京王6000系は京王初の20メートル車、ワンハンドル車、そして最後の鋼製車として1972年から1991年にかけて304両つくられた。5扉車は6000系としては最終新製となる1991年に5両編成4本(6000の21から24の4編成)計20両が製造され、今となっては異端車である。使用目的や運用などは概ね関先生の説明のとおりであるので私からは現役時代の姿を数枚紹介するが本来の目的の通勤時対策として10両編成の中間に使用された写真は撮っておらず邪魔者扱いされた晩年の姿であることをお許し願いたい。
<相模原線内各停用に6両化された6021の編成>
2006.3.21 若葉台~稲城間を行く各停調布行き6721 ▼
2006.8.6 南大沢駅進入の各停橋本行き先頭6771 ▼
<4両に短縮された6022の編成>
2011.2.2 多摩動物公園~高幡不動専用の高幡不動行き 最後の運用の頃の姿でこの22編成のクハである6722と6772は運転室側を残した形で京王れーるランドに保存され模擬運転などに使用されている。
<5扉→4扉に改造された姿>
24と25の5+5の10両編成による特急京王八王子行き6774 2008.11.25 中河原~聖蹟桜ヶ丘間の多摩川橋梁上 ▼
<京阪電車の5扉車(参考)>
2014.9.11 今でも現役の5扉車 千林付近を行く準急樟葉行き5553 ▼
準特急さん、ありがとうございます。
私はご存じの通り、電車は全く無知の限りを尽くしています。
ですから諸兄のご教示を拝読して感心するばかりです。
この電車も見たこともなく面識はありませんが、5扉車というものが案外と存在していたことに驚いております。
それでも使いにくさからか、ホームドアが整備されているためか急速に淘汰されるのでしょうね。
京阪5000系は寝屋川市駅での発着時分維持を目的に開発された。理由は特急が後ろを追ってくるのである。京阪にとって特急はシンボル列車である。寝屋川市駅を前にして「先行列車・・・」のお断りは会社の恥となる。従って香里園以南では大和田までの運転時分は特急を生かすか殺すかのの問題になるのである。そのために香里園~大和田間を走る列車は重大な使命を帯びているのである。それが迅速な乗降可能な5000系開発の目的となった。
京王帝都は何を取材しての帰京となったのかは分からないが、京阪ほどの危機感帯びてのものではなかったのではないか。近々全線10連ホーム完成と、うまい条件が迫っていたので真剣みにかけていたのではなかろうか?。
メトロ日比谷線が20メートル車に取り替えると言う話だ。全車4扉車となり、一部編成の数両が東西線並みに広幅車混入となるのかな?
6000系5扉車導入に際し、若干の関わりをもっていましたので、記憶を頼りに記させていただきたいと思います。京王線は当時朝間ラッシュ時1時間当たり30列車と謳っており、30列車を確保するための最大のネックは全列車停車の明大前における停車時間でした。さらに、線路構造上、同駅到着の上り列車に対して下り勾配のために減速度が悪くなるという面もありました。(ただ、場内停止で再起動したときの加速度は良くなりますが)。
同駅における停車時間は、実測平均で優等54秒、普通43秒であり、この数値だと2分ヘッドは無理であり、ラッシュ中盤以降は遅延が慢性化していました。停車時間短縮の方策として、八王子方(終点方)に階段の増設、ホーム中央部拡幅等を行いお客様の動線を良くして乗降を分散したほか、試みに、この5扉車を導入したものであります。(ただ、こういったお客様の乗降を分散するという手法は、今まではお客様が集中して一斉に降車されていたものが、分散したが故に一つの扉から降車されるお客様が減少し、満員の車内から降車するために降車しないお客様をかき分けなければならず、結果、停車時間短縮に余り寄与しないというケースもあります)
6000系5扉車は、同駅の階段位置に合わせ、新宿方から2連+5連(5扉)+3連の10連で運用し、結果、5扉車は4扉だったときと比べて5秒程度の短縮効果が見られました。(一方、八王子方の3連4扉車の乗降時間は5扉車を避けて乗車された方が多く2~3秒長くなりましたが、もともと乗降時間が27~30秒程度でしたので停車時間には影響を与えず問題なし)
しかし、混雑する新宿方から2両目・3両目間に運転台があったので、若干のマイナス面もありました。
朝間ラッシュ時の優等列車に4本投入し、5秒×4本=20秒の短縮効果を確認出来ましたが、その後お客様の数に伸びが見られず、また、使いにくさとも相まって4本のみの導入で終了し、短命に終わったのは準特急様が記載された通りです。(当時は、遅延防止だけでなく、さらに増発という考えもあり、それが実現した場合には5扉車の運命も変わっていたと思います)
こういった背景がありましたので、関さんの「思いつくまま」という表現には極めて抵抗感があります。決して「思いつき」ではありません。思いつきで20億円以上の投資をする会社ではありません。
皆様
有難うございました。