解でよろしいでしょうか。話は少しずれますが、阪急(新京阪ではなく神宝線)はイメージ的に直角です。と申しますのは西宮北口(現在の今津北線)、夙川、塚口、石橋(現在は石橋阪大前)は営業電車は本線に対して直角で入り込んでいました。勿論車庫に回送する車両は競馬等の臨時電車と同じように急カーブをつうかしていました。
塚口は直角車止めの営業をやめたようです。
1900生様が拙宅に泊まられた記憶は全くありませんが、京阪のお偉い方を京王プラザにお泊めするため予約をお取りした時に部屋の種類で「いっちゃん安いのでええわ」と言われたことを思い出します。今は孫4歳に1階プラレール、6歳に屋根裏でNゲージをやらせています。写真は2014年12月5日の石橋駅行き止まりです。
準特急 さん、コメントありがとうございます。
関西生まれの私にとっては、阪急の夙川駅が端的に正しい姿の『T字』支線分岐形態です。
西武鉄道の『T字』に近い接続駅としては、JR国分寺駅と接続する西武多摩湖線の国分寺駅があります。
貴兄が困惑される西武国分寺線は同じくJR国分寺駅からJR線と並行して発車し、大カーブで西武国分寺線と同じく北へ向かいます。
西武国分寺線のカーブは45度程度の曲がりであり急峻ではないので、今回のテーマ「急カーブ図鑑」から割愛しています。
同様なことが西武多摩川線の武蔵境付近にも言えます。
その他、少々異なる趣向で、近鉄の大和八木は交差する路線を結ぶ連絡線が特色で、これは伊勢中川のバイパス線にも言えます。
遅まきながら、コメントさせていただきます。
先日TV東京系で放送されたアド街ック天国で、「小平市」が取り上げられ、その中で小川ー萩山間の急カーブが話題として登場したのでビックリ⁉
まさに、貴記事の4項の小川から萩山側の直角カーブでした。
番組では、この付近はその昔、狭山湖、多摩湖周辺を一大レジャー地にしようと目論む複数の私鉄ができていたのを、その後西武が接続していったようないきさつだと説明していました。
なるほど、この付近の路線の複雑さはそういうことだったのかと納得した次第でした。
この投稿とたまたま一部内容が合致していたので思わずコメントさせていただいた次第です。
それと、同じく貴記事中にありました、地図で見る鉄道のカーブと、現地で見るカーブの具合は、なぜだか現地で見た方が大きくカーブしているように思えますね。人間の視覚による差異なのでしょうか? これも大いに同感した次第です。
小生もコロナ禍で外出の機会が減り、最近は地図を見る機会が増え、国土地理院のデータベースやGoogleのストリートビューと合わせて日々架空旅行を楽しんでいます。
貴殿記事のような、地図の中であるテーマをとらえて見るというのも、新しい趣味の一つの形になりそうですね。
HHHDホルダー さん、コメントありがとうございます。
> その中で小川ー萩山間の急カーブが話題として登場したのでビックリ⁉
小川駅東側の急カーブは、第二次世界大戦中に陸軍関係施設への引込線として計画され、戦後(1946年:昭和21年)の米軍航空写真で道床跡が確認できます。
参照:別投稿『小川の陸軍兵器補給廠小平分廠』
( https://drfc-ob.com/wp/archives/118625 )
また小川駅西側の直角カーブは、(旧)日立航空機株式会社立川工場専用線として開設され、従業員の搬送も行っていました。
> 地図で見る鉄道のカーブと、現地で見るカーブの具合は、なぜだか現地で見た方が大きくカーブしているように思えますね。人間の視覚による差異なのでしょうか? これも大いに同感した次第です。
細かい部分までご覧頂き、恐縮です。
鉄道模型でも同じ事が言えますが、人間の瞳孔間隔は縮小・拡大できません。だから遠近感とか視角の相違が、違和感の元になるのでしょう。
> 地図の中であるテーマをとらえて見るというのも、新しい趣味の一つの形になりそうですね。
DFRCの会員は西日本出身者が多く、関東の話は疎遠な事と捉えがちです。
でも地図を仕事の関係で携わった方なら「等高線を眺めれば地形が頭の中に思い浮かぶ」てな事がある様です。
最近では地図と『ストリートビュー』から、事前ロケハンが可能となりました。