駅を旅する 〈16〉

大分

大分は行くたびに工事をしている印象がある。初めて行った昭和42年は、新田原までだった日豊本線の電化が、幸崎に向けての延伸工事中で、構内は工事で錯綜していた。最近行った時も、今度は駅の高架工事中だった。

大分IMG_0007sy架線の張られた大分駅を発車する、大分発西鹿児島行き2523レ、C57196〔大〕+客車9両、以前の“デジ青”にも紹介されていたC57四次型の1両で、大分区には5両の四次型がいた。右は入換の8620(昭和42年)。

大分IMG_0003sy初訪問の半年前に開催された大分国体で、県下にお召列車が走った。豊肥本線・久大本線ではC58重連が牽引し、大分区に在籍していた5両のC58全機がお召機に指定される大盤振る舞いとなった。このC58112〔大〕は予備機で、お召を牽くことはなかったが、十分にその面影があった(以下すべて昭和42年)。

大分IMG_0005sy大分駅に入る南延岡発門司港行き1534レ、C57176〔大〕牽引。日豊本線の電化は、訪れた昭和42年の前年に初めて新田原までの電化が完成するという、鹿児島本線に比べて、進捗は遅かったが、この年の10月には幸崎まで電化し、大分にも特急電車が乗り入れた。

大分IMG_0077syデフが異様に高いC58124〔大〕、高松機関区から転属したばかりだった。大分区のC58は、豊肥本線の貨物用と、朝夕に残っていた大分~豊後竹田間の客車列車の牽引用だった。

大分IMG_0009sy大分区のラウンドハウスはコンクリート造りの立派なものだった。顔は外側に向けているため、外側の扉の切れ目から狙ったD602〔大〕、D60現存機の中の最若ナンバー。

大分IMG_0008sy大分区の蒸機は、正確には大分機関区ではなく、気動車、客車とともに、大分運転所の所属になっていた。運転所所属の蒸機は全国的に見ても珍しい。写真は、給炭線で待機するD6061〔大〕、調子のいいカマなのか、しょちゅう見かけた記憶がある。sy101014 (458) sy101014 (449)久しぶりに訪れた大分駅は高架の工事中だった(平成22年)。久大本線・豊肥本線の高架は完成していたが、日豊本線は地上のままで、複雑な通路が続いていた。高架は昨年に完成し、現在は写真の駅舎を解体し、新しい駅ビルが建設中と言う。

 

駅を旅する 〈16〉」への5件のフィードバック

  1. 青信号特派員様、
    いつも思うことですが、よくこれほど撮っておられたことにはほとほと感じ入ります!
    どれも時代の駅を思い出させるに十分な写真です。
    駅の構内の騒音や煙の匂い、客車の床の油の匂いなどが脳裏によみがえってくるのが不思議です。
    これからも懐かしい写真を楽しみにしています。

  2. そうなんですよ。特派員さんはよく列車到着や駅内外の写真を記録されており、単なる列車走行写真中心の私のような凡人と違いますね。今はどこの駅でも建て直されているものが殆んどですがそういう新しい駅舎はあまり撮る気がしません。台湾では日本時代の駅舎が人気ですが、そういう意味では国鉄時代の昔の駅舎は貴重でありよく記録されたものといつも感心しております。

  3. 東西を代表する巨匠からのコメント連投、ありがとうございます。
    米手さんのおっしゃっている“匂い”(臭い?)のある写真、いいですね。きれいな色の付いている今の写真には、それがありません。どんどん想像が広がっていくモノクロの醍醐味だと思います。準特急さんのおっしゃっている駅内外の記録は、たまたま撮っていただけの話で、当時は、とくに意識したことはありませんでした。車輌以外の記録の重要性を気づかせてくれたのは、デジ青のお蔭と思っています。組写真で載せる場合、そこに、駅であれ、乗客であれ、流れに変化をつける写真が必要と痛感しました。
    ほめられると、すぐ調子に乗るほうですので、年内に何とか完結すべく頑張っています。

  4. 特派員様、
    クレームを付けるつもりはありませんが、一言言わせて頂きます。
    「臭い」はクサイ臭いであります。
    あの馥郁(ふくいく)たる床油の香りは、小学校の床磨きや、木製の床板をしいたスハ32などの茶色い客車の「匂い」なのであります。決してクサイ臭いではありません!
    ここは「匂い」でお願い致します。
    そうではありませんか?準特急さん!

  5. 浅学菲才の私にはよくわかりませんが、調べてみるとどうも米手作市先生がおっしゃられるとおり「匂い」がいいにおいで、「臭い」は悪いにおいみたいですね。蒸機の沢山いた機関区に行くと石炭の独特のにおいがして私などは正しく「匂い」でしたが、人によっては「臭い」と感じる人もいたかもしれません。また、懐かしい木造校舎の油を塗った床や、旧型客車、半鋼製の吊り掛け電車によく見かけた油を塗った床、これも好き嫌いがあったかもしれないですね。個人的にはガソリン系は苦手ですが、好きな人もいるのかもしれません。結論を申し上げますと我々にとって旧型客車は匂いです。但し、垂れ流しのトイレ付近を除いて。失礼しました。

準特急 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください