2014年 立山砂防軌道(国土交通省立山砂防工事専用軌道 ) 2年連続2回目の訪問

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いつも国内外の撮り鉄に行かれる折は声をかけていただいておりますクモハ73108東ウラ略;クモハ73106)さんより、チャカ塩湖に旅立つ直前の8月5日に立山カルデラ砂防体験学習会(国土交通省立山砂防工事専用軌道 )の個人応募を申し込むがまた行ってみないかとのお誘いを受けました。
ご存知の通り、立山砂防軌道は、稼働する雪解け5月初旬から降雪が始まる10月中旬までの間、一般客の視察を受け付けていますが、多くの申し込みが殺到し抽選で参加が決まります。今年の運試しはどうだろうかと賭けてみましたら帰国後の8月25日に「当たったよ」と連絡が来ました。倍率は何と5.5倍だったそうです。

昨年は一路順風!さん主催の団体での参加審査で決まりました。今回は有料(2,000円)にはなりますが、抽選での参加資格です。運に恵まれたようですが、もう1つの関門がありました。
それは、当日の天候です。崩れやすい立山カルデラを走ります。前日まで雨が降った場合は朝1番のパトロールカーが走って安全確認をした上でなければ実施されません。当日雨の場合は当然アウトです。実施率は毎年70%前後だそうです。これだけは行ってみないと分かりません。
実施日は10月8日で前後に予定が詰まっていました。合わせての秋の北陸路撮影の予定が組めません。今回は、前夜の夜行バスで行って当日サンダーバードで帰宅としました。

 

第1日目 10月7日
① 京都駅烏丸口23:40(JRバス・北陸ドリーム号)⇒翌日7:04富山駅
② 電鉄富山7:11(富山地方鉄道)⇒8:17立山

DSCN569802DSCN5696▲ 京都駅正面前のJR高速バスの発車場です。ここには高知、名古屋、東京、新宿への夜行バスが発車して行きます。
本来なら急行きたぐに(京都23:32⇒4:28富山)を利用すべきなのですが、2012年3月17日ダイヤ改正で定期運用は終了しました。その後多忙期には臨時ダイヤとして運行されてはいましたがそれも583系の老朽化を理由に廃止されました。已むを得ずの乗車です。
富山へは、他にも民鉄バスが運行する大阪⇒京都23:20⇒5:50富山直行便がありますが、あいにくと満席でした。
今回利用したのは京都23:40⇒金沢⇒7:04富山の金沢経由JR高速バス便です。これでは富山に着くのが遅く富山地方鉄道への乗換時間が7分しかなく不安もありましたが、遅延するようであれば金沢(5:54着)で降りて、特急はくたか(金沢6:08⇒6:49富山)で行く手もあると思っていました。乗車後は心地良い揺れに爆睡です。

第2日目 10月8日

翌朝6時頃に金沢で下車する乗客の気配に目を覚ましましたが、ぼぉ~としていて「ここはどこなの」の状態です。私は血圧が低いので朝はエンジンがかかるまでにしばらくの時が必要です。正気になった時はバスが金沢駅前を発車していました。延着する事がないかを隣に座っていたおじさんに聞くと、「私はいつもこのバスに乗っているが富山駅前には6:50頃には早着するよ。」と言われます。それなら大丈夫かなと安心してもう一眠りです。

ところが富山に近づき車窓を見ますと高速道路なのにえらくゆっくりと走っています。殆どの車が追い抜いていきます。これはまずいと焦りだしました。
結局バスは定刻から遅れる事5分、7:09に富山駅前に着きました。ダッシュすれば富山地鉄に間に合うかなと走りましたが、富山駅前は新幹線の工事中で迂回する通路になっていました。直前で電車が発車して行くのが見えました。がっくりです。

次の電車は電鉄富山8:02⇒9:08立山になり、砂防博物館を出発するバス発車には間に合いません。(注;今回当選したのは昨年と同じ、午前中はバスで午後からトロッコ乗車)
クモハ73106さんへは「今、富山駅ですが、夜行バス延着が発生して、電車に乗り遅れました。折角お手続きをしていただいたのに申し訳ないが行く事が出来なくなりました。」と、直前での参加不可能の連絡を入れました。
さてこれからどうするか、帰るかと思いました。しかし、もしTaxiで岩峅寺まで行ければ、乗り遅れた電車に追い付くかも・・、悪あがき行動に出ました。
地図01しかし乗車したTaxiは直ぐに通勤ラッシュに巻き込まれて、思い通りには進みません。幸運が続きましたがこれまでかと諦めました。南富山手前で決断して、電鉄駅下車となりました。

DSCN570103▲ 7:11 南富山電鉄不二越・上滝線市内線の乗換駅です。ちゃんと一列に整列しての乗車は中国での怒涛の乗車を見慣れているだけに新鮮でもあります。民度の高さは比べようもありません。日本人としての誇りを感じました。

