来年廃止がほぼ確実となってきた「見納めの”三江線”の桜を見に行こうツアー」は昨日夕刻に集合、そして今日は早朝に解散と短い訪問となりました。何しろ辺境の鉄路です。運行本数も少なく、他の何よりも鉄道好きの我々ぐらいでないと訪れるようとは思われない三江線です。最短で訪れることが目的ではなく、どういった経路を辿りながら到達し、またどういった経路で去るかの乗り鉄旅が目的だったのではなかったかと思います。
ご参加いただいた皆様方はそれぞれに辺境の地への鉄道の旅をお楽しみになったろうと勝手に思いながら、またのお別れとなりました。
▲ 6:13 桜は我々を待っていたかのような一夜にして満開となった潮の朝を迎えました。前回は早起きに失敗して撮れなかった始発の421Dをようやくキャッチできました。しかし見る限り乗客は”0”です。
第4日目 4月3日
朝、潮を発車する江津方面行は、7:34発と約2時間半後の11:20発、その次は約7時間もおいた18:19発しかない不便さです。青春18きっぷを利用しての帰路は7:34発しか選びようがなく4日に家の用事がある私は泣く泣く始発に乗ることになりました。
潮発は限定されますが帰路の経路は、東へ西へと選択肢がありました。殆どの方は7:34発に乗車されて、まずは江津を目指されます。
▲ ツアー参加の皆さま方が選択された帰途への経路です。さすが旅慣れた鉄ちゃん集団だけあって好みもそれぞれです。その中でもとっても不便な備後落合までぐるっと回られて宿を探され、翌日はこれも接続がとっても不便な姫新線経由を選ばれて夜更けに帰られたという御仁もおられます。こうなれば筋金入りの尊敬すべき鉄ちゃんです。
① 潮7:34⇒9:32江津
潮~江津は59.6㌔、所要時間1時間58分、平均速度は30.3km/hです。
▲ 7:34 桜満開に見送られて潮を発車、すぐにトンネルに入りましたがご覧のとおり余裕の車内です。11:20発なら昨日の様子からして、こうはいかなかったでしょうね。ビデオカメラを運転席横に設置して桜満開の三江線を撮っていきます。時折STOPしていないか確認に行ってデジカメでも撮ります。
▲ 8:20 木路原の桜です。老木で、もう咲かないのではと思っていましたが立派なものです。
▲ 8:52 田津の桜並木です。5分咲きを撮りましたが満開になるとやっぱり、すごい!
▲ 9:16 川平ホームの桜並木です。天気は27日から来ていますが快晴は初めて、桜も満開で1番です。こんな恵まれた状況はめったにありません。何度も降りて撮りたくなりました。
▲ 乗客は殆ど替わることなく、というより鉄ちゃんだけの乗車と言っていいほどで、9:32江津着でした。
▲ 9:32 江津駅1番ホームで発車待ちのキハ120-316は、益田始発出雲市行きの先発9:36発の344Dです。これに乗っても接続はなく、結果一緒ですので京都方面行きの皆さんは次の快速アクアライーナーを選ばれました。
▲ 9:34 江津駅の待合室です。約1時間待つことになりましたので「ビールを飲みながら待てばすぐだ。」とKIOSKに買いに行きますが売っていません。アルコール飲料販売がないKIOSKなんて初めてです。それでは近くに売っている酒屋かコンビニはあるのかとお聞きしますと、少し歩けばスーパーがあると言われました。私は荷物の留守番を志願して待つことにしました。
▲ 待合室に掲示されていた三江線と山陰線の発車時刻表です。三江線は6時の始発の次は12:34発と約6時間半も時間が空きます。1日5本しかありません。
▲ また掲載しますが、開業当初のダイヤです。1日6本のダイヤですが折り返しのピストン輸送ですので待てば乗車できます。現在のダイヤでも9時半ころに1本あれば少しは便利なのですが・・。ただ3月27日の臨時列車に乗ってのロケハンでは11:09に石見川本で、この日もう1本の臨時列車と交換しました。貸切列車用のスジはあるようです。
じっと待つよりは乗ってきたキハ120-357で、逆方向の都野津まで行って折り返えして来られるお2人もおられました。「快速 アクアライナーの海側の席を確保しておくよ。」と言って乗られました。
江津10:08(379D)⇒10:14都野津10:26(快速 アクアライナー)⇒10:30江津
▲ 10:34 お2人を乗せてキハ126系2連の快速 アクアライナーが入線してきました。乗車率はそれほどでもありませんが海側の席は満席です。日曜日とあって青春18きっぷの方も多く、車窓が良いのはよく知っておられます。
② 江津10:31(快速 アクアライナー)⇒12:53米子
改良高速化された山陰本線をキハ126系は450HP×2のエンジン音を響かせながら軽快に高速運行します。ただ連結ドアの設置がないためか車内騒音はキハ40系より高いのが難点です。
宍道では桜の木次線を見たいと大津の御仁が、松江では1900生さんも降りられました。5人で米子到着です。
