保存蒸機D51777は保存機の中では良好な状態であり光線具合もまあまあであったがそれだけではだめで残念賞であった。同じ刈谷市の公園内の名古屋市電に話題が移ってしまった感がある。これはたまたまその保存市電名古屋市1600型と同型の下之一色線の姿を載せたところ京都市の伏見線と対比されたりして興味を持たれたこともあるようだ。私などは伏見線など沿線の歴史に興味ある路線も京阪の中書島に急カーブして出入りする姿を見ただけでその後総本家さんの秀作を見て「しもた!撮っといたらよかった」と悔やんでいる次第である。
紫の1863さんに教えていただいた津島軽便堂写真館というのを拝見したが、その当時高校生であった方が何とカラーで沿線を紹介されておられる。私も訪問した下之一色車庫あたりを改めて白黒で発表してみた。いずれも1968年11月8日の撮影である。同線は下之一色電車軌道として1912(大正元)年に設立され翌年尾頭橋ー下之一色間を開業。1937(昭和12)年名古屋市に買収された。廃止は1966(昭和44)年2月である。場所は名古屋市中川区にある。
全線6.5Kmの単線であり、途中この様に列車交換を行っている。▼
下之一色車庫にはこのような車両がいたが詳細は不明である。▼
車庫をひとまわりすると橋のたもとにいた犬はねむそうに「おみゃーさん、何しに来たんだ」という顔をする。後方が車庫であるが廃止が近いのか荒れ放題という印象だ。▼
車庫の後はいつもの撮影で隣の法花(ほっけ)まで歩く。晩秋のたたずまいである。尾頭橋行き1660▼
電柱に特色があるが、阪急千里線にもこのような折れ曲がったようなのがあった。下之一色行き1444▼
京都の伏見線界隈は幕末の歴史舞台になった所が多いが、下之一色線の停留所にも荒子というのがあり豊臣五大老の一人で加賀百万石の祖と称される前田利家はこのあたりの生まれである。
準特急様
D51 777にコメントできなくて申し訳ありません。
下之一色線の沿線は半世紀前とはいえ、とても名古屋市とは思えないのどかな風景が広がっていたのですね。
下之一色車庫で撮影された電動貨車ですが、台車から推測して古い木造単車を改造したものと直感しました。作業用の足場といった方がピッタリな屋根に、運転台後ろに見える集電装置のやぐら、ポールが付いていたのでしょうか。小生はこんな怪しげな車両が大好きです。しかし、名古屋市電に関する資料を持ち合わせておらず、ネットから情報を集めてみました。
1926(大正15)年に交通局で明治期の木造単車をタネ車に2両が改造され、FSA形貨車と呼ばれていたようです。写真の2は下之一色線で架線修理や薬剤散布に使用され、1969年2月の廃線と共に廃車になりました。廃車後は名古屋市電展示場、1979年からは東山動植物園に展示されておりましたが、老朽化のために1995年に解体されました。しかし、車体の一部分(前面窓下部分)だけですが、レトロ電車館で見ることができるようです。
稲刈りを終えた田んぼの稲架掛、上が開いた架線柱の林立する線路、犬がのんびり寝そべる木製の橋の欄干など、今では見ることができなくなった風景を楽しませていただきました。ありがとうございます。
紫の1863様
こういうコメント嬉しいですね。紫の1863さんはゲテモノ好き(大変失礼な言い方で恐縮ですが、当会にも大勢いますし私もその気があります)であり、怪しい単車の詳しい経歴などもよく調べていただき有難うございました。その一方で昭和の風景などにも関心をお持ちで私のようなこもりがちな老人も心が癒される思いです。単車ですが、架線の補修などで両サイドに道路が少なくて車が入れない下之一色線などに重用されたのでしょう。
鉄道趣味者は急増しておりますが、写真、模型、車両、旅行、廃線跡の探索、古い駅舎、ダイヤ、技術的なことなど様々でそれもJR(国鉄)、大小私鉄、地元、海外等々いろいろあるようで探せばいくらでもジャンルがあるようです。コメントしやすい、し難いは当然あると思います。保存車輛も検索するとゴロゴロ出てきますが、その現役時代になりますと老人の特権でしょうか若い人には難しいので不肖私はデジ青で始めました。その老人ですが当会では「やっぱ蒸機が好きやねん」とか「垂れ流し客車」とか「いわくつきのおんぼろ客車」とかうるさい会員が多いのも楽しいことです。これからも気がついたことがあればどんどん乱入してください。有難うございました。
準特急さま
下之一色線の写真は、たしかBOXにおいてあった「路面電車アルバム」で、準特急さんの写真を見た覚えがあります。市電という乗り物は、人が住んでいるところを走ってナンボの乗り物なのに、人家のない、田んぼだけのところを走る市電に、強い関心を抱きました。ただ、私は名古屋市電には縁が無く、わずかに名古屋駅前で2、3枚撮っただけです。50年前のBOXの感動が蘇りました。ありがとうございます。