2005年前後に使っていたHDD内のネタ、第４弾です。
誤謬や錯誤の、ご指摘など、宜しくお願いします。
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今から40年位前の話になりますが、関東勤務が長期化するとの見通しから自宅を購入しました。場所は東京都 東大和市（ひがしやまとし）、南側は立川市、北側を所沢市に接しています。
単に「東大和市」と言うと、関東地方でも大抵の方が「厚木市の隣ですか？」と応えられます。（苦笑）
元々は武蔵野の原野だった様です。江戸時代初期に郷士の玉川兄弟が、徳川幕府の命令で玉川上水を開削しました。
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やがて昭和13年（1938年）に大規模な造成が行われ、東京瓦斯電気工業（通称：ガスデン）が出来ます。そして日立航空機立川工場となります。しかし工場は爆撃されてしまいます。工場への引込線は戦前に国分寺線の小川駅から南（国分寺方向）へ向かい更に西側へと90度カーブし、玉川上水まで開通しました。
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この資料から、小川駅の東側にあるブリヂストン東京工場は、戦時中に建設された陸軍兵器補給廠小平分廠の跡地であることを知りました。
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そして『小川町史』と言う分厚い本の中で、小平六小が開校したという新聞記事が航空写真付きで載っていて、畑（荒れ地？）の中に小平分廠への引込線の急カーブが写っていたのです。
しかし引込線が実際に使用されたとの記録は無く、鉄道史を研究されている方からは『許認可資料』が無いと認められないとスゲ無く宣告されました。
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それではと、引込線が作られた経緯を調べ始めました。
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『小川停車場平面図』の発見
東京の国立公文書館で発見した青焼き図面です。
（丸数字はコピーに私が入れたものです）
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大きな図面で、陸軍専用線とか日立航空機株式会社立川工場専用線との文字が見えます。
色情報を調整したもの
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しかし残念ながら、これは日立航空機引込線に関する変更申請用の図面で、陸軍専用線関係の図面は見つかりませんでした。
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それではと、米軍が撮影した写真を探しに国土地理院へ向かいました。
戦後に撮影されたもので、小平分廠の構内や周辺の畑に丸い穴がボコボコあり、空襲の爆撃or銃撃痕であると思われます。
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小平分廠への引込線が、単線から枝分岐している様な土盛の形態が見えます。
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ホームの端から枕木状の模様が見える気がするのですが、、、（雑草？）
この写真から『少なくとも路盤とホーム・ホーム上屋が確認できる』のですが、線路は見当たりません。
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今度は、踏切部に注目してみます。
・府中街道との交差部は、明らかに道路側の路面が優先されている様に見えます。
・西武線との並走部分は、引込線側の線路は無く、枕木も無い様に見えます。
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結局、レールが敷設されなかったのか、貨物列車が入線したものの戦後早々に撤去されたのか、定かではありません。
あとは
・空襲前の米軍偵察写真
・米軍艦載機のガン・カメラが捉えた銃爆撃の映像
を調べたい所ですが、宝くじが当たれば実行してみたいと思っています。
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【追記】
2020/09/01 組織名称の訂正
〇 陸軍兵器補給廠
× 陸軍兵器廠
【参考情報】
数値地図で見る西武鉄道、急カーブ図鑑
【線路敷設がされたと思う根拠】
小平分廠は、昭和17年（1942年）の開設です。
兵器や燃料の保管と補給が役目ですから、『物』の輸送は必須です。だから鉄道省の線路に繋がっている路線の近傍に施設を設置する訳です。
トラック？ 昭和18年に入るとガソリンや油類の調達が厳しくなり、木炭自動車が出現します。いきおい大量輸送は鉄道に依存する事となり、小平分廠への専用線が開設されたと思います。
ただ小平分廠の西側には日立航空機の立川工場が有りました。
この立川工場は昭和20年（1940年）に３回の空襲を受け、特に4月24日には B-29 101機の編隊による集中爆撃で、工場施設は壊滅状態に陥ります。
おそらく空襲の前に工場の機械類の一部は疎開していたでしょう。
（工場北側の多摩湖畔沿いにある、元羽村山口軽便鉄道の『赤坂トンネル』などの内部で、旋盤やネジ切り盤が稼働していたと聞きます）
その際に小平分廠も爆撃されており、小平分廠の閉鎖or疎開が決まり、同時にレールを戦争用資材として用いる為に撤去したのではと考える訳です。