江津~米子は131.3㌔、所要時間は2時間22分、平均速度は55.5km/hでした。単線区間が殆どですので途中交換待ち停車時間を差し引くと表定速度は約60km/h台にはなっているでしょうね。これなら快速の名には恥じません。
③ 米子12:57(快速 とっとりライナー)⇒14:35鳥取
米子では4分接続で快速とっとりライナーが受けてくれるのは青春18きっぷ利用者にはありがたいところです。
同じキハ126系2連の快足で、ガンガンぶっ飛ばします。
途中の倉吉では智頭急行HOT7000系運用の”スーパーはくと”は見ていただけで乗車するチャンスがなかった。この機会に乗りたいと、久我会長、田野城前会長と篠塚さんのお3人が下車されました。私は何回か乗りました。1度京都側のパノラマ先頭車(グリーン席)に乗った時は、130km/hで単線トンネルに突入する際のスピード感には恐怖すら感じるほどでした。大きなガラス窓も風圧で膨らみます。ジェットコースターに乗ってトンネルに入るあの感じです。逆の鳥取方面行きにパノラマ普通車が付く運用もありますので皆さま方も味わってみてください。
米子まで乗車を続けるのはブギウギさんと私の2人だけになっていました。
快速とっとりライナーに乗っての米子~鳥取は92.7㌔、所要時間は1時間38分、平均速度は56.7km/hでした。こちらは運行表を撮っておきましたので運転停車待ち時間の合計は17分間と分ります。走行時間は1時間21分となりますので、表定速度は何と68.7km/hと文字通りの快速です。
④ 鳥取15:37(538K)⇒15:23浜坂
鳥取でも2分で浜坂行きと接続します。今度は普通ですのでキハ47系に乗車です。鳥取~浜坂は32.4㌔、所要時間は46分、平均速度は42.3km/hです。典型的な鈍行列車です。
ブギヴギさんと台湾談義をしながらの乗車です。▲ 14:57 桜並木で有名な大岩に停車。地元の皆さんが桜見物を楽しんでおられました。
▲ 15:23 列車は余部鉄橋を渡って浜坂に到着。順調に接続を続けていましたが浜坂での接続時間はちょっと長い40分間です。
駅前の街歩きでもしようかと降りてみましたが駅前は、がらんとしたシャッター街です。
聞けば今日は「第18回浜坂みなと ほたるいか祭」開催日で皆さんそちらにお出かけです。では行ってみようかと言いますと、歩いては約20分はかかる。それにイベントは13:30で終了しているとのことでした。
ホタルイカと言えば富山県が有名ですが実は漁獲量では兵庫県が№1なのです。
▲ 15:53 2番線に折り返して豊岡行き180Dとなるキハ47系2連が到着しました。
⑤ 浜坂16:03(180D)⇒17:17豊岡
浜坂~豊岡は49.5㌔、所要時間1時間14分、平均速度は40.1km/h。
キハ126系と比べると走行速度も遅いせいもあって静かな列車です。
⑥ 豊岡17:33⇒18:49福知山
豊岡では16分接続で待っていた223系5500番台2連に乗り換えです。豊岡~福知山59.9㌔を所要時間1時間16分、平均速度は47.3㌔。電車になって少し早くなりました。
18:49 日没なって夕闇が近づいた福知山に到着。ここでブギウギさんは福知山線で大阪へと向かわれました。とうとう最後は私1人となりました。
⑦ 福知山18:55⇒20:10園部20:22⇒21:05京都21:18⇒21:29長岡京
福知山~園部は54.3㌔、所要時間1時間15分、平均速度は43.44km/h。
園部~京都は34.2㌔、所要時間43分、平均速度は47.7km/h。
京都~長岡京は10.1㌔、所要時間11分、平均速度は55.1km/h。
潮から524㌔の乗り鉄旅が終わりました。9列車を乗り継ぎ、所要時間は接続待ち時間も含んで13時間55分でした。
本来なら満開の桜の中で撮影を続けたかったのですが家の大事な用事で帰宅しましたが、終わればすぐに潮へ戻ります。紀行記はまだまだ続きます。 Part7へ続く
ぶんしゅう様
その節は大変お世話になりました。台湾、中国を始め臨場感あふれる海外経験のお話、とても興味深く聴かせていただきました。鈍行のボックス席でアルコール片手の鉄道談義は得難い時間でした。また機会がありましたらよろしくお願いします。ありがとうございました。
ブグウギ様、こちらこそお世話になりました。いつもは1人旅が多いので久しぶりに楽しい時間をいただきました。お付き合いいただきましてありがとうございました。まだまだ行きたい鉄路がいくらでもあります。動けるうちはどこへでも参りたいと思っております。次回もよろしくお願い申し上げます。
ぶんしゅう様
長編レポートありがとうございます。ところでこの「70315」はPart5ではなくPart6だと思います。文末も「Part7に続く」にご修正を。
西村様、ご指摘いただきましてありがとうございます。只今修正しました。しかし、かなりボケてきていますね。次の紀行記もボケで始まり、ボケで終わります。認知症の先生がすぐそばにいるのにこれですから情けなくなります。