やっぱり蒸機が好き! 《区名板》で巡る北海道の蒸機 ⑨

D52の往くところ② ~噴火湾に沿って~

「北海道にもデゴニがいる」。これを知ったのは、小学校6年の時に読んだ「鉄道ファン」の初期号の北海道特集でした。D52は東海道・山陽本線の専用機とばかり思っていたのに、当代一の鉄道写真家のHさんがとらえた「噴火湾に沿って」タイトルの雪にまみれたD52の写真は、小学生には衝撃的でした。

前記の大沼を出た函館本線は二手に分かれ、大沼公園回りの本来の函館本線と、勾配緩和のために戦時中に設けられた、海岸回りの砂原線回りとなり、森で再び合流し、噴火湾に沿って、長万部に向かいます。今回は、大沼~森~長万部のD52の活躍を見てもらいます。

勇壮な煙を上げて長万部を発車する  D52 414 (昭和46年3月)

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 やっぱり蒸機が好き!《区名板》で巡る北海道の蒸機 ⑧

D52の往くところ① ~駒ヶ岳を見て~

北海道に渡った蒸機の撮影者が、まず訪れるのは、やはり大沼付近でしょう。函館から一時間足らずで到着でき、すべての列車がボトルネックのようになって、函館に向かいますから、何でもありの夢のような区間でした。しかも優れた風景が続き、なかでも大沼から国道沿いを歩いてすぐ、函館本線を見下ろす小高い丘の上から、正面に駒ヶ岳、左手には小沼と、絵葉書のような光景が広がっていて、私もクローバー会会員と一緒に訪れたものでした。D52の走るところ、まずは大沼付近から。

春浅き小沼畔を行くD52の牽く下り貨物。これには後日譚があって、学鉄連の打ち合わせで交通科学館へ行って、図書室の西尾克三郎さんに、この写真を見せていたところへ、東京からマツケンさんが来られ、ちょうど編集中の豪華本「D52・D62・E10」にぜひ使いたいとなり、写真を差し上げた。後日、50年前の価格で4500円也の豪華本と写真料が送られて来た。一枚の写真で、おいしい目ができた、古き良き時代だった(昭和46年3月)。

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