東京都心と成田空港間を最速36分で結ぶ「成田スカイアクセス」の開業については【9071】で「デカンショまつり号」さんが報告されておられる通りであるが、それに伴い京成電鉄全線のダイヤ改正が実施された。その中でも最も大きく変化した金町線について報告する。
金町線のダイヤ改正は全線ダイヤ改正に先行して7月5日に実施された。その内容は、①高砂駅の発着ホームを新設の高架ホーム5番線に変更(従来は一部を除き4番線に発着)②朝夕を中心に運転されていた金町~上野(一部押上)間の列車を廃止して全列車金町~高砂間の折り返し運転とする。③高砂~柴又間を下り線を使用して単線化する。但し、上り線は入出庫線として残し、単線並列とする。④昼間の運転間隔を20分から15分に短縮する。(運転本数は改正前の平日上下各80本/日→89本/日、土休日上下65本/日→75本)
ダイヤ改正前20分間隔の時は1列車が折り返し運転を行っていたが、改正後は2列車使用して柴又駅で交換するようになった。昼間の基本的なパターンは金町駅、高砂駅ともに発車時刻は7分・22分・37分・52分、柴又駅の発車時刻は上下共に9分・24分・39分・54分で、金町、高砂双方の駅を同時に発車した電車が柴又駅に同時に着発することになり、柴又駅での駅撮りが難しくなった。
ダイヤ改正とは別に7月5日より来年3月31日までの予定で、葛飾区のPRの一環として、3300形3341-3342-3319-3320の編成に「寅さん」、3337-3338-3347-3348の編成に「両さん」のラッピングが貼られている。
「寅さん」のラッピングのモハ3342と「両さん」のラッピングのモハ3338
【教習所踏切】
高砂~柴又間のほぼ中間地点の踏切で直ぐ近くに京成自動車教習所があり「教習所踏切」と呼んでいる。(正式名称は「高砂(金)4号踏切」)ここまでは自宅から自転車で20分(信号のタイミングがよければ15分)で到着する。趣味誌で「撮影地ガイド」に紹介されたことがあるが、高砂~柴又間で撮影可能な場所は、この場所を含め途中の踏切しかない。
高砂駅から柴又駅までのほぼ中間地点まで高架化され、高架から地平に降りる「寅さん」編成と地平から高架に上る「両さん」編成
高架完成前の同一区間を走る3341-3342-3319-3320と3337-3338-3347-3348編成
リバイバル塗装車
青/3353-3354-3355-3356・赤/3345-3346-3323-3324・オレンジ/3309-3310-3311-3312
3500形
昭和47年12月から57年5月まで4両編成24本96両作られたセミステンレス車。平成8年から大規模な更新修繕が平成13年までに14本が実施された。残りの10本も実施される予定であったが、新車を投入した方が得策との考えから中止となり、既に廃車された車両もある。
上/3501-3502-3503-3504・車体更新車、下/3573-3574-3575-3576
【教習所踏切の山側】
【「教習所踏切」と柴又寄りの「高砂(金)5号踏切」の間】
単線化後
複線時代
【「高砂(金)5号踏切」(柴又駅から高砂寄り2つ目の踏切)】
この場所も「撮影地ガイド」に紹介されたことがある。
【金町方面から柴又駅進入】
【柴又~金町間】
柴又~金町間は両側に道路がある。金町に向かって右側は交通量が非常に多いが、左側は比較的静かである。
ダイヤ改正で廃止された上野行/3341-3342-3319-3320
金町駅発車/3589-3590-3591-3592
【北総鉄道リース車について】
昨年9月17日【4342】で3305-3306-3307-3308編成と3313-3314-3315-3316編成が北総鉄道にリースされ7261~7268の車号となっていることをお知らせしたが、4月中旬頃、教習所踏切で撮影していた同業者から7月17日の成田スカイアクセス開業に伴いスピードアップの障害になるため、9000系と共に廃車(リース返還)になるため、新鎌ケ谷駅や東松戸駅では撮影者で賑わっているという話を聞いた。同車の車齢を考えると多分間違いないだろうと思い撮影を試みたが、得てしてこの種の車両はカメラを持っている時には来ずに、持っていない時に限って来るものである。それでも葛飾区役所に行った時に、場所は良くないが何とか撮ることができたが、開業後も特に変わりなく運転されているようである。しかし、いつ廃車されてもおかしくない車両であるのは間違いなく、早めの撮影をお勧めする。
上/22年6月29日 立石~四ツ木間・下/22年5月18日 立石駅
9001他8連 22年6月29日 立石~四ツ木間