(2022年9月20日8:37 修正)
「駅名」にまつわる小話でほっと一息つける場所、それが「駅名喫茶店」です。前回、駅名にまつわる投稿をしたところ、興味を持ってくださった諸先輩方がたくさんいらっしゃいましたので、めげずに適宜投稿していこうと思います。さて、今回は〇〇市(〇〇し)についての些細なお話です。
和歌山市は南海本線の終着駅ですが、JR線(紀勢本線)も乗り入れています。
ふと思いました。〇〇市(〇〇し)という駅名は私鉄に多いと聞くが、実際のところどうなのか。
そこで、自作のデータベースにより調べた結果、
JR全14駅:出雲市、伊勢市、伊那市、伊予市、大田市、熊野市、土岐市、堺市、長門市、西脇市、日向市、山梨市、龍ケ崎市、和歌山市
私鉄(JR以外)全33駅(重複を除くと全31駅):足利市、伊勢市、茨木市、入間市、上野市、大阪狭山市、交野市、門真市(京阪)、門真市(大阪モノレール)、刈谷市、川越市、行田市、倉敷市、高田市、高槻市、都留市、電鉄出雲市、豊田市、佐野市、狭山市、鈴鹿市、摂津市、瀬戸市、寝屋川市、野田市、東大和市、枚方市、松山市、美濃市、守口市、和歌山市、和光市(東武)、和光市(東京メトロ)
でした。そんなに大差はないように思いますが、関西私鉄に〇〇市とつく駅名が比較的多いことが、「〇〇市は私鉄の駅!」という印象を与えているのでしょうか。
余談ですが、南海の南海本線には堺が、JRの阪和線には堺市が、南海の高野線には堺東という駅名があります。もっとも、阪和線は元私鉄なので、その名残が「堺市」という駅名にあるのでしょう。→「堺市」は国鉄阪和線の時に「金岡」から改称された駅名であるため、私鉄(阪和電鉄)とは無関係のようです。訂正します。駅名の変遷については、紫の1863様のコメントをご参照ください。
またのお越しをお待ちしております。
えーと、市町村名の「市」が付く駅ですよね?
私市(京阪)とか近鉄四日市(近鉄)は論外ですよね?
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東大和市(拝島線/西武)と、八幡市(京阪)を追加ください。
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東大和市(東京都)は、かつて私が住んでいた市です。
「神奈川県ですか?」と聞かれるのがデフォルトでした。(苦笑)
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八幡市で思い出すのは、ある時「わらじや」さんがBOXから飛び出してきました。顔は真っ赤で目が血走っています。
BOX内で他の部員に状況を聞いた所
1.阪急と京阪で駅名しりとり合戦をした
2.「わらじや」さんが男山ケーブルの駅名を言った
3.小太りな先輩を始めとする阪急勢が「阪急に無い索道の駅名を使うのは卑怯」
と言ったとか、言わないとか、、、
後日、準特急先輩が「妙見山のケーブルは傘下やけどな」とシャアシャアと言ってました。
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なお廃止された駅では、十和田市(十和田観光)、平田市(一畑電鉄)でしょうか。
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そして市町村名では無いのですが、学園都市(西神線/神戸市交)、緑園都市(相模鉄道)、林間田園都市(南海)を『都市』を標榜する駅として纏めては?(大笑い)
追記
八幡市駅は、2019年10月に石清水八幡宮駅に改称されていました。
情報を更新しておらず、失礼しました。
やま様
ご指摘ありがとうございます。データベースには記載しておりましたが、拾い忘れておりました。大変失礼いたしました。東大和市、追加いたしました。
おっしゃる通り、市町村名の「市」が付く駅ですので、私市(京阪)や近鉄四日市(近鉄)は除外しています。
今度は都市シリーズ、いきましょうか。そんなに数はないと思いますが(笑)
これは市が着かない方が官鉄〜国鉄系で、市が着く方が遅れて並行区間を開業し走る民鉄(私鉄)と基本思い、特例は駅名変更で出雲今市から出雲市になったように市制施行強調型が存するように思えます。
阪和線が堺市で南海本線が堺、これは省線でなく私鉄線の阪和電鉄だった名残り。ところが和歌山は南海が和歌山市で、阪和・紀勢本線が和歌山と地位が逆転。これは本来東和歌山駅を改名する前は、紀和が和歌山駅で古い始発駅だった関係だと思います。
探せば例外はいくらでもあるでしょうが、なんか理由がある?と考える瞬間に、歴史経緯の興味が湧くのが面白いヒントのように感じます。
K.H.生様
そうなんです。「駅名のなぜ?」は歴史の勉強になるのです。もっとも、「鉄道のなぜ?」は歴史そのものですよね。標準軌・狭軌も然りです。
またのご来店をお待ちしております。
奈良の駅名研究家様、初めまして。1980年度の四方です。
阪和線の堺市駅は、元は金岡駅で1965年(?)の「あすか」運転時に名称変更されたものだったかと。金岡の名称は現在でも踏切の名称で生きていると思います。従って、阪和電鉄とは無関係かと思います。
ちゃんと調べず、記憶だけで書きましたので、間違っているかもです。
四方誠様
コメントをいただき、誠にありがとうございます。
私の方でも確認しましたが、確かにその通りのようです。国鉄の阪和線時代に、金岡から堺市に改称されたようですね。
既にその頃には、南海に堺、堺東があったので、堺市としたのでしょうか。
投稿も加筆修正しておきます。ありがとうございました。
駅名の変遷は面白いテーマですね。私も参加させて下さい。
JR阪和線の堺市駅は、今尾恵介さんの「消えた駅名」によると、開業以来4度の改称を経て現駅名になったようです。
1932(昭和7)年2月2日 堺市として開業
1932(昭和7)年 月日不明 阪和堺に改称
1940(昭和15)年12月1日 堺金岡に改称
1944(昭和19)年5月1日 金岡に改称
1965(昭和40)年3月1日 堺市に改称
金岡から堺市への改称の理由として、著者は「新特急”あすか”が停車するにあたってわかりやすく、という配慮だったようだ」と書いております。
近くには南海本線「堺」と、南海高野線「堺東」もありますが、早く開業した路線から「堺」「堺東」「堺市」となったようです。一番早いのは現在南海本線の前身となる阪堺鉄道の路線延伸時で、1888(明治21)年5月15日に吾妻橋として開業し、後に「堺」に改称されます。
次は「堺東」ですが、1898(明治31)年10月1日に開業した、高野鉄道の大小路駅がルーツです。1900(明治33)年9月に「堺」へ、そして同月中に「堺東」へと改称されます。すでに南海に同じ「堺」があったので、東に位置することから「堺東」となったのでしょうね。
現阪和線になる阪和電鉄の開業は最も遅く、1930(昭和5)年です。しかも「堺市」は開業時からの駅ではなく、2年後に新設されています。それにしても、開業時の駅名が紆余曲折を経て、現在の駅名になっているのも興味深いものです。
紫の1863様
情報ありがとうございます。
金岡から堺市への改称時は、国鉄阪和線でしたが、堺市という駅名のルーツは私鉄の阪和電鉄だったのですね。
駅名ってやはり面白いですね。
通りすがりの部外者ですが、今回は関心を持っているテーマでしたので、「駅名喫茶店」に立ち寄らせていただきました。いつも興味を持って閲覧させていただいています。
国鉄から継承したJRの全14駅ですが、どちらかといえば南海電気鉄道の駅といえる和歌山市を除き、他の13駅はすべて開業時の駅名から改称されていて、改称された経緯も駅それぞれに物語があるようです。面白いことに改称された後も駅前の地名・建物名や交差点の信号名、踏切名に旧名が残っています。
出雲今市→出雲市、山田→伊勢市、伊那町→伊那市、南郡中→伊予市、石見大田→大田市、紀伊木本→熊野市、土岐津→土岐市、堺市→阪和堺→(南海鉄道と合併後)堺金岡→(戦時買収で国有化により)金岡→(特急あすかの停車に伴い)堺市、正明市→長門市、野村→西脇市、富高→日向市、日下部→山梨市、佐貫→龍ケ崎市、
2020年3月14日最後に改称されたのが「龍ケ崎市」ですが、『ケ』は大文字です。
快速つくばね様
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。龍ケ崎市、早速訂正いたしました。興味深いのは、関東鉄道は「竜ヶ崎」と記すところですね。
今でも残る旧駅名を捜すのも面白そうです。新たな楽しみが増えました。
奈良の駅名研究家様
龍ケ崎市の正式表記は、1954年に自治体ができたときに官報に載った「龍ケ崎市」(旧漢字の「龍」、大きいカタカナの「ケ」)となっています。龍ケ崎市駅は駅名改称に関わる経費を市が全額負担したため、駅名として採用されました。
ところが茨城県には公文書には常用漢字を使うという文書管理規程があるため、県の施設名を「竜」で統一し「竜ヶ崎」としています。そのため市内の小中学校は、『龍ケ崎市立』ですが、高校になると茨城県立『竜ヶ崎第一高等学校』等となります。市内の官民の施設も『ケ』の大小を含めて市名が混在しており、国の出先機関である税務署は『竜ケ崎税務署』と表記しています。
同じような問題が東北本線の塩釜駅と塩竈市、片町線の四条畷駅と四條畷市の間にもあるようです。
快速つくばね様
興味深い情報です、ありがとうございます。県と市で表記が違い、それが駅名の表記に繋がったということ、納得しました。
これだから駅名は面白いですね。