北の大地へ2010年初夏編 Part5 根室本線、太平洋石炭販売輸送㈱臨港線

第6日目 2010年6月29日
朝起きると、「道の駅しほろ」の駐車場は、車で寝泊りしながら道内を観光する全国各地からの車が数多くありました。立派なキャンピングカーもあれば、小型車で簡単な窓隠しをしただけの車もあり様々です。その方々のご年齢層は、私達より高く70歳前後以上です。男性一人の方もおられれば、ご夫婦もおられます。どなたも約1ヶ月かそれ以上をかけて、ゆっくりと道内を見て回ると言っておられました。ようやく日本も、退職後の余暇を楽しむ方が増えだしたなあと感じました。
6:00、ゆっくりと朝食準備されている方々を見ながら、我々は早朝からの撮影に出発です。

6:50池田駅着。1番ホームに新得行きキハ40-1723、2番ホームには、浦幌行きキハ40-1774、芽室行きキハ40-722+キハ40-1778+キハ40-751が縦列で停車中。

▲ 7:31豊頃駅を通過して、池田方面に向かう特急「スーパーおおぞら2号」を73号線の高架橋から撮影しました。

7:50新吉野駅着。ここで、先行する2523D新吉野駅で追いつきました。

8:00浦幌駅着。帯広~浦幌の区間列車が走るだけに駅周辺は、住宅街です。きっと池田や帯広に通勤通学客があるのでしょう。


次の上厚内駅は、木造駅舎ですので、じっくり訪ねることにしました。国道側に駅舎はなく反対側です。行き過ぎてから踏切を渡ろうとすると、良い感じのカーブとなっています。丁度釧路からの特急「スーパーおおぞら4号」が通過する時刻です。振子式を撮るにはカーブが1番です。1つ邪魔なハエタタキがありましたが、まずまずでした。

8:26上厚内駅着。待合室にFRP製椅子が設置されていますが、ドアや窓もアルミ製ではなく、外観は純木造駅舎です。この後もぶんしゅう7号での各駅停車の旅は続きます。


上厚内
からの道路はJR線と分かれたので、直別駅まで行ってしまいましたが、手前で逆Ⅴ字形に折り返して、厚内駅へと海岸沿いをロケハンしながら向かいました。

丘陵が海岸近くまでせり出して、わずかな間に根室本線と側道が走っています。丘陵上から海岸線を入れて撮りたいのですが、土砂崩れ防止コンクリート壁が設置されているので、これが邪魔です。また電柱・太い電線もあります。邪魔物がなく丘陵が途切れる間を見つけては止まって、撮影可能か確認しますが、なかなか条件が揃った場所はありません。
それでも1ケ所、何とか撮れそうな場所が見つかりましたが、たどり着ける道がありません。こうなれば、2人で道を開拓するしかありません。庭バサミを取り出して、線路を横切り丘陵の多い雑草を刈り取りながら道を作り、滑りやすい斜面を上へと登って行きます。二人いたからこその作業です。一人ですと、途中で滑り落ちて動けなくなったら最後、誰にも見えず分らずで天国行きです。
約30分をかけての作業で適当な撮影地にたどり着きましたが、快晴でなく水平線が見えません。しかし雨が降らなかっただけでも良かったと、列車を待ちました。
10:14釧路行きの特急「スーパーおおぞら1号」が通過。

アングルに収めきれない通常より1両多いありがたくない8両編成です。

約30分後に貨物列車が追走してきます。音別~古瀬間に絶景ポイントがあるので移動しようと向かいました。途中の尺別駅は、かつて尺別鉄道の起点駅なので立ち寄ってみました。約40年前は数千人が居住していた駅周辺は、廃屋が数軒あるのみで、跡は自然へと戻っていました。駅構内もC12形機が往来したヤードの面影は、全くありませんでした。

絶景ポイントに到着しましたが、手前の音別駅で交換のため約40分間停車するのを忘れていました。急いで引き返しましたが、貨物列車が来てしまいました。ベテラン二人がいても、疲れていると考えられないミスをしてしまいます。

11:04音別駅着。駅員の方が、丁寧に交換する列車と時刻を教えてくださりました。ありがとうございます。
音別駅で2093コンテナ貨物列車は、入換作業をします。久しぶりに途中駅での作業を見ました。約半分のコンテナ車を切り離して、留置貨物線に牽引します。音別駅近くには、Kioskで販売されるオロナミンCの製造工場があって、この輸送のための停車だったようです。



入換光景を撮影後、音別~古瀬間の丘陵地帯へと戻り、まず釧路行きの特急「スーパーおおぞら8号」を待ち受けます。次に音別駅で交換した2093貨物列車を待ちました。
12:05キハ40系2連の2525Dを撮影後は霧がたちこめてきて、撮影不可能となりました。


自然には勝てません。撮影は諦めて釧路へと走り釧路運輸車両所に立ち寄りますと、国鉄色キハ183系4両編成が留置されていました。これには、総本家さん大喜び、他に休車等の留置車両多しで予定を変えて撮影会としました。



今回の訪問希望地の1つだった太平洋石炭販売輸送㈱臨港線には、14:40着。事務所によってダイヤを聞くと、残念ながら今日の運行は終わっていました。運行は、当日の採炭量によって決まるとかで、石炭輸送専用ですので炭鉱トロッコと同様扱いです。撮影許可を取って、構内のDL・石炭車を撮りましたが、総本家さんGE製DE601の美形にうっとりです。私は、初めて見る連接式の石炭車セキ6000形にびっくりです。走っているシーンが撮りたかったですが、次回にしました。


▲ 他にも珍しいロッド駆動式のD401機等の凸形機がありました。D701機を除いての現役機のラジエーターファンの上に屋根が付いていますが、なぜでしょうか?

今日の宿営地は道の駅「厚岸グルメパーク」です。ここからは、約50kmで楽勝と思っていたら、途中でナビにない新しい道を走ってしまい迷走です。結局、元来た道に戻らざるをえなくなって、大幅に遅れ16:15門静駅に到着しました。ホームの先から海が見えました。少し戻って、山間のオーバークロスで撮ろうとの提案がありましたが、先を見てから決めようと向かいましたら大正解でした。海岸沿いに広がる厚岸の町並みをバックに線路があります。小高い丘をまた二人三脚で道を開拓して、見渡せる撮影場所を造りました。

私が最も好きな光景です。16:32釧路行き5638D17:14室行きの5637Dの2本撮った後は、順光で夕陽もさしてきました。本命の17:325640D撮影を楽しみにしていましたら、直前に突然ご覧のような雲が下りてきました。

宿営地は道の駅「厚岸グルメパーク」には温泉がないので、電話をして近場の温泉を聞きましたが、1時間以上行かないとないそうです。代わりに厚岸には1軒しかないという銭湯を紹介してもらいました。十勝沖地震以前は町内に4軒あったそうですが、ここを残すのみだそうです。中は番台におばちゃまが座って、常連の入浴客と話している昔の銭湯光景で、レトロなお湯を楽しめました。

夕食は勿論、厚岸の牡蠣料理を「厚岸グルメパーク」内で堪能しました。ワールドカップの決勝トーナメントパラグアイ戦の放映がありましたので、車内観戦できるように準備万端しましたが、高台なのに地デジもワンセグも映りません。帰宅間際の道に駅の事務員さんに聞きましたら、この位置ならアナログは入ると言われ、秘密の場所を教えてもらい移動しましたが、放映直前に眠気がおそってきて諦めました。
 Part6 へ続く