こういった光景を目の当たりに見ますと次第に落ちついてきました。見学バスは有峰口駅近くを走って立山カルデラへと向かいます。昨年に来ていますので経路は分かっていました。
次の電車で行けば通過時刻前には着けます。ここでお送りでもしてから沿線撮影でもしようかと考えました。
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③ 南富山7:47(609)⇒8:12岩峅寺8:40(313)⇒8:53有峰口

8:00 南富山からの電車に乗って、ぼや~と車窓を見ていたら突然電話がなりました。クモハ73106さんからです。
「今どこにいますか。立山カルデラ博物館の担当者と話を付けました。電鉄富山8:02発の電車に乗って有峰口に向かってください。見学バスが近くを走ります。駅近くの小見の交差点でぶんしゅうさんを拾う事が出来ます。」と、思いもかけない内容です。

クモハ73106さんはどうしたらいいものだろうと担当者の方と粘り強く相談・交渉して、途中からの参加を認めさせておられました。
「今、電車に乗って有峰口へと向かっています。岩峅寺でその電車に乗り継げます。」と、返答しますと、「担当者から電話が来ます。指示に従ってください。」との事でした。直ぐに担当者から電話をいただき、待ち合わせ場所の確認をしました。
こうして、絶望の淵から救い出されました。クモハ73106さんと担当者の方に感謝、感謝です。

DSCN570805▲ 8:12 岩峅寺に到着です。一緒に降りるのは女子高生さん達です。付近に高校はないと思いますので立山線に乗換えて向かわれます。

DSCN571006▲ 8:12 岩峅寺まで乗車した不二越・上滝線の元京阪の3000系です。まばゆいほどの朝日に輝いていました。

DSCN571707▲ 8:15 寺田経由で電鉄富山に向かう電車が入線してきました。先ほどの女子高生も乗車です。朝の電車は通学ラッシュになりました。

DSCN572408_edited-1▲ 昨年と変わらずの1921年(大正10年)3月19日建築の2階建て木造駅舎です。屋根は神社風で趣があります。

DSCN573210DSCN572809▲ 澄み切った朝の陽ざしが差し込む待合室、立山へと向かわれる登山客が出発される駅でもあります。富山地鉄の社員ではなく下請けの派遣ですと申される駅員さんは、昨日は山には雪が降りましたよ、お気を付けて行ってらっしゃいと、お言葉を入れられます。都会の駅では考えられない丁重なお送り出しです。

DSCN573311DSCN5730_1▲ 3面4線の駅です。旧国鉄では駅長室のある駅舎側から1番線となっていますがここは2番線からと逆になっているのが面白いところです。
かつては上滝線が立山に乗り入れていました。3番線には通路にレール跡が残されています。4番線は時折乗り入れる臨時列車があるそうでまだつながっています。
逆に1番線は行き止まりでした。そのため上屋下の吊り下げ駅名板には、立山方向の表示はありません。2番線ホームのホーム埋め込み駅名板には表示があります。
駅員おじさんからの説明をいただきました。
DSCN573613DSCN574414▲ 8:39 立山あーとれいんが入線してきました。先ほどの登山客の皆さんが乗りこまれます。

DSCN576018▲ 車内は登山客で一杯です。この時期に黒四ダムから上がった事がありましたが、それは、それは紅葉真っ盛りで絶景が広がっていました。

DSCN575016DSCN574715▲ 運行表です。

DSCN575717▲ 岩峅寺からは真っ直ぐに立山へと駆け上がって行きます。昨年はこの辺りで撮り鉄でした。

DSC_800301▲ 8:50 千垣到着です。ホームにはお孫さん連れがお待ちです。
DSC_8004_1▲ 8:53 下車駅の有峰口に定刻到着しました。
1937年(昭和12年)10月1日開業のこの駅も木造のノスタルジックな木造駅舎で有名です。以前は小見駅でした。

この駅手前の橋が千垣鉄橋と呼ばれています。各電車が渡る姿は、富山地鉄を代表するパンフレットの表紙にもなっています。

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9:15 下車後は拾ってもらう小見交差点へと急ぎます。無事に見学バスが来て乗車が出来ました。
この後のレポートは昨年と同様です。詳細についてはちらをご覧ください。
日を改めての撮り鉄レポートはこちらです。ご覧ください。

DSC_8009_2DSC_8010_1▲ 10:46 前回と違っていたのは六九谷展望台から見る景色です。雪がありません。しかし、各所で山崩れが発生した痕跡は多く、案内人さんは毎年見ているので変貌はよく分かるとの事でした。

DSC_8041▲ 13:25 ぐるっと回ってトロッコ鉄道の山頂駅水谷(標高1,116m)に着きました。
ここから18.0キロのトロッコ乗車が始まります。約1時間少々、列車が発車するまで待機です。

