福岡・北九州 路面電車 いま・むかし 〔2〕

天神

博多駅前からブラブラ歩きながら、天神まで来た。商業施設が高度に集積した、九州最大の繁華街も、昭和50年までは、貫線・環状線が交差する福岡市内線の要衝だった。
60210 020sy_R当時の天神のシンボルが、背後に見える岩田屋百貨店で、その南隣は西鉄福岡駅と接していて、改札口と岩田屋2階がつながっていた。九州初のターミナルデパートだった。貫線の西新行きが天神交差点を渡って行くところ。その後、西鉄の天神ソラリア計画により、交差点から南下したソラリアターミナルビルのなかに福岡駅、バスターミナルが入り、この場所はパルコが入店した。いま見ると建物外装が違い、新築のように見えるが、中身は当時のままである。写真では、機動隊、パトカーに囲まれて行進するデモ隊が見える。昭和47年の浅間山荘事件後は、学生運動も下火になって、我々の現役時代と比べると、行進もずいぶんおとなしくなっていた。

60210 010sy_Rsyo60212 059(上)天神の東北角を見ている。乗換客も含めて、当時の停留場付近は賑わっていたが、閑散時はこのような具合だった。停留場標識は、京都などと共通の隅丸ゴシックと呼ばれる書体だが、ルビ(ふりがな)が振ってあるのが特徴だった。(下)右の三菱銀行は、再編で三菱東京UFJ銀行に替わっている。この建物は建て替えられたようだが、交差点の向こうにある天神ビルは、当時と全く変わっていない。
60210 003sy_Rsyo60212 065(上)循環線の九大前行きが南下して博多駅前方面に向かって行く。背後は、銀行や金融機関の看板ばかりが並んでいる。と言うのも、当時はすぐ近くに市役所、県庁があって、天神は官庁・金融街でもあった。(下)金融機関は、交差点角のみずほ信託銀行を除いて、すべて商業施設になってしまった。
市内線時代を知っている身にとって、天神の大型商業施設の集中ぶりには驚くばかりだ。とくに、訪れた季節は春節で、東アジアからいちばん近い日本の繁華街は、京都・大阪よりも外国語が多く聞かれた。“天神”のブランド力は年ごとに上がり、みんな天神を冠するようになり、ついには西鉄までもが福岡(天神)駅、天神大牟田線と改称するに至った。余談ながら、天神は、私の住んでいる住居表示と同じで、以前行った際、全く同じ地番を見つけては一人で悦に入っていた。福岡県下には、道真ゆかりの地らしく、天神を冠する住居表示が各市町で見られる。
60210 014sy_Rsyo60212 039(上)県庁前~東中州の那珂川に架かる西大橋を渡って行く路面電車と西鉄バス、背後の煉瓦建築は大同生命福岡支社で、明治45年の建築。(下)煉瓦建築はその後取り壊され、別のビルが建っている。背後は、もとの福岡県庁の跡地で、音楽ホールや国際会議場を備えたアクロス福岡になっている。すぐ近くには、同じような煉瓦建築の福岡市赤煉瓦文化館が重文に指定されて健在。
60210 011sy_R天神から少し西へ行くと、貫線のある明治通がクランクした箇所があり、その前に当時最新の西鉄グランドホテルがあった。その前を行く九大行きと西鉄バスが並んだ風景、福岡県を中心に路線網を張り巡らす西鉄バスは、当時から車両数日本一のバス事業者だった。当時のカラーは、濃いクリーム、紺の濃淡で、現在の路線バスのカラーの先々代に当たる。車体の標記が、なぜか「西テツ」と書かれていた。子会社の西日本車体工業の旧々車体とともに、路面電車・バスが共存する時代の代表的光景だった(いずれも昭和50年撮影)。

2 thoughts on “ 福岡・北九州 路面電車 いま・むかし 〔2〕

  1. 総本家様 循環線の九大前行きが南下して博多駅前方面に向かって行く⇒貫線の九大前行きが東へ、中洲・呉服町・千代町へ だと思います。あら捜しみたいでスミマセン。大和証券の右隣のビルは天神木村屋ビル、1階にはあんぱんが名物のパン屋さん、その後近畿日本ツーリストに変りました。今ではプロントさんが入ってます・・・

  2. おとりん様
    ご指摘、ありがとうございます。確かに、おっしゃる通りです。この角度は、天神交差点の南西角、岩田屋前から、北東方向を見ていますね。昔の三菱銀行の建物が、いまの建物と形が似ており、外装だけ新しくしたのかと思っていました。それにしては、いま入居しているのは、みずほ銀行であり、ライバルの銀行が入っているのも珍しいなと思っていました。完全な思い込みでした。以前の今昔対比の本でも同じような失敗をしてしまい、幸い再版されたので、正しい対比写真に差し替えしたことがありました。よく読んでいただいたからこその指摘と、感謝しています。

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