岡山臨港鉄道をもう1両ご紹介します。先のDL102号機から歩いて5分ほどのところにキハ7003がきれいな状態で保存、かつ利用されています。岡山市南区千鳥町7-7 ちどり保育園の園庭にあります。
昭和33年新潟生まれで夕張に嫁いだものの夕張暮らしは約10年で終わり、仲間とともに遠く水島へ移り住み、そしてまた10年ほどで岡山臨港に来たものの6年ほどで走るのをやめ それ以来30年近くこうして子供たちに囲まれて今は幸せな日々を送っているディーゼルカーです。
住民票には昭和33年新潟鐵工所で夕張鉄道キハ301として誕生、昭和43年に倉敷市交通局キハ301となり、昭和53年には岡山臨港鉄道に移ってキハ7003を名乗ったのですが 昭和59年12月末の廃止に伴い地元の保育園に引き取られたとあります。さて現住所ですが それほど道幅も広くない住宅地の中の保育園なので搬入・据え付けは大変だったのではと思える場所です。レールも敷かれ、転動防止もされ台車もしっかり塗装されていてすこぶる良好な状態です。ただずらーっと並んでいたバス窓はブラインド風のジャロジー窓にすべて改造されています。4枚目の写真の右側に少し写っています。扉の前には子供が出入りしやすい階段や屋根が設けられ車内も明るくきれいでした。園内に入らなくても道路から撮影できるのですが、場所が場所だけに不審者ではありませんとお断りしてから撮影しました。余談ながら 私も孫を保育園に迎えにゆくことがありますが、顔写真を提出・登録してあって 玄関のカメラで人相チェックを受けないと入れてもらえない世の中です。学校、幼稚園にある保存車撮影にはご注意を。
さて現役時代ですが、昭和44年2月に訪ねた夕張では会うことができず、昭和52年9月の水島での写真しかありません。岡山臨港時代も撮っていません。変色が進んでいますが修正しきれませんでした。
水島臨海は全線地上の時代で 機関区も現在の場所とは違います。キハ301+ナハニフ153+キハ302のDTD編成で通勤輸送に活躍していました。夕張時代 乗客の減少によってナハニフが外されて2連に、それでも冗長と入換え用に当初からあった簡易運転台を使った単行運転も行われるようになったものの乗務員には不評だったそうです。水島では3連が復活しましたが、残念ながら相棒のキハ302がトラックとの衝突事故で廃車されてしまいました。岡山臨港では単行運転でした。なお岡山県の北部 英田(あいだ)町で湘南顔をした夕張の仲間キハ253とキハ303が食堂として余生を送っているのを平成6年5月に確認していますが、今も元気でいるかを再度訪ねてみようと思っています。以上幸せな岡山臨港の2両のご紹介でした。