DSC_8049_1▲ 14:16 午後1番の列車でしょうか、上がってきました。

DSC_808402▲ 工事作業員は乗っていません。その代りに冷蔵庫でしょうか、水谷で作業期間に住み込む労働者のための生鮮野菜等を運搬してきます。前年と同じパターンです。今日は一輪車のおばさんたちは来ていません。手で運べる程度の荷物を持っておばさん一人が宿泊所に向かわれました。

DSC_808804▲ 昨年は気づきませんでしたが、機関車も客車も「建設機械」となっています。国鉄は解体されましたので、工事用とは言え唯一残る国鉄なのですかね。

DSC_810105▲ こちらはレールカーです。毎日走行する路線安全を確かめるために先行走行するパトロールカーでもあります。

DSC_810406▲ 保線作業中ののぼり旗を持って作業員さんが引き上げてきました。作業は終わったようです。

DSC_810707_1▲ 14:25 午後の2番列車が上がってきました。ディーゼル機関車やレールカーにはそれぞれ違ったヘッドマークが付いてあります。唯一のおしゃれです。

DSC_811808▲ 14:28 ヤードへとスイッチバックして向かいます。サイドビューを1カットです。ここでは途中で降りての撮影は認められていません。列車を撮影できるのはここだけ、但し線路内には入れません。

DSC_813109▲ 14:29 直ぐにヤードから我々が乗車する「体験学習会」列車が出てきました。

DSC_814210▲ 14:31 スイッチバックを繰り返してホームに到着、乗車が始まります。

DSC_8149_1▲ 標高差640m、最大83.3‰、平均35.6‰の急勾配を連続18段を含む計38段のスイッチバックで下りて行きます。約1時間半のトロッコ乗り鉄旅です。昼過ぎには青空がなくなった空は雲が下りてきて今にも雨が落ちてきそうな天気です。

DSC_815011▲ かつてはオーバーハングと言われる岩肌がせり出したところも走っていましたが、今はトンネルが各所にできたので走る事はありません。

16:10 あっという間にトロッコ乗車は終わりました。立山カルデラ砂防工事はいつ完了できるか分からない作業です。その間トロッコ鉄道は存在すると思われます。また来る機会もあろうかと思いますが、どんな変貌を遂げているでしょうか。

④ 岩峅寺17:00(富山地鉄)⇒17:32電鉄富山
⑤ 富山17:56(サンダーバード42号)⇒20:54京都21:01⇒21:12長岡京

ご一緒させていただいたクモハ73106さんとT崎さんとは岩峅寺駅まで送っていただき帰路となりました。お二人は東京まで車で帰られます。この間は市振から約4時間と言っておられたので、約5時間はかかるでしょうね。昨夜も深夜走られてのとんぼ返りです。タフでないとできません。私には絶対に無理です。
私はサンダーバードで京都まで一直線ですが、それでも自宅までは約4時間20分かかります。立山はやはり遠いです。来年3月には北陸新幹線開業で大幅な時刻改正が待っています。何度か参りたいと思っていますが、予定が詰まりだしました。

2014年 立山砂防軌道(国土交通省立山砂防工事専用軌道 ) 2年連続2回目の訪問」への2件のフィードバック

  1. ぶんしゅう氏の行動力には驚嘆しております。いくら日頃の時間配分にゆとりある生活が出来るようになったとしても、クローバー会会員で好きな方向に飛び回っているのは貴兄が最初で後に続く人は現れないと思います。これには吉谷のオッサンも脱帽でしょう。
    今回の富地鉄各駅停車?、も懐かしいですね。50年前と変わったところは車両だけでしょう。と言っても京阪3000系が貰われていってから20年以上経過します。京阪本線で特急として走っていた期間よりソロソロ雪国生活のほうが長くなるのではないかと思います。代替車両が見付からないかもしれません。ソロソロ京阪8000系も引退の時期だと思われます。運転機器、走行装置もJR東の中古で経年期間が若いものが出ています。セットで売り込みする業者はいないものでしょうか。後継車は転換クロス18m級がころあいだと思いませんか、ぶんしゅうさん!

    • 乙訓の老人様。コメントをいただきまして、ありがとうございます。
      行動力なら同じ年齢、それ以上の方でも上手の方はたくさんおられます。私ごときは手抜きやスローな鉄旅が多く、熱心なファンの方々には及びません。ただ身体が動かせる間は悔いが出ないように続けていきたいなあと思っております。これからもよろしくお願い申し上げます。
      各地のローカル私鉄を訪問していますと、元京王や元東急の車両をよく見かけます。準特急さんたち京王卒業生からは系列の京王重機整備㈱が熱心に売り込みを図っていると申されます。18m車は車両制限の関係でローカル私鉄には都合が良いのでしょうね。
      京阪の8000系も引退の時期ですか!確かに電車の減価償却期間は13年ですので引退してもおかしくはないですが、見た目はバリバリの新車です。一畑辺りに持っていって出雲平野を走行するのも見てみたいと思います。ダブルデッカーは観光客の多い路線には最適です。問題はやはり売り手側に熱心なセールスマンがおられるかどうかですね。

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