2014~2015年 凍える大地への旅 Part14 中ロ朝国境見聞録その3 図們鉄路大橋

東亜日報2015年1月5日の記事によると、「脱営兵と見られる北朝鮮兵士(26)が、拳銃を盗んで中国との国境地帯の吉林省の村に侵入して強盗をはたらき、朝鮮族の住民4人を殺害した事件が起こった。犯人は、中国軍と警察の銃弾を受けて逮捕され、意識不明だという。北朝鮮は事件直後、国境部隊を再配備した。
中国の消息筋によると、犯人は昨年12月27日午後7時30分頃、拳銃を持って豆満江(トゥマンガン)沿岸の和龍市南坪鎮南坪村の朝鮮族住民ホさん(60)の家に侵入し、庭にいたホさんと台所にいたホさん妻を順に射殺した。さらに隣家のイさん(70)宅にも押し入り、拳銃でイさん夫妻の頭を殴って殺害した。チャさん(70)の家では、1人でいたチャさんを脅し、100人民元(約2,000円)を奪い、食事までして逃げた。また、漢族住民の家には入っただけで出てきたという。
中略)中国のメディアは、4人の自国民が北朝鮮兵士の銃弾で死亡した事件について一切報道していない。」

昨夕、この事件勃発によって我々は国境警備兵の検問に引っかかり、予定を大きく変更せざるを得なくなり、国境線の南下を諦めました。

DSC_1691_103▲ 12:45 南阳图们鉄路橋を眼下に見える新たに建設された展望台に戻っての俯瞰撮影です。昨日とは天気は一転し、遠くどこまでも良く見えますが、肝心の国際列車は、今日は運休でした。


第12日目 1月6日

8:30 今日は急ぐ必要もなくなったので朝食を食べてからのゆっくりの図們へ向けての出発です。ただ運転手は和龍の町は初めてのようでホテルを出てから図們へと行く道が分かっていません。最初は全く逆方向に行きました。どの方向に進んで良いかさえ分からず道を歩いている人に片っ端に聞きます。

困った事ですが元々このルートは我々が予定したルートではありませんでした。事件がなければこのTaxiに乗る事はなかったのですから仕方ありません。しかし、難しいルートでもないのでその内に何とかするだろうと任せました。
迷走に次ぐ迷走でやっと町を出て、60~90km/hで快調に走りだしました。郊外は北海道を思わせるような牧草地の丘陵地帯が広がっていました。
DSC_1666_1019:45 何とか龍井の町にたどり着き町を出ましたが、ここからが問題でした。ipadを広げてナビゲーションして現在位置と進路状況を見ますと、どうも向かう方角が違っています。昨日に走った国境沿いの道の三興三合方面に向かっています。オイオイ運転手さんこれでは道が違っていると申し上げて止まってもらいました。

01_地図_100途中から北方向の道[ピンク色)を行き、関山屯に行く道に変えればいいのですが、道を案内するのはこれも道を分かっていない姜小姐です。何とスマホでのルート案内で引き返します。こちらもipad任せなので絶対の自信がないので仕方ないと諦めましたが、龍井に戻ってからはスマホでは進路確認は難しく、こちらから右折・直進・左折と交差点毎に進路指示をする事になりました。
やはりこの地での移動は地元Taxiが1番です。国境線のような1本道だと他地方の運転手でも大丈夫ですが一旦場所が替わると無理でした。しかしこれで、ipadを使ってのナビゲーションは十二分に使える事が分かりました。

DSC_1671_102▲ 11:18 開山屯手前から国境沿いの道に入り北上、ようやく南陽図們鉄路橋が見えました。

11:26 図們手前の南踏切に行って今日の国際列車の運行を聞きますが、今日は多分運行しないだろうとのショッキングな踏切番さんの返事です。不確かですが確認のしようがありません。
これからどうしようかですが、昼になっていますので琿春から乗ったTaxiとのチャーター時間切れです。図們站前で降りる事にしました。
荷物は駅前超市に預けます。お店のおばさんに北朝鮮兵士による中国住民の殺人事件を知っているかを聞きますと、一昨日にTVニュースで知ったとの事です。事件は12月27日にありましたが中国の現地では1月4日と発生後8日間も経ってからの報道です。何かしらの意図が感じられました。

DSCN7629_105▲ 11:54 今日のお昼は見た目懐かしそうな、野菜入り卵とじ麺です。美味しくいただきました。

食後Taxiをひらって、もう1度踏切に行く事にしました。運転手さんから聞いてもらいますがやはり不確かな返事です。それではと、このTaxiの運転手は図們站に引き返して駅員に聞いてくれます。それでもハッキリしません。
DSCN7634_10705_図們のTaxi運転手の名刺▲ 12:22 次に運転手が聞きに行ったのは、国際列車の運行取扱所でした。ここなら確かです。 Google座標; 42.960594,129.836044
この運転手、どこで聞けば良いかをよく知っています。返答は「昨日までは毎日運行していたが、今日は運行しない。次は来週以降になる。」でした。
左が運転手の名刺です。赤枠が携帯番号、もし図們で国際列車を撮影される方がおられましたらこのTaxiをチャーターして運転手に聞いてもらうのが1番かなと思います。

DSC_1704_104▲ 12:45 国境の橋が見える展望公園からの俯瞰です。この天気で国際列車を撮影したいものです。南陽站構内では昨日動いていたDLが置かれて静止していました。

02_国際橋_100▲ 中国名「图们铁路大桥」展望台 Google座標; 42.946537,129.848129
鉄路橋は1933年9月1日、南陽~図們の鉄路開通時までに完成したと思われます。
2013年5月14日に撮影した北朝鮮の列車の写真と記事は、こちらに掲載しました。

15_三峰橋地図2① 展望台下13:13(路線Bus)⇒13:24図們站
② 図們站前BT14:38(高速Bus)⇒15:42琿春站前BT

13:13 南阳図們鉄路橋の撮影を切り上げて明日夜の夜行列車に乗る延吉へと向かう事にしました。
DSCN7646_10814:38 市内循環バスに乗って図們站前に戻りました。延吉までは列車(所要49分)もありますが、丁度良い時間に発車はなくBTから高速バスに乗車します。
バスは高速道路を約1時間で着きました。宿泊ホテルは駅横の4つ星ホテル欢乐官(200元=約3,000円)を選びました。
DSCN7696_17▲ ホテルの部屋から見た延吉站です。

DSCN7673_111 DSCN7672_110▲ 19:00 今夜は4日間通訳として同行してくださった姜小姐と3人での最後の晩餐です。予定では明日までの契約でしたが事件発生と国境橋に列車が走行しない以上、視察は終わりました。日本語1級を取得している姜小姐ですが、日本人と一緒に長い間話すのは初めてだったとか、ご苦労様でした。既に4年生で9月からは社会人となられ通訳を目指すそうです。頑張ってください、ありがとうございました。

明日は夜行列車で長春に参ります。ここで小竹先生とはお別れです。先生は高速鉄道で瀋陽に向かわれ帰国されます。一方の私は長春のトラム(路面電車)が延伸され、新車が導入されていますので、これの乗車と撮影、そして前回は試運転中だった軽軌新線の再訪問をします。
ホテルに戻ってからは三道嶺でOM氏が撮られ、いただきました炎の運炭列車の動画を小竹先生と一緒に見ながら今回の旅に思い出を語り明かしました。この動画、もう50回近くは見ています。  Part15に続く

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