2013年 続 秋の北陸路一人旅 Part3 紅葉の立山砂防軌道

第3日目 11月1日

02_立山駅6:30 標高476mの立山駅前の駐車場で寒い朝を迎えました。ここの駐車場は立山アルペンルートに向かわれる観光客のためにマイカーが置けるようになっていますので、広いスペースがとってあります。2週間前に来た時はまだまだだった紅葉もかなり色付いていました。

寒いので朝食は湯を沸かせて、カップラーメンにしました。食べていますと、レンタカーに乗ってKさんがやって来られました。
01_地図砂防軌道の列車は7:30頃に作業現場へと相次いでの続行運行でここから登っていきます。
1番列車はパトロールカー(モーターカー)が線路状況確認のために発車して行きました。10分後の2番列車はDL+客車3両です。3番列車は2分後、DL+客車2両+貨車1両、4番列車は3分後、DL+貨車4両、5番列車は2分後、4番列車と同じ編成で行きました。
10数回も訪れておられるKさんは、昔は乗って行けやと声をかけてくださった時代もあった。至福の乗車だったと懐かしげに良き時代の話をしてくださいましたが今は、乗車はおろか線路ぎわを歩くことさえできません。

03上がった作業車は必ず戻ってきます。Kさんは経験上、午前中に一旦下りてくる列車もあると思われるので、正規に入れる対岸の道に行きましょうと、現場を離れました。
対岸と言ってもすぐにたどり着ける場所ではありません。一旦有峰口付近まで下りて、スキー場横からの離合困難な狭い脇道を行きます。慣れた者でないと通れる道ではありません。

鬱蒼とした杉林の中をしばらく行くと広場に出ました。クマに注意の標識が立ててあって、今にも「こんにちは、ご馳走をありがとう。」と言われそうな場所です。
Kさんは「1人で来たことがあるが、いつクマが出てくるのかと怖かった。撮影にも集中できなかった。今回ぶんしゅうさんをお誘いしたのは、2人だったら少しは恐怖感が和らぐだろうと思ったからです。」と申されていました。
今日は雑草刈取りの大中の植木バサミや笛も用意してきました。護身用にもなります。クマは本来、用心深い動物で人声がする場所は避けます。それでも出会いがしらに会ったりすると襲われることが多いので、近づけないようにできるだけ大きな声を出して、笛を吹きながら進むことにしました。
0405▲ 少し歩くと見晴らしの良い対岸の道に出ました。崖を削ったようなダートロードでいたるところで山崩れを起こして遮断されています。
Kさんは「昔はこうでもなかったのですよ。補修工事をする道ではないので、年を追うごとにひどくなってきたんですね。」と言いながら、崩れた場所を乗り越えていかれます。
私は一緒に山崩れにあうとお互いで助けあうことができないので、少し距離を置いてから後ろを追います。
時折石ころが上から転がり落ちてきます。ヘルメットを被っていて正解です。

今日の私たちの出で立ちです。
この服装ならここで働いておられる作業員の皆さんと違わないでしょう。作業服だけあってポケットも多いので鉄ちゃん撮影には都合が良さそうです。これからはこれにすることにしました。

06▲ 10:55 山道からは立山駅が見えました。真ん中の白い建物が砂防軌道の車庫で1番目のスイッチバックをして右側の山裾を上がってきます。以前はここから列車が見えたそうですが近年、トンネルが開通して走らなくなったそうです。
0710:57 砂防ダムが見える場所に出ました。うっすらではありますが立山連峰も見ることができました。辺りは紅葉の秋へと入ってきています。

0811:03 砂防ダムの後方に最初に行ったパトロールカーが下りてきました。09▲ 11:06 橋を渡りトンネルを抜けて紅葉の中に入っていきます。まさに絶景が広がっています。日本にも610㎜ナローのこんな鉄道が走っている光景を撮れる場所があったとは・・・。もっと早くに来ていたかったですね。
09_111:13には復路列車の2番目のDL+貨車4両編成が下りてきました。
貨車には木材が積んでありました。
この辺りでは、作業が行われていますので、作業監視員が出てきて笛を吹いて注意を促していました。

10▲ 11:15 続行で紅葉の林から姿を現したのは、復路3番目のDL+客車3両編成です。
こうやって見てみますとパトロールカーが先陣を務めて安全確認ができると、5~8分後に作業列車が走り、2~3分後に続行列車が来るようです。09_2午前中の復路はこれで終了です。2本が残っていますが、午後に下りるようです。我々もこの間を利用して一旦下に下りて昼食としました。

12:00 午後の列車は早いようですので、Kさんが前回宿泊された1番近いグランドサンピア立山のレストランに立ち寄る事にしました。
注文したのはお昼のサービスそば定食です。

11▲ 12:56 再び俯瞰できる山道に戻りましたが、最初に来たのはDL+客車3両編成です。パトロールカーはもう行ってしまったのでしょうか。

12▲ 14:20 紅葉の林の中、パトロールカーが下りてきました。やはり我々が撮った作業列車より先に先導して行ったようです。ぐるっと回って鉄橋を渡って下に戻ります。
1314パトロールカーが行ったので続いてくるかと待ちましたが、その後しばらくは動きがありませんでした。
▼ 15:40 急にDL+客車2両+貨車1両編成が姿を現しました。真ん中に見える岩肌の所は、木が生い茂っていて見えにくいですが、この砂防鉄道で唯一残っています素掘りのトンネルです。
1516▲ 15:41 ハイライトの紅葉の林を抜けてきます。
171819▲ 同じ列車ですが、場所を変えて撮影しています。その度にダッシュであらかじめ決めておいたポイントに移動します。

そして次の撮影に備えて走ろうとしますと、突然に黒い影が山から下りてきました。一瞬緊張が走りましたが、見れば鹿さんです。笛を鳴らしてもじっとして「あんた何をしに来たのか」と振り返ってこちらを見ています。
さすが近づくと崖を下りて去っていきましたが、結構大きかったですね。

20▲ 16:03 今回は続行とは行かずしばらく時間をおいてから、DL+客車3両編成が下りてきました。
もう1本が残っているはずと待ちましたが、下に見える車庫のシャッターが閉まっていきます。ここでは、列車が入庫するとシャッターを閉めて、今日は終わりだそうです。Kさんは、昼飯を食べに行った時にでも下りて行った列車があったのかもと申され、これで引き上げることにしました。

今日は午前中から午後少しまでは晴天が続き、絶好の撮影日和でしたが、夕方近くには曇ってきました。しかし、これだけ撮れたら成果は十分です。今回は都合でお見せしていないもっと素晴らしい写真もあります。機会があれば、場を改めましてお見せしたいと思っております。

立山砂防鉄道の運行は11月8日頃に終了されるそうです。その後は厳冬豪雪に備えて1部の鉄橋の取り外しが行われ、来春の雪解けを待つそうです。次は新緑の時に訪れてみたいものですね。Kさんのおかげで良き日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。次は、中国青海省にある「チャカ塩湖」に走る塩田のナローを撮りに訪れてみたいとのお誘いを受けました。まだ鉄ちゃんが訪問したことのない聖地だそうです。楽しみにしました。
2116:40 立山駅駐車場で帰宅されるKさんとお別れしました。

私は、この辺りの紅葉がそろそろ見ごろを迎えてきましたので、まだ富山地方鉄道を撮り続けます。
今日の宿営地は昨夜同様のこの場所です。
夕食は昼と同じくグランドサンピア立山のレストランに行って、温泉とセットでゆっくりとすることにしました。
Part4へ続く

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